平凡だけどスグレモノ。

こんにちは。寒くなりましたね。一気に寒くなってちょっと風邪をひきました。幸い軽い症状ですんだけど、気をつけましょう。
さて、今回のお着物エッセイですが、平凡だけどいろんなところへ着用できる、スグレモノのお着物のお話をいたします。
まずは、写真をみてください。

クリーム色に、小さな菊の花を敷き詰めただけの、平凡な小紋です。他にはなにも特徴はありません。素材は、正絹の紋意匠で、地紋で、芝柄と呼ばれる物がはいります。
しかし、このお着物、一見すると、地味であまり目立たないようですが、実は着用範囲が広くて、結構使えます。例えば、金銀など入った礼装用の袋帯を締めて、改まったクラシックコンサートなどに使うこともできます。この写真のように、半幅帯を締めて、カジュアルウェアとして使うこともできます。さらには、菊の柄しか使用していませんから、黒帯をつけて、故人を偲ぶ会や、追悼コンサートなどにも着ていけます、というように、着用できるシーンはいろいろあるんですね。最近は、笑顔でooさんを送りましょう!というコンセプトの追悼行事が多くなりましたので、喪服より、こういう感じのほうがよいとしてくれることが増えてきました。喪服用の帯も、完全に真っ黒な帯はあまり例がなく、おしゃれ用と兼用に、流水などの地紋がある帯が多くなってています。昔は般若心経が描かれた帯などが良かったけど、時代もかわってますね。
そんなわけですから、偲ぶ会等でも、小紋で参加できる場所が増えてきています。
だから、平凡すぎるから、と言って、バカにしてはいけません。
いろんなところに使える、スグレモノの小紋。大事にしたいですね。

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増田朋美
拝読有難うございます。何かの参考にしてくだされば嬉しくもいます。