またのかんかく
清書はまたこんど
怪談会があった。
呪具をテーマにした会だった。
お面や瓢箪、石とクマのぬいぐるみ。
そんな話を聞いた後日の話。
自動販売機に1000円入れた。
ボタンを押したらお釣りが予想以上に出た。
ラッキーくらいの感覚でお釣りを取ろうとしたが小銭が止まらない。
地面に溢れるほどに落ちたから、しゃがみ込んで拾い集めた。
モゾり
股間に嫌な感覚があった。
うち太ももを這う何か。
パンツ越しに感じる感覚。
履いてたスカートの上から叩くとポトリと何かが落ちた。
黒光したあいつ。
慌てて立ち上がる。
足元に落ちてくるあいつ。
でも、股間にはモゾモゾと蠢く感覚だけはわかる。
人前で脱ぐわけにもいかずスカートの上からひたすら叩く。
ボトボトと落ちるが、股の間には相変わらずの感覚。
棘のある足が肌を撫でる。
女性器スレスレを尖った先が撫でた。
ああ、もうだめだ。
近くに倉庫があった。
暗がりだった。
慌てて奥まで入り、無人を確かめてスカートを捲り上げて下着を取った。
脱ぎ捨てたパンツには、あいつがびっちり張り付いていた。
足の棘が繊維に絡んで、モゾリモゾリと波打っている。
下着を掴んで地面に強く叩きつけたが、何匹かが足がもげて取れただけ。
絡みついてて逃げ出したくても逃げられないらしい。
悍ましさと怒りに任せて、それを踏み潰した。
ぶちゅという感触もなく、靴の下で何匹も潰れた。
白い体液が辺りに散ったし、下着も汚す。
でも、まだパンツにはあいつがびっしり張り付いている。
不意に横に気配を感じてみれば、髪を結んだ女がいた。
笑っていた・・・ように思った。
でも、違う、顔がない。
そこでわかる。
お前、クマか。
これは夢か。
その瞬間に、下着に張り付いていたあいつが消えた。
倉庫の入り口に向かって、女とあいつが逃げていく。
脱ぎ捨てた下着を履くか迷っているうちに、死んだ祖母が出てきたので
「やっぱり夢だったか」と独りごちた。
そして目が覚めた。
感覚だけが残ってた。
次の日。
自販機でジュースを買った。
うっかり釣銭受けに手を入れた。
コツン。ざり。
指先の違和感。
昨日の夢を思い出し、一旦手を引く。
そして、恐る恐る指を入れ直す。
中にあったのはカナブン二匹と何かの羽。
なぜ?
釣銭と共に取り出して、とりあえず空き缶入れに捨てた。
子供のいたずらだろうが、タイミング的には最悪で。
でも、神社にお参りには行ってきた。
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