レッドリーフバコパ(ロタラ マクランドラ)
レッドリーフバコパ (Rotala macrandra) は、鮮やかな赤やピンク色の葉が特徴的な観賞用水草です。日本では「レッドリーフバコパ」と呼ばれていますが、実際にはロタラ属に属し、その美しい色彩と柔らかい葉が、バコパ属の水草と似た外観を持つためこの名前が付けられたと考えられます。特に高光量とCO2添加の条件下で、葉の赤みが際立ち、水槽内で非常に目を引く存在感を持っています。
特徴
学名: Rotala macrandra
葉の形状: 楕円形からやや丸みを帯びた薄い葉で、柔らかく繊細な質感を持ちます。光量や栄養条件により赤やピンクの色彩が強調されます。
成長速度: 比較的遅め。環境が整えば安定して成長し、美しい群生を作り出します。
サイズ: 高さ10~30cm、横幅5~15cm程度。中景から後景に適しています。
特筆点: 鮮やかな赤い葉が、水槽内で緑系の水草とのコントラストを生み出します。
なぜ「レッドリーフバコパ」と呼ばれるのか?
Rotala macrandra の葉の形状と色彩が、バコパ属の水草(例: Bacopa caroliniana)に似ているため、見た目からこの名称が付けられたとされています。
輸入や流通の過程で、馴染みやすい名前として「レッドリーフバコパ」という名前が付けられ、そのまま日本で定着しました。
名前の誤用や通称化が広まり、現在でもこの呼称で親しまれています。
育成方法
基本条件
光量: 高光量が必須です。光量が不足すると葉色が薄くなり、成長が鈍化します。
CO2添加: CO2添加は必須条件です。添加がない場合、発色や成長が十分に得られません。
水質:
pH: 5.0~7.0(弱酸性が最適)
硬度: 軟水が好まれます。
温度: 22~28℃が適温です。
栄養管理
液肥: 鉄分や微量元素を含む液肥を使用することで、葉色がより鮮やかになります。
底床肥料: 肥沃な底床を使用することで、根からの栄養吸収が促進されます。
増やし方
レッドリーフバコパは以下の方法で簡単に増やすことができます。
茎の切り分け:
成長した茎を適切な長さに切り取り、底床に植えることで新しい株が形成されます。トリミング後の再植え:
トリミングした部分をそのまま植え直して効率よく増殖可能です。
採集地と自生環境
レッドリーフバコパ (Rotala macrandra) は、インドを原産とし、湿地や浅い水域に自生しています。現在流通しているものは主に養殖場で育成された個体で、美しい赤い葉を持つものが選抜され、観賞用として提供されています。
主な用途と魅力
レイアウトでの活用
中景や後景に配置して、水槽全体に鮮やかな赤いアクセントを加えます。
群生させることで、水槽内に赤い絨毯のような景観を作り出します。
魅力
鮮やかな赤色の葉が水槽の中心的なアクセントとなります。
高光量とCO2添加条件下で、赤みが最大限引き出されます。
注意点
光量不足: 光量が不足すると葉色が薄くなり、成長が鈍化します。
栄養不足: 鉄分や微量元素が不足すると葉が黄色くなる場合があります。
トリミング: 成長が遅めのため、適切なタイミングでトリミングを行い、形を整える必要があります。
レッドリーフバコパ (Rotala macrandra) は、鮮やかな赤い葉と柔らかな質感が特徴の水草で、水槽内に華やかさを加える人気の品種です。育成には高光量とCO2添加が必要ですが、適切な環境を整えればその美しさを最大限に引き出すことができます。名前の由来にもある通り、バコパ属との見た目の類似性から親しみやすい名前が付けられ、日本では広く愛されています。