訪問着と付下げの違いがわかる決めては?

皆さんこんにちは。かなり寒くなりましたね。そうなると、着物を着るにも結構つらい季節になりました。夏は、わりと涼しいようにイロイロ工夫してあるけど、冬の寒さには、ほんとに弱いです。まあ、でも着物が好きなので、ずっと着続けていきますよ。
さて、本日は、訪問着と付下げのお話。最近は、付下げ訪問着なるものが出回っていて、訪問着と、付下げとはっきりわかるものが、少なくなりました。同じにしてしまおうか、という魂胆なのでしょうが、まず初めに、付下げと訪問着は、全然違うものです。たとえば、訪問着は、礼装として使うときも有りますが、付下げは、おしゃれ着で、あまり格は高くありません。訪問着は、敬意が発生するときに着ますが、付下げは、敬意の発生しない、気軽な場所に使います。ただし、お稽古ごとなどでは、器や楽器より派手にしないという意味で、訪問着の着用は禁止される場合がありますので、それは注意してね。
具体的に、どんな用事に、訪問着付下げを使ったのか、といいますと、
訪問着
・アマチュアオーケストラ、合唱団のコンサート。
・展示会で、表装展や、生花展など日本的なもの。大規模なもの。
・邦楽のコンサートで、ポップスを中心にした、気軽なもの。
・ホテルのレストランで、年上の方とお食事。
・西武百貨店のような、高級百貨店の買い物。
付下げ
・気軽なピアノの発表会。
・小規模な場所での展示会。
・個人経営のレストランでのお食事。
・ショッピングモールでの気軽な買い物。
大事なのは、相手に敬意が発生するかどうかで、発生するなら訪問着、しないなら付下げと解釈すればよいわけです。だから、訪問着と付下げは全然別個の着物なのです。
さて、その見分け方ですが、最近は非常に難しいモノになっています。訪問着と付下げ両方の特徴を持った着物が、蔓延しすぎているんですね。どうすればよいのか、よく聞かれますけど、大事なことは、
「訪問着は、衽と前身頃で柄がつながっているが、付下げは切れている。」
これを大事にしてほしいと思います。
他にも付属の柄がないとか、付下げは全体的に地味とか、イロイロいわれますけど、あまりあてになる方法ではありません。付下げに近い訪問着もあるし、訪問着に近い付下げもないわけじゃないです。だから、衽と前身頃で、柄が繋がっているか、それとも切れているか、が大事なポイントになると思います。逆をいえばそこが付下げと訪問着の違いを見分ける唯一の決め手です。
そういうわけで、我が家にもあまりはっきりしない着物がありますが、衽と前身頃で繋がっていれば訪問着としてきるようにしています。
そんなわけで、分かりやすいと思われる訪問着と付下げの写真を掲載いたします。

比較的わかりやすい訪問着。
改まったところにも着やすい着物です。

こちらは、簡素ですが、可愛らしさがある付下げ。気軽なお出かけにもってこいですね。

梅や扇など、おめでたい柄をいれた訪問着。
お祝いの席にもいけますね。

洋花ですが、上品な感じがする付下げです。

いかがでしたでしょうか。付下げと、訪問着の違いは、なかなか難しいものですが、とにかく上前と衽で柄がきれているのが付下げです。これを覚えて置くと失敗しません。
使い分けはなかなか難しいですが、敬意があるかお楽しみかが、使い道の別れ目なんだろうなとおもいます。訪問着、付下げで、楽しく着物ライフを過ごしてください。

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増田朋美
拝読有難うございます。何かの参考にしてくだされば嬉しくもいます。