ラスボラ・エスペイ
ラスボラ・エスペイは、タイやカンボジアを原産とする小型の熱帯魚です。体側には黒いくさび形（逆三角形）の模様が入り、全体的にオレンジがかった美しい体色をしています。温和な性格で群泳する習性を持ち、水草水槽にもよく馴染みます。ラスボラ・ヘテロモルファと外見が似ていますが、本種はやや細身で、体側の模様の形状が異なるのが特徴です。
学名
Trigonostigma espei
生息地・原産地
タイ、カンボジア、ラオス南部などの流れの穏やかな小川や湿地帯に生息しています。これらの水域は、水草が繁茂し、落ち葉が積もった弱酸性の軟水環境となっていることが多いです。
サイズと寿命
体長：最大約3.5～4cm
寿命：3～5年
飼育環境
水温：22～28℃
pH：5.5～7.0（弱酸性～中性）
硬度：3～10°dH（軟水～中硬水）
水槽サイズ：30cm以上が理想
その他のポイント
群泳を好むため、5匹以上 の飼育が推奨される
流木や水草を配置し、隠れ家と遊泳スペースを確保すると良い
水質の急変に敏感なため、定期的な水換えと安定した水質管理が重要
餌と給餌
人工飼料：フレークや小粒のペレットをよく食べる
補助餌：冷凍アカムシ、ブラインシュリンプ、ミジンコなどを与えると発色が向上する
頻度：1日2回、少量ずつ与えるのが理想的
性格と混泳
温和で群泳を好む ため、5匹以上の群れでの飼育が推奨 される
他の小型熱帯魚（ネオンテトラ、カージナルテトラ、プラティなど）との混泳が可能
活発すぎる魚や大型魚とは相性が悪いため、注意が必要
病気と対策（比較的かかりやすい病気）
白点病
症状：体表に白い点が現れる
原因：水温の低下やストレス
対策：水温を26～28℃に上げ、塩浴や専用薬剤を使用
尾ぐされ病
症状：ヒレが溶けるように腐敗する
原因：水質の悪化や細菌感染
対策：水質を改善し、観賞魚用抗菌薬を適切に使用
増やし方
雌雄の識別方法
成熟したオス：スリムな体型で、体色がやや鮮やかになる
成熟したメス：腹部がふっくらとしており、体色がやや淡い
繁殖方法
産卵は水草（ウィローモスなど）を豊富に配置した環境 で行われる
水温を26～28℃、pH5.5～6.5に調整すると繁殖が促される
親魚は卵を食べる可能性があるため、産卵後に親魚を別の水槽へ移す のが望ましい
稚魚は孵化後1～2日で泳ぎ始め、インフゾリアやブラインシュリンプで育てる
注意点
群れでの飼育が理想：単独飼育だとストレスを感じやすく、発色が悪くなる
水質管理が重要：水質の急変に弱いため、定期的な水換えと適切なフィルター管理が必要
混泳相手の選定：おとなしい魚との混泳が適しており、活発な種や大型魚とは相性が悪い
ラスボラ・エスペイは、同属のラスボラ・ヘテロモルファ (Trigonostigma heteromorpha) に非常によく似ていますが、以下の点で区別できます：
ラスボラ・エスペイ：体型がスリムで、黒い模様の先端がより鋭く伸びる
ラスボラ・ヘテロモルファ：体型がやや丸みを帯び、模様の先端が鈍い
また、本種は市場に比較的流通しやすく、丈夫で飼育しやすいことから、初心者にも適した熱帯魚として人気があります。
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