公園
今日は、私が仕事をしている公園におばあさんが来てくれました。
「珍しいですね、おばあさん」
「今日は天気がよかったからねぇ…
散歩でそこの神社にお参りして、隣にあるこの公園によったんだよ」
おばあさんは楽しそうに言います。
そこの神社…美子ちゃんの実家ですね。
「中で一休みしますか?」
私は管理小屋…といっても座敷童子たちの詰所なのですが、そこを指して聞きました。
「いやいや、いいよ。
華たちにも仕事があるだろうし」
すると、管理小屋のドアが開き、美子ちゃんがお盆にお茶とお菓子を乗せて出てきました。
「こんにちは、ゆっくりしていってくださいね」
「おやおや、ありがとう。
お嬢ちゃんも座敷童子かい?」
美子ちゃんは笑顔で答えました。
「はい、そうです」
では、失礼します、と言って、美子ちゃんは管理小屋に戻りました。
「しっかりしたお嬢さんだねぇ」
「そこの神社に住んでいるんですよ」
おばあさんはまぁ、と言いました。
「まぁ、それはしっかり育てられてるんだろうねぇ。
それに、大事にされている子どもって感じだ」
「えぇ、そうみやいですね」
私たちは少し、公園の中を散歩することにしました。
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私たちは公園の端にあるベンチに座ります。
秋の空はとても綺麗です。
「いい気候になったねぇ」
おばあさんは座ってしみじみと言いました。
「えぇ、本当に」
私はそう返事をして、深呼吸をします。
とても澄んだ、秋の空気。
私は空を見上げます。
「いいですねぇ、秋は」
「まったくだよ」
そうして二人でたっぷりと秋を堪能するのでした。