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今更ビットコインとテザーの陰謀論を論じてみる

※はじめにお断りしておくが、これは私の古い知識を下にして執筆した陰謀論?である。陰謀論が嫌いな人間が書いた陰謀論?である。なので一定の筋を通して書いたつもりであるが、そこには事実誤認、執筆者のネジ曲がった主観などが多分に入っている可能性があることを承知の上でお読みいただきたい。最後の方に私の主張のおかしな部分への自己ツッコミも入れておいた。
また以前投稿したエントリーから考えが変わった部分があるかもしれないことを申し添えておく。


近年、ビットコインの価格が再び高騰している。2024年、ビットコインETFの承認を受けて最高値を更新し続けているが、この高騰の背景には単なる市場原理を超えた構造的な要因が存在する可能性がある。本稿では、ビットコインとドルシステムの関係性、そしてテザーを介した市場構造について考察する。

■ビットコイン高騰の表層的要


まず、表層的な高騰要因から確認していこう。2024年初頭に承認されたビットコインETFは、機関投資家による投資を容易にし、市場に大きな影響を与えた。従来、直接的なビットコイン投資には技術的なハードルや保管上のリスクが存在したが、ETFによってこれらの障壁が大幅に低下した。

また、機関投資家の参入は、ビットコインの「正当性」を高める効果もあった。かつては「怪しい投機対象」とされがちだったビットコインが、正式な金融商品として認知されるようになったのである。

しかし、これらの表層的な要因だけでは、現在の高騰を十分に説明することはできない。より深層的な構造を理解するために、テザーとビットコインの関係性を検証する必要がある。

■テザーとビットコインの構造的関係


テザー(USDT)は、1枚が1ドルの価値を持つように設計されたステーブルコインである。テザー社は、発行したテザーと同額のドルや米国債などの準備資産を保有していると主張している。

しかし、数年前に「テザー疑惑」として問題視された構造が、現在も存在している可能性がある。その構造とは以下のようなものだ:

米国債の購入
米国債を担保としたテザーの発行
テザーによるビットコインの購入
ビットコイン価格の上昇
利益の確保
特に注目すべきは、テザー社が実際の準備資産以上のテザーを発行している可能性である。これは一種の「部分準備システム」として機能し、ビットコインの価格を人為的に押し上げる効果を持つ。

■アメリカ政府の思惑


ここで興味深いのは、アメリカ政府のスタンスである。テザー疑惑が表面化した際、テザーは米司法当局に和解金は支払ったものの予想されたほどの厳しい対応は取られなかった。この背景には、アメリカ政府の戦略的な判断があった可能性がある。

現在、アメリカは巨額の財政赤字を抱え、国債の安定的な消化先の確保が課題となっている。テザーとビットコインのシステムは、以下のような利点を米国にもたらす。

1,米国債の新たな消化ルートの確保
2,ドル経済圏の実質的な拡大
3,暗号資産市場を通じた間接的な金融コントロール

つまり、表面上は「無国籍の通貨」を装いながら、実質的にはドルシステムの延長線上に位置づけられる構造が作られているのである。

■ビットコインの本質


このような構造を理解すると、ビットコインの本質が見えてくる。一部のビットコイン支持者は、「ドル崩壊後の基軸通貨候補」としてビットコインを位置づけているが、これは現実的ではない。

なぜなら……

1,ビットコインの価値はテザーを通じてドルに連動している
2,テザーシステムはドル経済圏に依存している
3,米国債市場との構造的な結びつきがある
4,このため、仮にドルシステムが崩壊した場合、ビットコインも同時に大きな打撃を受けることは避けられない。

■将来的な展望


では、この構造は今後どのように展開していくのか。以下のシナリオが考えられる:

1,安定的なシナリオ
ドルシステムの補完的な役割を継続
米国債消化の新たなチャネルとして機能
規制下での緩やかな発展

2, リスクシナリオ
テザーの準備資産問題の表面化
市場の急激な収縮
信頼性の喪失

3, ドル危機シナリオ
ドルシステムの動揺
テザーの価値保証機能の停止
ビットコイン価格の大幅下落

4, 投資家が認識すべき事実
このような構造を理解した上で、投資家が認識すべき重要なポイントがある

ビットコインは独立した価値保存手段ではない
ドルシステムへの依存度が極めて高い
テザーを介した市場操作の可能性
システミックリスクの存在

■結論


ビットコインは、表面上は革新的な「無国籍通貨」を装いながら、実質的にはドルシステムの派生物として機能している可能性が高い。その価格高騰の背景には、単純な市場原理を超えた構造的な要因が存在する。

特にテザーを介した市場構造は、米国の国債消化という課題と密接に結びついており、アメリカ政府もこのシステムを暗黙的に容認している可能性がある。

このため、「ドルの代替通貨」としてのビットコインという見方は非現実的である。むしろ、「拡張されたドルシステム」の一部として捉えるべきだろう。ドル経済圏が深刻な危機に直面した場合、ビットコインも同様に価値を失う可能性が高いことを認識しておく必要がある。

投資家は、このような構造的な理解に基づいて、リスク管理を行うべきである。表面的な価格動向だけでなく、背後にある複雑な構造とリスクを十分に理解した上で、投資判断を行うことが求められる。

暗号資産市場は今後も発展を続けるだろうが、その本質は従来の金融システムの延長線上にあることを忘れてはならない。革新的な技術の登場は、必ずしも既存システムからの完全な独立を意味するわけではないのである。

