魔法少女の変身が怖い
子供の頃魔法少女アニメの変身シーンが怖かった。
敵が現れて場面が暗転すると、女の子が裸になってきらきら光りながらフリルやリボンを身に纏っていく。
ひらひらのスカートとか魔法のアイテムとかそういうのは大好きだったのになぜだろうか、生理的ともいえる恐怖を感じていた。
そういう感じの女児向けアニメのワンシーンに今でも記憶に残っている絵がある。
それは多分(はっきりとは分からないけど)ギャグとして描かれていたのだろう。
女子生徒たちが庭できらきらテニスをしている陰で草むしりをする3人の男子生徒、場面は転換して、女子生徒たちがきらきらディナーを食べている陰でカップラーメンを食べる3人の男子生徒。
きっとちゃんと筋書きがあってその場面に至る理由があったのだろうと思うけれど、そんなことはすっかり忘れてしまってその絵だけが目に焼き付いている。
私たちは長らく月として過ごした時代があり、女の子が魔法の力で変身して戦う物語が生まれたことは女性のエンパワメントとかなんかそういうやつなのかもしれない。
けど、私は女の子が裸で踊りながらフリルを纏っていくことも怖かったし、男の子が暗闇でカップラーメンを食べている景色も悲しかった。
そう思ってあの人との関わりのなかでも男も女も関係ないよ完全にフェアだよと言い続けてきたけど、そのことは私たち2人にとって良い結果をもたらさなかった気がする(そう感じることも口先ではフェアだと言いながら本心では私がそう思っていなかったからなのだろうかとも思う)
私たちはXとかYを持ち合わせて生まれて、それで本質の生き方というのがあるのだろうか。
最近、昔見ていた魔法少女アニメの作者のインタビューを目にした。
正確な文章を忘れて(どこで見たのかも見つけられなくて)しまったけど、女の子には魔法の力があって魔法のアイテムや呪文が必要で、女の子は男の人と同じようには戦えないし戦わない方がいいと思っているということ(だと記憶している)
そうねえ、そうなのかもねえ、と思う。
男と同じ強さを求めることは間違いで、男には男の戦い方があり女には女の強さがあると言うのなら、やっぱり男と女の生き方は違って、違うのよ私たちはって言った方が賢かったのだろうか。
それでも、純然たる男の在り方、女の在り方というものがあったとして、その在り様の中でしか幸せになれないなら、ま、なんかいいかな幸せになれなくても とも思う。
私はまだそのことに折り合いがつけられない。