格が高い着物と言われるためには。

皆さんこんにちは。すっかり春めいて、3月なのにもう桜が咲く季節になりました。それと同時に、春の嵐もやってきて、ああもう春なんだなあと実感しています。春は色々あって大変な季節ではあるんですけど、頑張りたいものですね。いろんなことに挑戦する方も多いと思いますが、ぜひ、頑張っていただきたいものです。
さて、本日の着物エッセイですが、着物には格というものがあるんだと言うことは何度もお話しました。では、その格が高いという着物は、具体的にどのような着物なのか、ということをよく聞かれますので、もう一度ここでおさらいしてみましょう。格が高い着物と言われるためには、次の要素を満たしていることが必要です。
1,染めるのに、とても手間がかかること。
2,縁起のいい柄、松や梅などをたくさん使用していること。
3,柄と柄の隙間が比較的少なく、ぎっしり詰まっていること。
そういうわけだから、小さな柄がびっしりはいっている江戸小紋は礼装として着用できるようになるわけです。逆に、大きな柄を隙間を開けて入れてある小紋は礼装にはなりません。
色無地も同じように格があります。格の発生する基準は以下の通りです。色無地は何も描いてないからどれも同じかと思ってしまってはいけません。色無地は地紋のある無しで、大きく格が変わる着物なのですよ。格の決め方は以下の通り。
1.地紋に隙間がなく、びっしりと細かく地紋がおられている。
2,高尚な色とされている色を使用している。例えば紫など。
3,地紋が、縁起の良いと言われる柄である。
4,紋綸子などキラキラ輝く生地を使用している。
そういうわけで、どの着物にも、格というのがあって、着物はもともと書くごとに種類が区分されていますが、その着物の中にも細かく格があり、二度と同じ順位の着物に遭遇することはまずありません。着物は用事があって着るのですが、その用事で相手へどれだけ敬意があるかで、今日は格の高い着物でいこう、今日はちょっとカジュアルな着物で行こうという選び方をするのです。だから、どんなときでも着物には格はつきもの。格なんて関係ないぜと主張する人もいますが、私は、その格を決めるというのは、日本特有の文化なので大事にしたほうが良いと思うんですよね。これは格の高い着物だから、改まったコンサートに着よう、こちらはカジュアルな着物だから、ちょっと砕けた食事会に着ていこう。そういう選び方が着物の選び方だと思うんです。着物であればなんでも良いということはまずありません。着物は一枚で何処へでも行けるということもありません。そのようなことはなく、とにかく、格をまず第一に考えて、着ていく場所によって、使い分ける衣服が着物だと思います。
着物はいろんな種類がありますが、現在社会的にもきやすいのは、小紋だと思います。小紋であれば比較的着る機会があると考えられる方も居るのではないでしょうか。小紋の格選びは、ちょっとむずかしいけど、格の高い小紋と思われるものをいくつか紹介します。

赤に緑で花や紅葉などを入れた小紋で、可愛い感じもありますし、柄が小さくびっしりはいっていて、改まったところにも使えそうな小紋。この写真では、名古屋帯を使用していますが、袋帯を使うと、もっと改まったところに着用できるかも。

エメラルドグリーンと白で梅を敷き詰めた小紋で、こちらも改まったところからカジュアルなところまで着用できる優等生タイプの着物です。しかもこのお着物は、有名な鮫小紋をベースにしているので、それと梅を合わせているということは、縁起のいい柄同士、更に格がアップします。

こちらは白に、小さな梅をオレンジで入れてある小紋で、こちらも有能な着物の一つ。縁起のいい梅柄を全体に入れてあり、しかも小さくびっしりと入れてあるので、小紋としてはかなり広範囲で使えるはずです。改まったところから、気軽なところまで。かなりの用事をカバーできる小紋ではないでしょうか。

というわけで、格が高いと言われる小紋を3つ紹介しましたが、果たしてこれはどうなのだろうか?と思われる方も居ると思います。その時は、先程あげたヒントを参考にしてみてください。着物はいずれにしても一枚だけでは済まされないものです。今はリサイクルで良いのが気軽に入手できますし、とても楽しいものになっていますよ。
お試しあれ!

いいなと思ったら応援しよう!

増田朋美
拝読有難うございます。何かの参考にしてくだされば嬉しくもいます。