実際のところ、ビットコインとドルシステムは単純な従属関係ではなく、相互に影響を及ぼし合う複雑な関係にある。従来の金融機関も、もはやビットコインを無視できない存在として認識し始めている。JPモルガンやゴールドマン・サックスといった大手金融機関が暗号資産関連のサービスを開始し、フィデリティのような運用会社が積極的に市場に参入している状況は、この認識の変化を如実に物語っている。

また、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の開発においても、ビットコインをはじめとする暗号資産から得られた技術的知見が活用されている。これは、伝統的な金融システムが暗号資産から学びつつ、進化を遂げている証左といえるだろう。

市場構造に目を向けると、2024年の暗号資産市場は、かつてない成熟度を見せている。ETF承認後、大手機関投資家による取引は着実に増加している。彼らは単なる投機的な取引ではなく、ポートフォリオの一部としてビットコインを位置づけ、長期的な視点で投資を行っている。

このような機関投資家の参入は、市場の質的な変化をもたらしている。取引の透明性が向上し、価格操作のようなグレーな行為が難しくなってきた。取引所も、より厳格なコンプライアンス体制を整備し、セキュリティ対策を強化している。

将来を展望すると、規制環境の整備がさらに進むことが予想される。米国SECによるETF承認は、その端緒に過ぎない。今後は、より包括的な規制枠組みが整備されていくだろう。これは一時的に市場に制約を課すかもしれないが、長期的には市場の健全な発展につながるはずだ。

技術面では、ライトニングネットワークなどの第2層ソリューションの発展が期待される。これにより、ビットコインの決済手段としての実用性が高まり、従来の決済システムとの競争力も向上するだろう。また、環境負荷の低減に向けた取り組みも進んでおり、マイニングの持続可能性も高まっている。

ただし、こうした発展には様々なリスクが伴うことも忘れてはならない。システミックリスクの観点からは、暗号資産市場と従来の金融市場の相互連関性が強まることで、一方の混乱が他方に波及するリスクが高まっている。また、規制強化の過程で、予期せぬ規制リスクが顕在化する可能性もある。

技術面でも、セキュリティ上の脅威は常に存在する。量子コンピュータの発展によるリスクや、新たな脆弱性の発見など、技術的な課題は尽きない。これらのリスクに対して、市場参加者は常に警戒を怠ってはならないだろう。

投資家にとって重要なのは、このような複雑な市場構造を理解した上で、適切なリスク管理を行うことだ。特に、ビットコインの価格がドルで表示され、その変動がドル建ての資産価値に直結する以上、為替リスクも含めた総合的なリスク管理が必要となる。

長期的な投資戦略を構築する際は、ビットコインの本質的な価値と、市場環境の変化を見極める必要がある。供給量に上限があり、半減期による供給量の調整メカニズムを持つビットコインは、インフレヘッジとしての特性を持つ。しかし、その価値は最終的に市場参加者の信認に依存している点も忘れてはならない。

暗号資産市場は、今後も発展を続けていくだろう。その過程で、従来の金融システムとの関係性はより深まっていく可能性が高い。投資家は、この両者の関係性を踏まえた上で、慎重な判断を行うことが求められる。

短期的な価格変動に一喜一憂するのではなく、技術の発展と市場の成熟を冷静に見守りながら、長期的な視点で投資判断を行うことが、結果として最も賢明な選択となるのではないだろうか。

※ここからは上で述べてきたことに対するおかしな点への自己ツッコミである

テザーの仕組みについて、いくつかの重要な点を整理していく。

テザーの準備資産は、当初「100%ドル準備」と主張されていたが、現在は米国債やその他の資産も含まれていることが公表されている。米国債を「担保」にテザーを発行するという説明は、やや正確さを欠く。テザー社は準備資産として米国債を保有しているが、厳密な意味での「担保設定」とは異なる構造である。

テザーを巡る法的問題については、2021年にテザー社がニューヨーク州司法当局との間で和解に至り、1850万ドルの制裁金支払いで決着している。これは完全な「嫌疑なし」ではなくとも、法的な和解による決着という性質のものである。

米国政府の関与については、慎重な検討が必要だ。米国政府がテザーを国債消化のツールとして積極的に活用しているという説は、現時点では推測の域を出ない。むしろETF承認などに見られるように、規制下での制度化を進めている側面が強いと考えられる。

ビットコイン価格の形成メカニズムも、単純化して捉えるべきではない。テザーによる価格操作の可能性は指摘されているものの、それを唯一の価格決定要因とする見方は適切ではない。機関投資家の参入やマクロ経済環境など、複数の要因が複雑に絡み合って価格形成がなされている。

ドルシステムとの関係性についても、より精緻な理解が求められる。ビットコインがドルシステムと密接に関連しているという指摘は正しいが、完全な従属関係という表現は強すぎる。ビットコインには、採掘コストや需給バランスなど、独自の価値形成メカニズムが存在している。

これらの論点については、推測に基づく部分と実証された事実を明確に区別しながら議論を進めていく必要がある。特に、市場構造の分析においては、実証的なデータに基づく慎重な検証が不可欠である。

※なお今回のエイントリーは半ば勢いで書いたので間違ってる部分もそうとうあると思われる。あくまで読み物として楽しんでいただければ幸いである。


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