一宮にとってVtuberはホロライブであり、それ以外に追いかける対象はなかった
コロナ禍でVtuberを知った一宮にとって、Vtuberとはホロライブのことであり、自分がデビューするときもホロライブみたいなことがしたくてデビューした。
それから2年経って。果たして自分の活動がホロライブみたいなことかは分からない。何個か企画をパクって配信しているが、彼女たちのような本当に面白い配信はまだ出来ていない。配信者としてはまだ道半ばである。
一方で。いちリスナーとしては視野が広がったように思う。相変わらず、Vtuberというえばホロライブというぐらいホロしか見ていないが、ホロ以外にも見るVtuberが増えた。繋がっている個人勢のVtuberさんの配信はチャットこそしないがホロの推しの配信がなく、Mリーグもないときなどはこっそり見ている。
その中でもやはり、知り合いが多い将棋Vさんの配信はよく見ていると思う。将棋Vさん一人ひとりには思い入れもあるし愛着もある。将棋Vも名乗らないし麻雀Vも名乗らないし、今ハマっているモンストVも名乗らないが、将棋Vさんの横のつながりと箱感は、ホロライブみたいなことがやりたい一宮からすると、とても素敵なフィールドで合った。
だからこそ。将棋Vさんの休止は寂しい。他の界隈のVさんに比べると圧倒的に休止・引退が少ないと言われる将棋Vさんだが、それでも一宮が界隈を知ってからそうなられた方が何名かいる。
1人はともに戦った同士。今はTwitterのアカウントも削除されており、どこで何をされているのかも分からない。お仕事が忙しいと繰り返されていたこともあり、ただただ元気でいることを願うばかりである。
1人は遠い存在だった人格者。その優しいお人柄が伝わる声と圧倒的な棋力で「ご一緒に将棋棋戦の中継・解説をする」ことを目標にもした。嬉しいことに配信業に復帰され、その機会を得ることもできた。
1人は突然、Twitterで休止を宣言された、こちらも人格者。珍しく表立って一宮を褒めてくれたこの方には「またお会いできるときを楽しみに」との言葉を送ったが、それは実現して、今ではV棋戦にも復活されている。
そしてまた一人。新たに知り合いが休止しようとしている。
今までで一番違うのは、休止まで1ヵ月あるということ。ホロライブの伝説のドラゴンが引退したときと同じ、さよならまでのカウントダウンがあるのは知り合いの個人勢では初めての経験である。
VSリーグでもお世話になった選手なだけに、少しだけ彼女について記する。
VSリーグ、0期・1期とやって一番印象的な選手は誰かと言われたら、その筆頭格として彼女の名前を挙げるだろう。一宮がVSリーグで一番見せたかったものである、Vtuberが普段自枠では見せない姿を、一番見せてくれた一人であることは間違いない。
普段は誰に対しても丁寧かつ優しい態度の彼女が、団体戦の舞台という自分一人ではない戦いに挑んだ時、ここまで感情が出るのか。おそらくは自身の力をフルに発揮できた対局は1局もなかったように思う。それだけプレッシャーや緊張感を感じていたのではないか。
ご本人の意思とは違うことになってしまっているなら申し訳ないが、一宮が本棋戦を通じて見せたかった姿を彼女は見せてくれた。その辺りの感情や姿勢がチームメイトに伝わったからこそ、第0期のチームリーダーのあの姿にもつながったと思う。
将棋界の最高の対局というわけではない、Vtuberが将棋を指す意味。この解釈は人それぞれだと思うが、一宮はVtuberの魅力が不可欠であると思う。その魅力が人気によるものなのか棋力によるものなのか、それは人それぞれ。
彼女に関していえば普段見せているおしとやかな姿とは裏腹の、心の奥にある負けず嫌いな熱情が一宮は好きだった。本当に魅力的な選手だった。一度、自分の配信に呼んでおしゃべりしてその人柄を深堀したかった。
ただ。
Vtuberだけが人生ではない。これからもきっと、楽しいことが沢山ある。どうかご壮健で。そして休止なんだから帰ってきても良いのだ。その時はまたお帰りなさいを言おう。
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