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あなたのホームランを見上げてみたい 【枡野浩一がNHK短歌の選者をやるにあたってテキスト「NHK短歌」2024年4月号に書いた宣言文】


短歌を一首ずつ雑誌投稿欄などに投稿して、選ばれたことがありません。短歌の新人賞も残念ながら受賞したことがありません。そんな落ちこぼれ歌人がみなさんの短歌を拝見します。とても若かった頃、「どんなにほめられても、どんなにけなされても、そんなことには負けないようにしよう」と思っていました。あなたにとって必要な一首は、だれに選ばれなくても大切にしてください。先行する世代の歌人が批判するような短歌こそが、次の時代をつくるのかもしれません。短歌は初心者がホームランを打つことのある文芸です。びっくりするほど凄くて、「ちょっとこれ見てみて」と、なにかと人に言いたくなるような一首と出会えるのをたのしみにしています。






※「NHK短歌」編集部の許諾を得て転載しました。毎月のテキスト、ものすごく手間ひまをかけて書いているので、ぜひバックナンバーもあわせて読んでみてください。置いてある図書館もありますし、一年間買い続けても、カルチャーセンターの受講料よりは安いです。


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教科書に短歌が載っている歌人の枡野浩一が、2011年4月から毎日ちゃんと配信してきた世にも珍しい有料メルマガ「毎日のように手紙は来るけれど」、noteに引っ越しました。表現についてずっと考えています。

短歌、言葉、その周辺の仕事。興味のあることだけやって二十数年生活してきた歌人の、あやまちだらけの毎日を知ることで気持ちがきっと楽になります…

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