夏の着物、色々

本日は、暑さで眠れないので、このエッセイを書いています。まあとにかくですね。今年のお天気は、すごい暑い天気でしたね。脱水症とか、そういうのが原因で風邪を引いてしまうんでしょうね。私も、いっときすごい体調を崩してしまいましたが、少しずつ回復してきて、良かったなと思っています。
さて、その様な過酷な暑さの中でも着物は意外に役に立つ、ということを本日はお伝えしたいと思います。いかにもあつそうというご意見を頂きますが、着物は、思ったほど暑くありません。それはなぜかと言いますと、洋服に比べて直接肌につく部分が少ないのと、風通しが良いので、涼しい感じが演出できるのです。それは、自信を持って言えるんですが、猛暑日には洋服より着物でいたほうが、ずっと楽に着ることができるはずです。
それだけではありません。着物は生地により、暑さを塞ぐ工夫がしてあり、生地から風が入ってこれるようになっています。そういうところはすごく優れていると思うんですよ。だから、暑いから嫌だではなくて、暑い時こそ着物で楽しめるよと声を大にしていいたいと思います。
さて、その夏の生地ですが、私が勧めたいのは、何と言ってもフォーマルなときは絽。そして、カジュアルなときは紅梅、そしてサマーウールがおすすめです。楊柳や、紗など夏の生地は色々あるんですけど、特に暑いなと感じた日には、絽、サマーウール、紅梅の御着物をおすすめしています。というか、それしか持ったこと無いです。
では、それぞれの生地をどうやって見分ければいいのですかという、本題に入っていくことにしましょうね。
絽は、もじり織という織り方をすることにより、小さな穴を規則正しく開けるようにした生地です。
横に穴が開いていることが多いですが、縦に穴が開いている縦絽という生地もあります。
穴と穴との間隔で三本絽、五本絽、七本絽とあり、数が小さくなるほど細かくなるのでより涼しくなります。
穴が開いている分、透けて長襦袢が見えてしまうこともありますので、絽の着物を着たときは柄物の長襦袢は使わないほうが安全です。稀に、長襦袢の柄を見せて、隠れたおしゃれをしてしまう人も居るようですが、これは極めて高度な楽しみ方です。
よくあるのは、小紋、訪問着、色無地、小振袖など。絽の生地は、礼装用にも使われている生地ですから、改まったところに着用し、普段着としては着用しません。でも、どうしても暑い日は、普段着として着てしまうかも。それくらい、絽は便利で涼しいんですよね。
具体的な例としては、、、。

絽の小紋着物です。特に夏着物は白や薄いピンクなどのパステルカラーであることが多いですね。これもその一つで、白に紅葉を入れています。

こちらは絽の小振袖。ちょっと西洋っぽい柄付きなのであまり格としては高くないかもしれませんが、おしゃれにでかけたいときには、楽しく着こなせるタイプでしょう。袖が長いので、エレガントな感じになれますよ。

次に夏着物としておすすめなのがサマーウール。絽は、一部の穴の開いている部分が透けますが、サマーウールは全体を通して透けます。なので長襦袢はやはり要注意ですし、半襦袢などは、腕がむき出しで見えてしまうので、使えないこともあります。
ウールと書いてあるので暑いのではと聞かれることもありますが、結論から言ってしまえばその様な事は絶対ありません。通常のウールより織り目の間隔を広くすることで、涼しさを演出させてくれます。薄い生地ですし、歩くのもじゃまになりません。

サマーウールの小紋です。絽などに比べると、華やかで派手な柄付きをしていることが多く、可愛らしさも演出することができます。そういうところは、絽より優れているでしょう。カジュアルなシーンでしか着られませんが、そこさえ気をつけていれば、広範囲で着用できる着物です。

最後の紹介する夏の生地は紅梅。紅梅は、太い糸を、格子状に織り込んであるもので、その格子状に織った太い糸のお陰で涼しい空気が入ってくると言う原理。こちらも濃い色であればさほど目立ちませんが薄い色ではかなり透けますので、要注意です。夏の着物はみんな透けるものが多いので、白い長襦袢を持っておくと、良いかもしれませんね。
この生地も、カジュアルな生地ですが、可愛らしい柄付きが多いので、結構選ぶことのできる着物です。

こちらは赤の紅梅生地で、金魚やなでしこを入れてある着物です。赤だと暑苦しそうに見えるけど、着ていると意外に快適だったりする。

そんなわけで本日は、夏の着物の生地を紹介しましたが、どれを選んだらわからないという方は、まず絽を選んでみてはいかがでしょうか。基本的にフォーマルな着物ですが、中にはカジュアルとして使える絽もありますので。
夏は、暑いですが、こうして楽しい着物を選べる時期でもあるのです。
もし、着物を着てみたいと思ったら、その時がチャンス。絶対いいことがあると信じて着物を着てみてください。着付けが下手でもいいんです。それより、着物を楽しんで着るほうが大事です。
夏の着物は、実力があって便利ですから、ぜひ、着用してみてくださいね！