歩き遍路の話〈番外編・高知県室戸市の秋祭り〉
歩き遍路も香川県に入ったところで10月になり、10月は私の地元・高知県室戸市の秋祭りシーズンであるので、遍路を一旦区切って地元に帰ってきたことを今日は書きます。
室戸の祭りについて書こうと思いますが、その前に室戸市について簡単に紹介します。
高知県室戸市
高知県室戸市は、四国の右下にあります。突端の岬は、室戸岬。
昔からよく大きな台風が通過することで有名で、ニュースで室戸市の名前を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
少子高齢化の進む田舎町ですが、ここ最近はUターン移住やIターン移住など、都会から移住してくる若者も多いです。(私もUターン移住者)
商店街はどんどん店が閉まりシャッター街になっていますが、その中でも地域を盛り上げようと楽しんでいる(頑張っているというより「楽しんでいる」という方がしっくりくる)人たちもいます。
室戸市の中にももちろん色々な地域があります。端から端まで国道を車で走ると50分くらいかかり、意外と広いなと感じます。
そんな室戸で一番盛り上がる季節は、秋。
10月になると、室戸の地域じゅうでそれぞれの祭りが行われます。週末ごとにどこかの地域で祭りがあり、地域ごとに「10月の第〇週の土日」と決まっているため、日程がかぶっていることも多く、私は地元民ですがまだ室戸の全ての地域の祭りに行ったことがありません。
室戸の秋祭り・神祭
神の祭りと書いて、じんさいと読みます。
さきほど、各地域ごとにそれぞれ祭りが行われると書きました。
だいたいの地域で共通しているのは、神輿を担いで集落を練り歩くこと・獅子舞が出ることですが、他にも地域ごとに特色があります。
例えば、神輿を担いで海に入る地域、狂言のような劇を披露する地域、狂い獅子と呼ばれる獅子舞、暴れ神輿と呼ばれる盛大に神輿を揺すりながら歩く地域、太刀踊り、伝統の唄を歌う地域など。
今回はその中でも、毎年観光客が多く訪れる吉良川(きらがわ)地区の秋祭りを紹介します。
SNSに祭りの動画を載せると、遍路中に知り合った人に「これはすごい!たしかにこのためなら、わざわざ帰るの分かる!」と言ってもらって嬉しかった記憶があります。
今回載せるのはその動画ではなくて、写真ですが。。。
これ、提灯の中にはちゃんとロウソクの火がともっています。そして真ん中の上には、人が一人座っていて、太鼓を叩いています。それを担いでみんなが勢いよく回すのです。
4台の花台が順番にこの舞を披露(奉納)し、どこの組(集落)が一番きれいに舞ったかを競います。
こんなに大きくて重い花台ですから、当然バランスを崩すことも。
そんなときは、周りで見ている見物客から悲鳴が上がります。ですが私はまだ一度も花台が倒れたことは見たことありません。(過去にあるのかは知りませんが)
神祭は室戸の人にはとても大切な行事。一年中で一番の大きな行事です。
祭りはどの地域も五穀豊穣を願ったり、その年の収穫を感謝したりするもので、それぞれの出し物(神輿や舞、踊りなど)を土地の神様に捧げます。
天候や災害によって年の収穫が今より大きく左右されていた時代は、神様に捧げるこれらの祭りの意義は本当に切実なものであったのだと想像します。
そんな文化がまだ地域の特色を色濃く残して、現存されている室戸を誇らしく思います。ですがそれもいつまで続けられるか、と、コロナで中止が続く昨今、皆危ぶんでいます。
室戸市は電車も高速道路もつながっていない、少し辺境の地ではありますが、ぜひ多くの人に遊びに来てもらえたら嬉しいな。
ということを胸に、歩き遍路の話ですが祭りの話を挟ませていただきました。
さて、室戸の大事な秋祭りを満喫した私は、11月上旬に再び歩き遍路を再開します。次回はそこから書きますので、また読んでもらえると嬉しいです。
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