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壁はできた時が完成ではなく、朽ち果てていく姿こそが美しいという

今日は朝から奈良県の旅を楽しんだ。まず初めに法隆寺を訪れた。法隆寺は聖徳太子が斑鳩宮のあったこの土地に、推古15年に亡父のために作った寺であった。(実際のところはさまざまな説があるが法隆寺HPより抜粋する)5重塔は昭和17年から27年にかけて大修理を行っており、今見る姿はこの時に作られたものである。

西院から10分ほど歩くと夢殿がある。夢殿は聖徳太子を追慕して創立された法隆寺東院の中心建物で、著名な救世観音を本尊とし、あわせて東院の創立と再興とに尽力した行信・道詮の像を安置する。

今回の目的は法隆寺に残る「壁」を見ること。ここには様々な土壁があるが、それにも増して壁画とそのキャンパスのための木ずり漆喰に壁があることで知られている。こういう視点でここを訪れたのは初めてだが、改めて壁を中心に取材をしてみると本当に様々な表情を残していることに気がつく。壁はできた時が完成ではなく、朽ち果てていく姿こそが美しいという。この写真に写るのは版築の築地塀だ。下の方にある瓦は補強のために受けめ込まれたものが露出している様。その上の何層に重なっているように見えるのが版築の土が突き固められたもの。土はこうして自然に還ろうとするのである。

漆喰の壁画や木ずりの下地は写真に撮ることを許されなかったが、実際の金堂内部にある壁画の様子は見ることができるのでぜひ足を運んで欲しい。

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