アヌビアス・ナナ・パクシン
アヌビアス・ナナ・パクシンは、アヌビアス・ナナの改良品種で、葉の形状が通常のナナよりも小ぶりで細長いのが特徴です。コンパクトなサイズ感と細やかな葉が、水槽内のアクセントとして人気を集めており、小型水槽や流木レイアウトに最適です。丈夫で育成が容易なため、初心者にもおすすめできる品種です。
特徴
学名: Anubias barteri var. nana 'Paxing'
葉の形状: 小さく細長い葉を持ち、通常のナナよりもスマートな印象。葉のサイズは2～4cm程度。
成長速度: 非常に遅いが、安定した環境下でゆっくりと成長。
サイズ: 高さ5～10cm程度で、横方向にリゾームが広がる性質を持つ。
育成方法
基本条件
光量: 弱光～中光で十分に育成可能です。強光では藻類が発生しやすくなるため、適切な光量を維持することが重要です。
CO2添加: 必須ではありませんが、添加すると成長が促進され、葉の色も鮮やかになります。
水質:
pH: 6.0～7.5（弱酸性～中性）
硬度: 軟水～中硬水
温度: 22～28℃が理想的です。
底床と活着
アヌビアス・ナナ・パクシンも他のアヌビアス種と同様、根茎（リゾーム）を底床に埋めると腐敗する可能性があります。流木や岩に活着させる方法が推奨され、接着剤や糸を使って固定すると良いでしょう。
管理とトリミング
成長が非常に遅いため、トリミングの頻度は少なくて済みます。古い葉や傷んだ葉を取り除き、新しい葉の成長を促進します。葉に藻類が付着した場合は、水流を調整し、藻類食のエビや魚を導入して管理します。
採集地
アヌビアス・ナナ・パクシンは人工的に改良された品種であり、自然界には存在しません。基となるアヌビアス・ナナは、西アフリカ（カメルーンやナイジェリアなど）の湿地帯や川沿いに自生していますが、パクシンは主に東南アジアの養殖場で選抜・育種されたものです。
出現の経緯
アヌビアス・ナナ・パクシンは、葉が細く小ぶりな個体を選抜し、養殖場で改良・増殖された品種です。その特徴的な葉の形状がレイアウトのアクセントとして高く評価され、アクアリウム市場で広がりました。
レイアウトでの活用
前景や中景に配置し、小型水槽やナノタンクに最適。
流木や岩に活着させ、自然な雰囲気のレイアウトを演出。
弱光環境でも利用できるシェードプランツとして活用可能。
パルダリウムで水上葉を育成し、スマートな葉の形状を楽しむ。
魅力と注意点
魅力:
細長い葉が他のアヌビアス種と異なる個性的な印象を与える。
丈夫で初心者にも育成が容易。
成長が遅いため、レイアウトの維持が容易。
水中・水上どちらの環境でも育成が可能。
注意点:
成長が遅いため、葉に藻類が付着しやすい。
根茎を埋めると腐敗するため、必ず活着栽培を行うこと。
入手困難な場合があり、流通量が少ないこともある。
アヌビアス・ナナ・パクシンは、その細長い葉が特徴的な改良品種で、小型水槽や流木レイアウトに非常に適しています。育成が容易で丈夫なため、初心者にも安心して育てることができ、レイアウトのアクセントとして高い観賞価値を提供します。
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