空きっ腹にワニが嗤う。

コミュニケーションって、実は訓練が重要。
身近なところで言えば、家だったり学校だったり職場だったりで、日々関わる人たちとの小さいけれど数多いやりとりがそのまま経験値になる。

だけどこれ、人によって濃度が違う。
交わした言葉の数や、関わったアクションの数、いいこと痛いことの数、あれこれの数がそのまま経験値として積み重ねられる。数が違うので、当然、差が出る。

家で喋る？と訊くと、ほとんど喋らないと答える。
スマホ覗いてるし、家庭内すれ違いも多発だし、家族間ならノンバーバルで全てが完了してしまうことも。変な話、あ・うんの呼吸でコミュニケーションできてしまうから、言葉が介在しない。友だちもチャットのやり取り。長電話で喋り倒すより、スタンプの応酬が長く続く。

ITの恩恵で便利な世の中。上手に使えば便利なツール。このツールを使って大抵のことはできてしまって支障が無いし、効率も良い。だけど、圧倒的に対人コミュニケーションの経験値が少なくなることも否めない。

無理して喋れということでもないんだけど、伝える言葉、伝わる言葉を持っていることは大切だと思う次第。

ま、喋り出したら止まらんやつもおるけどな！と、ウチのワニが嗤う。
チッ！と舌打ちしながら、トマトジュースな朝ごはんを並べる。坂の上ベーカリーのクロックムッシュだよ。大好物だよ。お腹空いたんだよ。何かっ⁈

そういえば年長さんの頃、ゆり組の担任の先生(美女)が、しゃがんで私の両肩に手を置いて、じっと目を見て、「ますみちゃんは、先生のことがキライなの？」と泣かせちゃったくらい喋らない子だったんだけど、先生が大好きすぎて恥ずかしくて喋れなかっただけなんだけど、それは遠い昔の記憶…

ごめんね。