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【活動日誌#02】妙高GT・江戸川区立小松川第二小学校セカンドスクール/おひとよしの突破力と汚れっちまった悲しみに目を洗いたいのはきっとブタクサ花粉のせい

こんにちは。ニイガタコラボレーターズの増田です。
妙高グリーン・ツーリズム推進協議会においての活動記録でございます。9月の下旬の稲刈りのシーズンに江戸川区立小松川第二小学校の5年生のセカンドスクール「お米の学習プログラム」ということで稲刈り体験プログラムを実施しました。

晴れろ晴れろ晴れろ晴れろというみんなの思いの詰まった圧もむなしく、残念ながらお天気の都合もあり稲刈り体験は断念。残念。無念。セカンドプランとして用意していたバインダーでの稲刈りと「稲架掛け(はさがけ)」の実演となりました。

雨は上がったものの田んぼのコンディションが悪いのはどうにもこうにも。自然相手ってこういうことよね

ナビゲーターはハートランド妙高にほど近い坂口げんき農場の後藤さん。おしゃべり上手。説明上手。フレンドリー。

人当たりよすぎの後藤さん。大好きです
バインダーによる稲刈り実演
稲を乾燥させるための作業、稲架掛け(はさがけ)の実演。今となっては機械乾燥がメジャーですが伝統的な方法の稲架掛け(はさがけ)をおこなっているところもまだまだ結構あります

ちょっとでも土に近い体験を、ということで記念写真の撮影ではこどもたちにも田んぼに入っていってもらいました。おっかなびっくりの歩みで軽くはまったりなんなりでこれはこれで良い体験。しっかり楽しめるよね、こういうのって。実は。

写真撮影なのに足元の感触が気になっちゃうよねわかるわーの図
言うても田んぼに入ったことのある人って大人でも実はあんまりいなかったりするんじゃないのとか思う

坂口げんき農場ではワイン用のブドウの栽培も手がけており、ブドウ畑を散策しつつ農機具の見学へ。

良き実りかな
農機の見学。マジでアトラクション感覚で子どもたち大興奮。乗り物のコンテンツとしてのポテンシャルがほんとヤバい。君たちの目の前のこの乗り物ぜんぶめっちゃ高額なのよって話で盛り上がってました笑
ひとしきり見学を終えた後には青空も。こういう広い空を見てもらいたいんだよって気もしなくもない。天高く馬肥ゆる秋ね。

圃場の見学のあとには宿泊施設に戻り、後藤さんのお話でシメ。子どもたちからの質問も活発で、なんというかこういうやりとりってほんと楽しいよね。「どうやって炊いたらおいしいの」とか「品種の見分け方」とか。こういう素朴な疑問が活発に飛び交う雰囲気づくりって結構ファシリテーション力を問われるんだよなとか思っちゃいますが、そういうのがすんなり出てきちゃうのが妙高の魔力。後藤さんの魔術。小松川第二小学校さんの秘術。こういう雰囲気ってほんと得るものが大きい時間になる。

お隣上越市で誕生、妙高地区でも栽培されている品種「つきあかり」について熱く語る後藤さん
児童代表からのお礼の言葉。エモい。

と、惜しくもお天気でセカンドプランとなりましたがしっかりと子どもたちには思い出を作ってもらえたのではないかなと思います。

ここからはプロ感想士1級の資格を持つ(ウソ)ワタクシの感想。
地域おこし協力隊の着任から2週間ほど、グリーン・ツーリズムの推進をミッションとしているワタクシですが、当初からの疑念というか、興味があったことが受け入れる地域のモチベーションというか、原動力というか、動機の源泉。いやあのね、農泊とか民泊とかも特にそうだと思うんだけど、経済的な採算性で考えたらこういう体験プログラムへの参加、協力って「割に合わない」っていうところ、リアルにシビアに見ても正直あると思うんですよ。今回でも、稲刈りの本当にお忙しい時期に体験を受け入れてくださったり。

で、ゴリッゴリに民間企業で営業を体験していた(年間にノルマが課せられてマジでリストラがかかってるっていう環境も体験したことがあります、大昔の話だけど)ワタクシとしては、「正直、儲からないのになんで、、、」とか思ってしまうんです。薄汚れた眼で見る世界のなんと味気ないことよ。目を取り外して洗いたい。主に秋のブタクサ花粉で痒いからなんだけど。

ただね、そういう「儲からないのになんでやるの」っていうことが非常に近視眼的な発想なんじゃないかと最近思い始めています。いろんな人に聞いてみてるんです最近。民泊とか学校旅行を受け入れる動機について。だいたい返ってくる返事が、地域活性化だったりとか、孫に接してるみたいで元気が出る、、とかみたいな、結構きれいに整形されたような返答。

またこれ自分の悪いところですが、きれいに整形されたところにちょっと勘ぐりを入れちゃうんですよ。承認欲求?自己肯定感?他者を介在にして自分が存在する意義みたいなのを確認したいんじゃないか?とか。まじで性格悪いと思います自分。いや、地域活性化って言っても具体的にKGIとかKPIを設定して定量的に評価するものにしていかないと本当の意味での地方創生にならないじゃん、とかすーぐ考えちゃう。

でも、なんかそういう動機の厳選って、ほんとシンプルに「おひとよし」で「おもてなし」をしたいっていう根源的な欲求だったりするんじゃないかなーと思い始めています。いや正直、グリーン・ツーリズムの推進もさ、いかに広域連携のスキームとフレームをステークホルダーの利害を調整しつつ構築して、とか、マーケティングとかSEOをどう駆使して新潟へのトラフィックを獲得してセールスファネルにハメていくか、みたいなことに落とし込みたくなっちゃうのですよ。

で、そういう論理とかはいったん置いておいて、根底にある「思い」みたいなところって存外に純粋で寛容で性善説的で、そういうので組み上がっているというのが大筋の性質としてあるということに気づきました。もちろんいろんな思惑や強弱やトーンはあるけどね。地方へのお金の流れはもちろんあったほうがいい。あったほうがいいけど、おおもとの動機ってなんなんだろうと。そこが拍子抜けするくらいにシンプルな「おひとよし」って動機ってなんかすごくいい。で、世の中的にも今なんかそういう感じになってる気がする。

 そして結局のところ、KGIとかKPIとかの評価にしても、そういうある種の「やさしさ」から組み上がっていく社会の有り様っていうのが最終的には高い価値を持つものになっていくんじゃないかなと。そういうことだと「おひとよし」ってめっちゃ生存戦略的に理にかなっていて美しくてスマート。ちょっと前に「『礼儀正しさ』こそ最大の生存戦略である」って本が流行りましたが、あれって意外とソロバン感というか算段感が強くて。「おひとよしの生存戦略」はもう少し美観みたいなところの話。「おもてなし」の価値観みたいな。いや、これって世界に誇れる日本の資源じゃん。そういう新書でも書こうかな。

以上、プロ感想士の感想でした。おしまい。

子どもたちのバスを見送る坂口げんき農場のみなさん。この素敵な表情。いや、ここに嘘はないよ。そしてこういう世界で生きていたいよワタクシは


おまけ。同行していらしていた校長先生はしっかりと妙高のポロシャツを着用。何年間にもわたりセカンドスクールの滞在先に妙高を選んでくださっているとのことで縁が深まっています。うれしいよね

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