8日目 梅雨入りしたらしい
昨日から日記をつけはじめた。勢いで沢山文字を書いたから、右腕が少し痛い。利き腕が健康ってとてもありがたいことで、一本自由がきくだけで、いろんなことができる。
カーテンを開けてくれた看護師さんが、外を見て「いい天気ですよね、梅雨に入ったのに」と言っていて、はじめて梅雨入りを知る。雨なんて降っていたことなんてない気がしたから、少し驚き。
朝は6時代に起きて顔を拭く。朝の栄養剤(液体が入ったパックを胃に繋がった管につないでポタポタと点滴みたいに落としていく)、歯磨き、ぶどうゼリー、左指ほぐし、排便(またもやおむつの中に出ていた)。
呼吸器はフリーになったし、抗生剤・栄養剤投与の時は点滴があるけれど、それ以外は心電図のコードと足の血栓予防のエアクッション(7秒ごとくらいに交互に膨らんではしぼんでを繰り返す)、尿道カテーテ(おしっこ管)くらい。だいぶ身軽になってきた。チクチクしてはじめて気づいたのは、右ひじの皮膚に傷があったこと。今はすでにカサブタタブタブができている。
包帯ぐるぐる巻きの左手は、しびれたままだ。外から見えるのは指だけ。黄色だったり青かったり、むくんだりしている。リハビリでは指を自力で動かすことからはじまった。グーパーできることを目指す。左の手首は開放骨折という種類の骨折だった。折れた骨が皮膚を突き破ってでてきてしまうタイプ。その様子は私は見ていない。気がついた時には整復手術が終わっていて、包帯で巻かれている状態だった。
今日は、怪我をする直前まで準備していた絵画展のワークショップの日。妹夫婦が参加してくれたらしく、面会の時にそこで作った作品を見せてくれた。途中で投げ出してしまうことになった絵画展が、開催できていて嬉しかった。できることなら、最後まで関わりたかった。妹はピンクのきれいな造花を持ってくれた。色の少ない病室が華やかになった。
家族はテレビカードを用意してくれた。せっかくなので、テレビをつけてもらうとたまたま映っていたのは私が幼い頃過ごしたキリスト教会だった。知っている風景に感動した。BSが映ることがわかったので、18時からの大河ドラマを楽しみに過ごす。