『シン・二ホン』第2期アンバサダー仲間のこと

極めて個人的な話である。
この夏に出会った仲間のことを書こうと思う。

 なぜ書こうと思ったのか?
 出会った仲間とはこの2か月一度も顔を合わすことはなかったが、気がつくと濃密な時間を過ごし、いつしか大切な仲間になっていたのである。先日最後の講座を終えたが、ちょうど学生時代に経験した文化祭の最終日のような感動と寂しさが入り混じったような感覚だ。

 僕らは安宅和人さんが心血を注いだ『シン・二ホン』に心動かされ、それぞれの想いでこの本を世の中に広めたいと集まった。アンバサダーを目指す15名である。10代の高校生~60代まで幅広く個性の強いメンバーだ。

2020年6月25日21時                         運営3名、サポーター3名、参加者15名がZoom越しで初めて顔を合わせた。当時の動画を見るとまだお互い〇〇さんと呼んでおり、ややぎこちない。(その後全員あだ名で呼んでいる)

 講座概要は以下のとおり、ファシリテータースキルを身に付け、アンバサダーになろうということで我々は2期生となる。1期は10名の募集に対し100名以上が応募しておりかなり人気もあるようだ。ちなみに私は1期は落選していた。

『シン・二ホン』オンライン読書会 ファシリテーター養成講座 ―『シン・二ホン』公認アンバサダーになろう
・この講座で得られること
① 『シン・ニホン』をより深く理解する
② オンライン読書会で必要なファシリテーションスキルを身につける
③ 『シン・ニホン』について自分の感想を文章化する技術を身につける
・実施方法
毎回1.5時間✕全7回 Zoomにて実施 無料!

 なお、講師は以下の両名が務めるという贅沢な顔ぶれである。
井上慎平さん(NewsPicksパブリッシング編集長)
岩佐 文夫さん(プロデューサー/編集者。ダイヤモンド社にてビジネス書編集者、DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集長などを歴任)

 毎回ファシリテーターとしてのテーマの確認、章のまとめと議論の問いを発表、グループに分かれファシリテーター主導で問いを議論、結果共有という流れである。章のまとめと問いの設定については、事前に決められたグループで事前に打ち合わせをすることになっている。
 これだけを聞くと、よくあるオンラインセミナーとあまり変わりない。
今回のこの場は何が良かったのか?私なりには次の3つが上手く作用していたのかな、と思っている。

1 参加者の目的が明確であったこと。
2 お互いに尊重しあい、全員当事者意識が強かったこと。
3 運営者のリーダーシップが素晴らしかったこと。

 また毎週の講義外でのワークが活発だったと思う。毎回グループが変わるが、私のグループでは担当の章の問いをつくるだけでも、3時間以上の真剣な議論をしていた。それ以外にもグループメッセンジャーでも意見が止まらない。みんな目的がはっきりとしているので、取り組みも真剣なのが熱く楽しかった。
 回を重ねてくるうちに、講義外では『シン・ニホン』とは関係ない話をする時間も自然と増えてきた。多いときでは週に3回~4回顔合わせることもあった。それは進路相談であったり、人生相談のようなものであったり、仕事の悩み相談だったりと。みんな自然と自分をさらけ出す話も増えてきた。それに対してメンバーがそれぞれの経験や考えをもとに率直なアドバイスをする。そこには年齢、職業、立場も全く関係なく完全にフラットで心地良かった。

 そんなことを重ねていくうちに参加者の人となりをより理解しはじめ、実際の講義の場にも良い影響を与え始めた。お互いをさらに尊重しあう場が形成された。
 特に3名の高校生には本当に刺激を受けた。大人の中に飛び込んでくるだけでも、率直に凄いなと思うけど、しっかりと自分の意見の述べ議論に参加している姿に感動した。この3名からこのコニュニティーを盛り上げるための提案があり、それを実行していた行動力は尊敬するしかない。     僕はこの3名と対等に付き合いたかったので、高校生という呼び方を止めようと提案させてもらった。

 ここからは極めて個人的な経験談。

第5回目のテーマが「結論を意識した議論をやめる」 
第6回目は私がファシリテーター担当であったので、事前の打ち合わせで岩佐さんに言われた一言が痛かった。

「げんちゃんはさ、一皮むけるかどうかなんだよね」と。

 この人には(岩佐さん、失礼しました)完全に見透かされているな、と思った瞬間だった。
 確かに大体の議論の問いに対して自分なりの答えを事前に持ち合わせ、そこに議論を着地させるのは比較的得意である。けどそれは予定調和であって、面白くないんだよな、という課題感を持っていた。だからズバッと胸をえぐられた気がした。
 無難だけど飛びぬけ感がない、ファシリテーター云々よりいまの自分を表しているようで正直イロイロ痛かった。
 当日のファシリでは、自分なりの答えを持たずに参加者の意見を尊重し、議論に集中する、結論は出なくてもよい。そんなスタイルで挑戦してみた。


 後日の岩佐さんから「参加者としての僕は、120%楽しむことができました。遠慮なく意見が言える雰囲気、それが深まっていく雰囲気、あの35分は非常に濃厚な議論ができた時間ではないでしょうか。そのあたり、げんちゃんが「裸」になって今回のファシリに挑まれたことから生まれた成果だと思いました」というようなフィードバックを貰った。もちろん他メンバーからも率直なコメントばかりだった。さすがにこのコメントを読みながらウルっときてしまった。


 最終回『シン・二ホン』から何を得たか、というお題に対する個人スピーチがあった。私は最後から15人中14番目だった。事前に何を話すかは決めていたはずだった。けど、メンバーのスピーチを聞いていると、この2か月間の色々なことが去来し、創らない自分の想いを話そうと決めた。
 いざ、自分の番が回ってきた時点で恥ずかしくも既に感極まってしまった(笑)
 なんとかひねり出した言葉が、「皆さんとこの場が大好きです」というような感謝の言葉だった。何を得たのか?というお題には合っていなかったけど、きっとそれが飾らずに率直に伝えたかった言葉であったのだろう。
 いま思うと、著者の安宅さんもいらっしゃっていた場なので、もっと内容に直結したことが言えばよかったかな、と思ったけど。

オンラインでこんな体験をした2か月間だった。
みんな真剣で熱く尊敬できる人ばかりで大好きです。
一人ひとりの顔が浮かび、それぞれのキャラクターが脳裏に焼き付いている。

井上さん、岩佐さん
一冊の本をきっかけにこの場を創って頂いてありがとうございました。

明日からアンバサダー活動で社会への貢献と恩返しをしたいと思う。

場づくりの視点でももっと書きたいことは有りますが、また気が向いたらまとめてみたいと思う。


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