【心理テクニックで相手を思い通りに動かそうとするのは、スポーツと似ているのです】
心理学を応用した心理テクニックは、世の中のほとんどの人がWebサイトや本などで目にしたことがあるでしょう。
実践している人も多いのではないかと思います。
しかしその恩恵をきちんと受けられている割合は、どれくらいなのでしょうか?
もしかしたら心理テクニックを駆使したにも関わらず、想定していた通りにはならずに苦労している人もいるのではないでしょうか?
では、その思い通りにいかなかった原因は何なのか?
今回は基本的な心理テクニックを例に、その辺について考えてみましょう。
心理テクニックを学び始めると、ある事実に気がつきます。
それは、同じような状況で使える心理テクニックに、まったく別の系統のものが存在するということです。
たとえば有名な“ドアインザフェイステクニック”。
これは基本中の基本なので、ご存じの人も多いでしょう。
一言で言うと、『絶対に断られてしまうような無理難題を最初に出すことによって、あえて断らせておいてから、難度のあまり高くない要求をする』というものですね。
相手は一度断ったことで、次に断りにくいと感じてしまうために、『これくらいなら良いか』という妥協によるOKを引き出す効果があります。
ところがちょっと調べればすぐにわかることですが、実は“フットインザドア”なるものも存在しています。
これは相手が引き受けてくれやすそうな、極めて簡単なお願いをすることで『イエス』という答えを導き出し、それを何度も繰り返しておくことで、普通なら面倒で断られてもおかしくはないお願いをした時にも『イエス』という答えを引き出すというものです。
さらには“ローボールテクニック”というものもあります。
これは最初に単純な要求を相手にのませておいて、それをきっかけに、さらに次の要求をしていき、最後にはかなりのことまで了承させてしまうというテクニックです。
『一度引き受けてしまったし、少しくらい要求が釣り上げられたからって、今さら断るのは悪いなあ』と思わせるわけですね。
ちなみに“フットインザドア”と“ローボールテクニック”の違いはちゃんとわかっていますか?
極めて似ているテクニックですので、話を先へ進める前に、まずは念のため“フットインザドア”と“ローボールテクニック”の違いについて、簡単に説明しておきましょう。
とりあえず、同棲中の恋人同士のやり取りを例にしてみます。
「ちょっと醤油取ってもらっても良い?」
から
「冷蔵庫から牛乳出して欲しいんだけど」
になって、
「ティッシュ取って」や「卵買ってきて」、「明日の朝起こしてね」
などを何度も繰り返し、最終的には
「結婚して欲しい!」
を了承させるのが“フットインザドア”です
対して、
「次の休みにどこか連れていって」
でOKをもらっておいて
「ディズニーが良いなあ」
でさらにOKをもらい、
「せっかくだからホテルで一泊して、ランドもシーも楽しもうよ」
という要求をのませるのが“ローボールテクニック”です。
こうすると違いがわかりやすくないですか?
まったく別のお願いでイエスをもらうのが“フットインザドア”。
一つの要求をどんどん釣り上げていくのが“ローボールテクニック”というわけですね。
まだまだ他にも同じような状況で使える心理テクニックは、たくさん存在しています。
ですが、とりあえず例を出すのはこれくらいにしておいて……。
さて、ここまででみなさんの中には、こういった疑問を抱いた人もいるのではないでしょうか?
同じような状況で使用できる心理テクニックが、こんなにもたくさん存在するのなら、いったいどれを選択するのが正解なのか?
実際、それぞれの心理テクニックにはオススメの状況というのがあります。
心理学者さんによっては、どういった場合にはどれが有効なのか、かなり細かく分析している場合もあったりしますが、Webサイトやコンビニで売られているような本にはあまり書かれていないことが多いですよね。
どうですか?
細かい部分、知りたくないですか?
とまあ、こんな質問をしておいてアレですが、私はあえて断言します。
この程度の心理テクニックを、そういった細かいところまで覚える必要など、まったくありません!!
理由は単純にして明快。
どうせ完璧に覚えたとしても、それを有効活用できるとは限らないからです。
え~? どうしてだよ? ちゃんと覚えれば、相手を思い通りにできるやん?!
などと考えるのは非常に甘いです。
知識があってもそれを有効活用できるかは、また別。
考えてもみて下さい。
もしも心理テクニックの知識があれば他人を思い通りに動かせるのであれば、
有名な心理学者さんや心理学の知識をたくさん身に付けている人はみんな、周りの人達を思い通りにすることができているはずじゃないですか?
でも現実では、心理学者さんや心理テクニックにやたらと詳しい人の多くは、ちょっと失礼かもしれませんが、むしろ人間関係の構築はあまり得意じゃないように思えます。
ていうか、全然思い通りに他人の意識を誘導できないから、そういった知識を求めているんですよね?
では何故、知識があっても心理テクニックを活かすことができないのか?
それはたった一言で説明することができます。
心理テクニックで相手を思い通りに動かそうとするのは、多くのスポーツと、まったく同じだからなのです。
というわけで、ここからは心理テクニックとスポーツの類似性について、より具体的に説明をしていきましょう。
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