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AmazonのCTOが説明するCTOの4つの役割

今週はIVS CTOで金沢に来ています。私はもうCTOじゃないんだけど、ex-CTO枠っていうのがあってそれでの参加です。

昨日は前夜祭の二次会で居酒屋に行ったのですが、その時に「CTOの役割が広すぎてわけがわからん」という話があり、Amazon/AWS CTOのWerner Vogelsが2007年に同じような話をブログに書いていてその話をちょっとしたのでここでまとめを。

1. Infrastructure Manager
ITインフラやセキュリティ、アプリ開発や保守に対して責任を持ちます。一般企業の情シスの統括みたいな役割です。
IT系スタートアップではこの役割でCTOと呼ばれることはあまりないでしょう。

2. Technology Visionary and Operations Manager
ビジネス戦略を元に技術ビジョンを持って組み立てて実装します。アーキテクトに近い役割になりますが、小さいチームの場合は自分で手を動かすこともあります。
上場前のスタートアップに求められるCTOはこのタイプが多いでしょう。
創業CTOや一人目のエンジニアがこれに当たります。

3. External Facing Technologist
エヴァンジェリストの様に、顧客やパートナーなど外部に対して自社の技術を伝え、そこで得た情報を内部の開発者に伝えます。会社の技術の顔として橋渡しをするのが役割です。
「A社といえばBさん」という風に名前が出てくるのはこのタイプのCTOです。

4. Big Thinker
技術が既存・新規事業やプロダクトに対してどういう風に貢献するのか・競合優位性を作るのかということを考えるのが役割です。
"Technology Visionary and Operations Manager"は開発チームを率いる役割ですが、こちらはプロトタイピングラボやR&Dチームの様な別のチームを持ちます。
「CTO室」みたいなものを持っている会社はこれに当たると思います。

マネージメントは誰の役割?

この4つの中に「エンジニアのマネージメント」「評価」「採用」みたいなことは入っていません。これは「エンジニアリングマネージャ」や「VP of Engineering」という役割で担うものだからだと思います。

しかし多くのCTOはマネージメントを兼任しています。この場合、CTOだけじゃなくて「CTO / Engineerging manager」みたいにダブルタイトルにした方がいいんじゃないかなーと思います。

あと「技術顧問」って役割ももう少し分解した方がいいと思う。技術戦略立案なのかコードレビューやエンジニアリング力向上のための伴奏なのか、全部ひとまとめにするのはちょっと乱暴。