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プラナリアのいろは その1

切っても切っても死なない生物で有名な生き物「プラナリア」そんなプラナリアのちょっとした豆知識を共有しています。もし飼ってみたい!なんて気持ちが沸いたら、本NOTEを参考にしてもらえると嬉しくおもいます。

筆者:KOUHAKU
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                               


プラナリアの種類

プラナリアとは、犬や猫のように多くの種類が存在する総称であり、理科の教科書でよく見かける「プラナリア」として知られるものは、実際には「ナミウズムシ」という特定の種類です。プラナリアは幅広い生息地を持ち、陸上、淡水、海水といったさまざまな環境で見られ、空を除けばほとんどすべての地域に生息しています。種類も非常に多く、それぞれの種類によって生息環境や特徴も異なります。たとえば、淡水に生息するナミウズムシは再生能力が非常に高く、身体の一部が失われても新たに再生することで有名です。一方、海に生息するプラナリアの一部は、寄生虫のような生活を送るものも存在します。また、陸上に生息する種もおり、湿った土壌や落ち葉の中で生活していることが多いです。

興味深いことに、プラナリアの一部の種類は無性生殖を行い、分裂して増えることができますが、他の種類は性別を持ち、交尾によって繁殖します。さらに、研究者たちはプラナリアの再生能力や寿命に関する特性に注目しており、再生医療や老化研究などで重要な研究対象となっています。

日本の河川にも古くから生息する固有種なども存在しますが、日本を代表するプラナリアは知名度からしても「ナミウズムシ」と言えるでしょう。最近そんなナミウズムシ脅かす外来プラナリアが存在するのはご存じでしょうか。それは、「アメリカナミウズムシ」と「アメリカツノウズムシ」です。

一旦それぞれの特徴を書いていきます


ナミウズムシ (Dugesia japonica)

ナミウズムシ

ナミウズムシは、日本の淡水域に広く分布するプラナリアで、川や池、小さな水路などに生息しています。全体的に暗褐色をしており、体長は約1cm程度で大きい個体は3㎝ほど。再生能力が非常に高く、体を分断されても、切れた部分から新たな体を再構成できるという特徴があります。この再生能力により、学術研究や教育現場で実験生物としてよく利用されています。生態としては、川底や池底の小さな水生生物や有機物を餌にしており、比較的きれいな水域に多く見られます。



アメリカナミウズムシ (Dugesia tigrina)

アメリカナミウズムシ

https://www.biolib.cz/en/taxon/id43892/

アメリカナミウズムシは、北アメリカを中心に広く分布する淡水生プラナリアです。見た目はナミウズムシに似ていますが、体の模様がより目立ち、斑点状の模様を持つことが多いのが特徴です。アメリカナミウズムシも優れた再生能力を持ち、生物学や再生医学の研究対象としても重宝されています。生息環境は淡水域で、池や川の底にある有機物やデトリタス(有機物の分解物)を食べるなど、デトリタス食生態を持つことが特徴です。環境適応力が高く、少し汚染された水域でも生存することができます。



アメリカツノウズムシ (Girardia dorotocephala)

アメリカツノウズムシ(引用元Wikipedeia)

アメリカツノウズムシは、北アメリカの淡水域に分布するプラナリアで、特に頭部の形状が「ツノ」のように尖っているのが特徴的です。この尖った頭部は、ナミウズムシやアメリカナミウズムシと区別する大きな特徴となっており、体長は1~2センチメートル程度。アメリカツノウズムシも再生能力を持ち、特に再生医療や発生生物学の分野で注目されています。また、水中の小動物や有機物を主食とし、川底や池底に生息しているため、他のプラナリアと同様に水質のバロメーターとしての役割も果たしています。


問題点

問題点①

「アメリカアミウズムシ」は一部の地域でナミウズムシと生息域を競合しています。強い繁殖力と環境への適応力を持つアメリカナミウズムシは、在来のナミウズムシの生息域を脅かしており、その影響が懸念されています。外来種の拡大は、生態系に予期しない変化をもたらすことがあり、いずれナミウズムシの保護活動などが必要になるかもしれません。

問題点②

また日本のナミウズムシはきれいな水の指標の生き物として教科書や資料集でも登場する生き物です。比較的汚い水域でも生きられるアメリカナミウズムシがあまりにナミウズムシとそっくりであるため、サンプリングで間違いが起こる事例もまれに見かけられます。

問題点③

アメリカツノウズムシは、今のところあまり問題視されていませんが、ナミウズムシと生息域が似ているいるため、アメリカツノウズムシが増えて交雑する可能性があります。交雑が進むと、ナミウズムシの遺伝的多様性が減る恐れがあります。遺伝的多様性が減ると、ナミウズムシが環境に適応する力や生き残る力が低下し、最終的にはナミウズムシが生き残れなくなるかもしれません。だから、アメリカツノウズムシの動きに注意を払い、適切な対策を考えることが大切です。


解決策

知ることから始めよう

普段身近な河川にどんな生き物がいるのか知ることが重要です。知るといっても、危ないといわれている河川には入ってはいけません。浄水場の職員さんや学校の先生に聞いてもいいと思います。まずは身近な水の生き物について知ることが先決です。

定期的な調査

河川や池などの生息地を定期的に調べて、外来プラナリアの数が増えていないか確認します。早めに問題を見つけることで、対策が取りやすくなります。

学校や地域での教育

外来種の問題について、学校や地域で学ぶことが大切です。プラナリアについて知識を持つことで、みんなが気をつけるようになります。

手作業での駆除

外来プラナリアが見つかった場合、専門家や地域の人たちが協力して、手作業で取り除く方法があります。これにより、在来のナミウズムシを守ることができます。

清掃活動

河川や池の周りをきれいに保つことで、ナミウズムシが住みやすい環境を作ります。ゴミを捨てないようにするだけでなく、地域の清掃活動にも参加しましょう。

研究者との協力

大学や研究機関と連携し、ナミウズムシや外来プラナリアについての研究を支援することが大切です。新しい情報を得ることで、効果的な対策が見つかるかもしれません。



最後に

すみません。最初はこんなに真面目に書くつもりはなかったのですが、書いていくうちに内容がだんだん難しくなってしまいました。最後のまとめの解決策は、子供でもわかるように考えました。

プラナリアについて書こうと思った理由ですが、私たちの会社ではプラナリアの養殖を進めており、ようやく安定して個体を増やすことができ、販売にこぎつけました。しかし、販路を開拓しようにも資料が少なく、育成方法も不明な点が多いのが現状です。先生や生徒、研究者の中には、プラナリアをどう扱ったらいいかわからない人も少なくありません。教科書では重要な生き物として扱われているのに、実際に見たことがないという人も多いのです。だから、いろんな学校にプラナリアを取り扱ってもらいたいのも本心ですが、ぶっちゃけると売れなければごはんを食べることができません。

本文でも解決策として書きましたが、まずは多くの人にプラナリアを知ってもらうことから始めていきたいと思っています。毎週、できれば毎日、プラナリアについて発信していくつもりです。今の子供たちにも「知っているけど知らない」という存在が減ることを願っています。

次回以降は、もう少し具体的にテーマを絞って書く予定です。引き続きよろしくお願いします!


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