小説を読んで得るもの

良い小説は心の栄養だ、と思っている。

多忙を言い訳に、しばらく小説から遠ざかっていたのだけれど

ふと図書館の返却棚で目に入った本との出会いで

また私と小説とのご縁が繋がった。


「弁当屋さんのおもてなし」

とそれはいう。

食に特にこだわりのない私だけれど、食いしん坊ではあり、

食べものに関する言葉がタイトルにある小説には

妙に惹かれる癖(へき)がある。


食べものを食べる、ということには、

「生」の手触りがするような気がする。

そして、誰かと一緒に食べものを食べることは

そこに、見えない、温かい、綿あめみたいな空間が生まれる

みたいな気がする。


温かいものを食べたり飲んだりするとホッとして、

冷たいものを食べたり飲んだりするとキリッとする。

嬉しかったり悲しかったり心が忙しい時も

食べることでしみじみと肉体に還ってこれる気がする。


食べることと心って、繋がってる。

そんなことが感じ取れるから、好きなのかもしれない。

食べものがタイトルにある小説。


「お弁当屋さんのおもてなし」

シリーズ7まであるらしい。

そんなこと知らずに手に取ったのがシリーズ4冊目で、

いきなりそんなシリーズど真ん中から読み始めた私。

それでも、そんなの関係なかったくらい、

主人公と一緒になってドキドキしたりほっこりしたり、

とにかく、みんな、やさしい。

それぞれに忘れられない過去のこととか、悩みとか、心配事とか、

みんないろいろあるんだけど、

やっぱり人って優しくって、みんな一生懸命幸せになりたくって

人は人が好きで一緒に生きていきたくって、

使い古された言い回しだけど、欠け違えたボタンをかけ直すみたいな、

優しい物語だった。

ほんと読んでいて幸せだったし

自分も幸せだなって、なんだかそう思えた。

読んで幸せになれるって、間違いなく心の栄養だ。


そんな感覚が欲しくって、小説を読む。

できるだけ登場人物が優しくて、

どんなことがあっても最後はハッピーエンドで、

っていうのが最高に好き。

みんなで幸せになりたい。

みんなにとって良いことの方がいい。


嫌なことがあったり、気持ちが通じ合わなかったり、

損ばっかりしている気分になったり、

自分なんてここにいる価値がないんじゃないかって不安がよぎったり、

良いことって思えないことがあるのは誰にだって当たり前にあって、

でもちょっと離れて見たら、少し時間が経ってから振り返ってみたら、

案外あれがあったから今があるんだよなって気付くことも多い。


どんな過去があったって、今が幸せと思えたら、必ず過去も肯定できる。

あぁあんなことがあったから、今ここにこうしていられるんだなって。

そんなことを、ときどき小説ってやつは思い出させてくれる。



「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇だ」

というのは喜劇王チャーリー・チャップリンの名言。

目の前の現実にとらわれず、笑って生きよう。

泣いても笑っても、どうせ時間は同じように過ぎるのだから。

笑いが増える方を選んでいけばいいんだよ。

人生は修行だなんて誰が言ってたっけ?

とんでもない、人生はテーマパークだ。

ワクワクもドキドキもスリルも、ぜんぶ楽しんでしまって

あぁ楽しかった、って言いながらこの世を去れたら最高だよね。


さて。

あと6冊、じっくり味わおう。



~終わりに~

春。気持ちの良い季節ですね。

前回の投稿が2月で、いつのまにか2か月経ってしまい。。

毎日書くって決めていたのになぁ。。

というのも、ひと月ほど娘がオンライン講座を受講するのにPCを貸し出していたのが発端。

自分の仕事や家のことやいろいろやっているうちに、浦島太郎になってしまっていたよ。


ともあれ、気を取り直して、またコツコツと継続していきましょう。

継続は力なり。



今日も、ありがとうございました。



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