関東?関西?どっち?

みなさんこんにちは。
最近は急にさむくなり、エアコンのいらない季節になりました。なんかやっと季節が動いたなあという気がしておりますが、いずれにしても、体調を崩しやすいので、気をつけて動かなければなあと思うこのごろです。
さて、本日の話題は、着物を着るうえでよく話題になる、関東仕立て、関西仕立ての違いのお話。筆者が住んでいるところは、中部地方で関東も関西もどちらも体験しました。結論から言えば、どちらが上という順位つけはあまり当てになりません。それよりも、使いやすさで選べば良いかなと思うんですけど、なぜか、いがみ合うようになっているのが現状です。無理して主流な方に直してしまう方もいるようですが、それはしなくていいんじゃないかなと思います。何方か片方だけでは、困る!という方もきっといらっしゃいます。
それでは各部品の関西、関東の違いを挙げていきます。
1.袋帯
袋帯には、2本線が入っていて、一番下にある線が界切線、そこから9センチ上に引かれる線をオランダ線といいます。変な名前ですが、オランダ線となっています。
その界切線が、見えるようにしてあるのが、関西したて、見えないようにしてあるのが、関東したてです。
関西仕立てでは、界切線の下に、ブランド名が書かれて居ることが多いですが、関東仕立てでは、ブランド名は、袋閉じした中に書かれています。
現在の帯は、界切線を見せないどころか、変わり結びが多い為、オランダ線もつけない袋帯が主流。
でも、リサイクルの袋帯では、界切線や、製造元を見せる関西仕立ての袋帯がまだまだ見られます。
お太鼓結びにすると、界切線が見えてしまうことがあり恥ずかしいという人も多くおられます。私は、文庫結びが多い為、あまり気になりませんが、製造元が見えるというのは、ある意味良いものであるとわかってもらえますから、隠さなくても良いなと思うのですが。
ちなみに、リサイクルで買った袋帯に、三井どんすと書かれた関西仕立ての袋帯がありました。なんか、なるほどと思いました。
2.長襦袢
長襦袢も、関東仕立てと関西仕立てでは違います。
関東仕立ては襟がバチ衿で、足元まで繋がっています。
関西仕立ては、広衿だったりバチ衿のこともありますが、衽があり、着物と同じような感じになります。
現在は圧倒的に関西仕立てが主流で、関東仕立てを関西仕立てにしてしまう人も多いそうです。
たしかに、関東仕立ては、紐が余分にいりますが、頑丈に着ることができて、衣紋抜きしやすいのは長所。
だから、一概にどちらが良いか、なんて、甲乙付けがたいところもあります。
関西仕立てでないから、嫌だなあと、一方的に決めつけるのはやめたほうが良いとおもいます。
3.着物そのもの
着物そのものにも関西仕立て、関東仕立てがあるそうです。
見かけはほとんど変わらないけど、仕立てをしてくれる和裁屋さんにしてみると関西仕立てを仕立て直すのはすごい厄介だとか。
ちなみに、関東仕立ては、職業的な和裁屋さんがよくやるようですが、関西仕立ては、家庭でアマチュア的に着物を縫う人がよくやるとか。
着る側にしてみれば、あまり大きな差異はないため、特にどちらが有利とは考えたことはなかったのですが、作る側としては、関東のほうが良いとしているようです。
見分け方は、着物の剣先近くの糸を、着物と同じ色で縫ってあると、関西仕立てだそうですが、それで、着るのに支障がでた、ということはなかったです。
よく、関西仕立てのリサイクル着物は買うなと言う方もいますが、なんだか、人種差別みたいですね。
さて、これまで袋帯、長襦袢、着物の仕立て方における関東関西の違いをみてきました。
現在主流になってますのは、
着物/関東仕立て
長襦袢/関西仕立て
袋帯/関東仕立て
となっていますが、そうしなければ行けないという義務はまったくありませんし、努力義務でもありません。
確かに、主流になっているものはありますが、そうなっているだけのことで、順位が落ちることはありません!
だから、関西仕立てだからだめ!では決してないのです。
少数派の仕立て方を好む方だってきっといるはず!そう信じて、着物を着続けていきたいですね。

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増田朋美
拝読有難うございます。何かの参考にしてくだされば嬉しくもいます。