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映画占い『TITANE/チタン』

西洋占星術では、自分が生まれた時の星の図を『ホロスコープ』といい、性格や未来がそこから読み取れるとされます。
自分のホロスコープを、自分を主人公とした映画のように読むシネマティック占星術というオリジナルな読み解き方で、本を出させてもらったり講座をやらせてもらったりしています。

ホロスコープには「ハウス」と呼ばれる、その人が輝くシチュエーションがあります。仕事のハウスに星がたくさん入っていると、仕事人間だし、恋愛のハウスに星がたくさんあればモテる人、みたいな。
「TITANE/チタン」という映画は、「一体化・変容」を表す『8ハウス』に星がたくさん入っている人のような深くて重い映画でした。
※以下ネタバレ含みます。


この作品は、幼い頃の事故で頭蓋骨にチタンを入れてから覚醒してしまった女性の物語です。
8ハウスに星がある人は、何かをもらったり、何かと深く結びついて人生を大きく変えることが多い。この物語の主人公アレクシアはまさにチタンという異物と同一化することで簡単に人を殺すサイコパスへと変容してしまいました。
彼女の「変容」はそれだけではありません。
連続殺人犯として指名手配された彼女は、自身の見た目を変化させ、(このシーン痛そうすぎて目つぶっちゃった)幼い頃に行方不明になった息子を探す男性のもとに、発見された息子として転がり込みます。
チタンを入れて人生が変わったアレクシアは、ここにきて性別も身分さえも変容させ、別人としての人生を歩み始めます。
ちなみにこの父親もおかしくて、全く言葉を話さないアレクシアを行方不明の息子だと信じて疑いません。
さらにこの物語の核となるのはアレクシアの「妊娠」です。彼女は車とSEXするという変わった性癖を持っています。(ちなみにSEXも8ハウス)
それによって彼女は物語を通してどんどんお腹が大きくなり、肉体そのものが変化していきます。自分の肉体に何かが入り込み、それが体内で息づくというある意味では女性ならではの感覚を一貫して描いている映画で、肉体と異物が一体化し、それが自分を変化させる様をグロテスクかつ幻想的に描いた作品です。近くの映画館では上映していなかったのでちょっと離れたところまで行ったのですが、とんでもないものを観させられた感がありました。
この作品がフランスで公開された日のホロスコープです。

公開された時間が分からないからハウスは出せませんが、仲間や家族を表すかに座の太陽は、このクレイジーな主人公のアレクシアよりもさらにぶっ飛んだ、彼女を息子だと信じる父親の愛情を表していると読めます。太陽はその人のメインテーマになるのですが、この作品のテーマは深い愛情でもあります。彼はアレクシアと8ハウス的な深い関わりをすることで、かに座が表す家族への深い愛情を彼女(彼?)に注ぎ、それがラストシーンにも表れます。
さらに、美的センスを表す金星と、情熱と欲求を表す火星がしし座でかなりタイトに重なっています。しし座は自分のやりたいことを好きなように表現する星座です。本当に好き勝手にセンスを爆発させているこの映画にはぴったりだと思います。
8ハウスが表す「一体化」と「変容」が表裏一体だと改めて思えました。
オススメしたいけど、オススメする勇気が必要な映画です。

#チタン #TITANE
#占い #西洋占星術

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