日記⑲(2022.02.26)
三年と半年もの間、アルバイトしていた書店をやめた。今月に入ってから、あと何回出勤があるかを数えていたのに、いつも通り日々を過ごしていたらいつのまにかその前日で、当日で、その次の日になっていた。感傷ばかり。
もともとは一年ほどしたらまた別のアルバイトをしようと思っていた。いろんなアルバイトを齧りたいと思っていたからだ。次は花屋さんがいいな、なんて。でも気づいたらこんなに経っていた。あまりに居心地がよかった。
色んなことがあってその断片がハイライトのように行き過ぎるが、それらは一部でしかなくて、色んなことを忘れてしまっていた。ぼくにとっておおきな出来事――すくなくとも20代前半における特大事項――なのだが、あまりに生活そのものでうまく信じることができないでいる。
三年半も同じ場所にい続けたというのは、高校以来だった。大学は途中でやめてしまったから。おおきな存在だった。場所についてこんなに感傷的になるとは思わなかった。こんなに愛着が湧くとも。
そこで仲よくしてくれた人たちとも繋がりはあるし、今後何度も訪れることには変わりない。けれど、もうあのバックヤードに入ることも、レジに立つことも、あのエプロンをかぶることも、屋上の喫煙所で煙草を吸うこともない。ちゃんと受け容れるのにはある程度の時間がかかってしまうのだろう。社割で買った本を読みながら、ゆっくり応じていこうと思う。そうしてあたらしい生活へ。
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今まで一度も頂いたことがありません。それほどのものではないということでしょう。それだけに、パイオニアというのは偉大です。