34日目 大部屋事情
おはようございます。今日も朝の日射しが強く、部屋が明るい。窓際ではなく廊下側のベッドなので、なかなか日に当たれない。お隣ベッドさんは手術前後はとても苦しそうだったけれど、最近明るく前向きなようだ。歩く練習ができるようになったようで、チラッと私のカーテンを開けて、あなたはどうしちゃったの?大変そうねと声をかけてくれる。はすむかいベッドさんはスーパーウーマンで、パソコンでお仕事を頑張っている。むかいベッドには数日前20歳くらいの女の子がやってきた。彼女も気管切開をしているらしく、話ができない。私も少し前まで、同じ状況だった。辛さが痛い程わかる、とは気安く表現しちゃいけないのだろうけれど、それでも。
お互い近くにいるのに、顔を合わせる機会は少ない。自分で動けない人がほとんどだからだ。ただ、それぞれがみんな頑張っていることは知っている。同じ部屋で暮らす私たちは、必死に生きている。不思議な連帯感が生まれている。と、私は勝手に思っている。
朝食が運ばれてきた。いつも、看護師さんか介護スタッフさんがベッドまで届けてくれる。名前を言って、自分用の食事と一致するか確認。病院では自分の名前を頻繁に言うことになる。本人確認は徹底している。今日のメニューは豆腐の野菜あんかけ、ごはん、味噌汁、トマト、牛乳。
理学療法リハビリで足の運動後、救急の回診があり、胃瘻の穴のチェックをした。「ご飯粒でてきたりして」と冗談をいわれた、あの穴だ。穴は塞がっていた。見た目としてはぼこっとへこんでいるが、内側に通っているわけではないそうだ。まだジュクジュクしていたので、絆創膏をぺたっと貼ってもらった。傷跡が回復するにつれて、覆うものが小さく簡易的になっていく。見てわかる回復は、うれしい。
言語聴覚療法リハビリでは、指定されたマーク、数字、文字を群の中からみつけていき、そのタイムを測る。結果をみると、私は速くもなく遅くもない平均だった。
作業療法リハビリでは、スプリントをはずして左手首を動かす運動。カッチカチはほぼ変わらない。各方向1㎜くらい・・・いや、前に倒す方向だけは4㎜くらいか。いずれにせよ、先は長い。
今日は大きな変化はなかったけれど、日々少しずつ身体は治癒していると信じている。前向き、そしてのんきに塗り絵をしていよう。結婚祝いに友人からもらっていたものを、そばに置いていた。明日はいとこの結婚式がある。私も行くはずだった結婚式だ。明日は夫含め、家族みんなが出席する。あとで幸せな写真をたくさん見せてもらうのが、楽しみだ。