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タロットで占った2020年オススメ映画!『盲目のメロディ』
生意気にも雑誌で紹介させて頂いた作品です。
2020年の運気を上げるキーワードをタロットで占ったら『太陽』が逆位置で出ました。これは『ちょっとやそっとのことは気にしない鈍感力』を意味します。
裸で馬…見るからに鈍感そう(笑)
まさにこの作品はここ数年日本に吹き荒れているコンプライアンスや表現狩り等『気にしすぎ』に辟易している人にオススメです。
本当は目が見えるのに盲目のフリをしているピアニストが殺人現場を『目撃』してしまいます。見えていることがバレたら自分の身も危険にさらされると感じた彼は、見えていないフリを続けますが・・・
別にぼくは差別が好きなわけではないし、人が死んだり傷ついたりするのが好きなわけでもないけど、あまりにもそういうものが規制されすぎる世の中も不健全に思えます。一番恐ろしいのが、見ている側が勝手に「こんなことして大丈夫?」と誰にも言われていないのにフィルターをかけてしまうことです。
ぼくも「コンプラコンプラうるせーなー」と思いつつも、昔は何とも思わなかった、例えば映画『パーフェクト・ワールド』で子どもを車の屋根に乗せて走るシーンで「これ子どもに配慮したのかな?」と反射的に頭をよぎってしまいました。これはちょっとヤバいなと思いました。無菌状態に慣れすぎてちょっとのことで過敏になってしまっている。『気にしすぎ』の弊害です。
それに対してこの作品は2時間以上不謹慎の連続です。
基本的に、目が見えないこと(本当は見える)をネタにするギャグが中心です。見えているのかいないのか確かめるために、いきなり変なお面をかぶったり、目の前でナイフを投げようとしてみたり。そこに『差別はよくない』みたいなメッセージ性は一切ありません。ただ笑わせるためにやっているだけ。そして面白い。
それ以外にも、イライラした女性がすれ違いざまに子どもをビンタしたり、警官が取り調べで無実の人をぶん殴ったり、コンプライアンス違反の連続です。まるで『細かすぎて伝わらないモノマネ』の『現在ならコンプライアンスに引っかかってしまうシリーズ』です。
https://youtu.be/5mTpjg_2tjA
でも、だんだんそんなことどうでもよくなってきます。この作品が伝えたいのはその部分ではないし、我々から見たらコンプライアンス違反な部分もインドでは実際に存在しているからです。
それを配慮せずストレートに描いた方が作品が分かりやすいから、というだけ。そしてインド映画特有の明るさが、それらを観てる側に気にさせないんですね。まさに鈍感力。
日本とインドは違うから、とも思いますが、日本はこんなに表現にコンプライアンスかけるほどすべてが完璧なのかな?と考えてしまいます。
この作品は、目が見えないことをネタにたくさん笑いを取っていて、コンプライアンスを気にしようと思えばいくらでも問題点があります。でも少なくともぼくはそこから差別や悪意を感じませんでした。
細かいところは気にしない方が、映画も人生も楽しいよ、ということを教えてくれる作品だと思います。ただ、医者が私服で手術をするシーンは「これってインドでは当たり前なの?」とちょっと気になりました(笑)
https://youtu.be/BiEnyrgKbuI