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好き好きスキマスイッチ〜信頼と実績の音楽職人コンビ〜



スキマスイッチが好きだ。好きです。(告白)


どうも、考える犬です!



さて、今日のテーマはスキマスイッチ。


多分だけど…おそらく自分が最もライブを目撃したアーティストだと思う。


といっても、彼らの単独ライブやツアーに参戦しまくっているというわけじゃない。正直に白状すると単独ライブへの参戦は一度も無い(ごめんなさい)。ではなぜか?


それは、なんかどこの現場にもいるからである。彼らが。
…これ、多分共感してくれる人いると思う。


オーガスタキャンプに、ロッキンに、ap bank fes。僕たちがわくわくしながら出向く先々、大体彼らはいる。当たり前のように。そしてどんな現場でも100パーセント間違いなく、最高の音楽を奏でてくれる。



勝率100パーセントの二人組。そんな印象だ。そう、彼らがステージに立つことはそれ即ち、その日のライブが最高であることを意味する。ネクストアーティストで大橋さんと常田さんが笑顔で手を振りながら出てきた時の信頼感たるや…!!


なんと言えばいいのかな、プロとしての情熱と冷静さ、そしてこれまで作ってきた音楽に裏付けされた、確かな自信が同居した佇まい。それが滲み出てて最高に格好良いのである。この感じ伝わりますか???


そんな「良質な音楽の請負人」みたいな彼らが、最高にクールで、好きだ。好きにならずにいられない。



今日はそんなお話です。


…とはいえ彼ら、多くの現場で語られていることだが、意外にもはじめから順風満帆のキャリアを歩んできたわけではないらしい。2003年、1stシングル「view」でデビュー。

聞けばおわかりのように、楽曲のクオリティは当初からズバ抜けていた。今聞いても全く遜色ない、「スキマイズム」とも言うべき、一筋縄ではいかない新世代J-pop感に溢れていた。


…にも関わらずデビュー以降、今ひとつ鳴かず飛ばずの時期が続いた。


曲は良かった。ルックスだって悪くない。ただ、知名度があまりに無さすぎた。どんなに良い曲を書いても、聴いてくれるリスナーがいなくては意味がない。

そこで2人はどうしたか。
露出を増やすため、TVや雑誌に出まくった?

いや違う。
正解は、「もっと良質な音楽を追求すべく楽曲を作りまくった」


…なんだろう、推せる。
最高に音楽バカだ。


…とはいうものの、これはしかたない。若い二人にはそれしかなかったのである。自分たちの申し出でプロモーションを増やしてもらえるほど、キャリアも発言権もなかった。むしろ、「ダメと思われたらすぐにでもクビを切られるかもしれない」という危機感と常に隣り合わせだった。そんなプレッシャーの中、2ndシングルとしてあの曲がリリースされた。

これで、スキマの人気に一気に火が付く…わけではなかった。

周りのスタッフやラジオ局など、業界から一定の反響はあったものの、一般のリスナーにはもう一つ届かなかった。それを受けて2人は、さらにストイックに楽曲制作に打ち込んだ。マジかよ。

凄いよこれ。ノリが一昔前の野球部の強豪校である。「負けたからグラウンド100周!!」である。やってることは音楽なのに、文化系なのか体育会系なのか、もはやわからない。


3rdシングル「ふれて未来を」、4thシングル「冬の口笛」。怒涛のリリースは続いたが、今一歩伴わない売り上げ。2人にとって辛い時期が続いた。しかし続く5thシングルで、とうとうスキマスイッチはブレイクを果たす。

何がきっかけかはわからない。

純粋に超絶キラーチューンだったから?後発的に多くのタイアップがついたから?音楽番組にちらほら出演するになっていたから?


ともかく、この一曲が停滞していた状況に風穴をブチあけた。リスナーがスキマスイッチという存在にようやく気づいた。多くの人が興味を持ち、この「アフロと爽やかくん」について調べた。


すると、ここにきて初めて、これまで取り憑かれたように制作してきた良曲の数々が猛威を振るい始めた。

「スキマスイッチの『全力少年って曲、良いな!」
「『奏ってバラードも良いな」
「というか、他の曲も軒並み良いな…」
「『夏雲ノイズ』ってアルバム、買ってみようかな」


当時この順序で彼らにハマったリスナーは、数えきれないほどいただろう。人は何かを好きになるとき、

「①気づく」→「②調べる」→「③好きになる」

という段階を踏む。重要なのはこの「②調べる」の段階で、ここがいわば好きか嫌いかをジャッジするポイントだ。つまり、ここで判断材料になるコンテンツがなければ、人は楽曲を好きになるだけで、アーティストのファンになるには至らない。

つまりこのブレイクスルーのタイミングで、過去の良質な楽曲を揃えていたからこそ、スキマは耳の肥えた音楽ファンすらも一網打尽に虜にしてしまったのである。

実際この頃スキマに出会い、愛好するようになったという声はミュージシャン界隈にも多い。同事務所のさかいゆうだけでなく、髭男の藤原さんYOASOBIのAyase藤井風に、マカロニえんぴつのはっとり等々……皆、今をときめくサウンドメーカーたちだ。


ともかく、念願のブレイクを果たした2人。この後の快進撃は、もはや誰もが知るところだろう。一つの大きな壁を乗り越えたスキマスイッチは、業界内外にそのファンを雪だるま式に増やしながら、現在も走り続けている。


誰もが諦めるような停滞した状況に、自身の持ちうる「音楽」だけで風穴を開けた、この愚直な音楽バカ具合が、たまらなく好きだ。



あともう一つ、この2人の推しポイントを語りたい。


それはこの2人の「パートナー感」である。

ジョンとポール。ミックとキース。
稲葉さんと松本さん。


音楽界には国内外問わず数えきれないほどの名タッグが存在するけど、僕はその中でも「ソングライティング」と「パフォーマー」を兼ねた2人組という関係性が大好きだ。大好物と言って良い。


なんというか、「究極この2人がいれば彼らの音楽は成立するし、どこでも再現できる」という関係性にキュンキュンくるのだ。理屈じゃない。もはや性癖とも言って良い、これは。


言うまでもなく、スキマスイッチの2人はその要素が含まれている。というか、濃い。特濃である。ごちそうさまです!(?)


2人だけによる「藍」。
大橋卓弥のボーカルと常田真太郎の鍵盤、ただそれだけ。


にも関わらず、まごうことなき「スキマスイッチの音楽」だ。装飾をすべて削ぎ落として、「スキマイズム濃縮100パーセント」だ。


どこへ行っても、どんな状況でも、この2人がいれば、たちまちそこに音楽が流れる。機材とかスタッフはあくまでサポートで、究極的には必要としない。


2人の奏でる「サウンド」と長年作り続けてきた「楽曲」。それこそが彼らの仕事の本質で、核だ。そして多くのファンが2人に求めるのも、まさにそれである。


そういう仕事のしかたを出来る者のことを、人は「職人」と言う。



…などとここまで仰々しく語ったが、2人がおしゃべりするときの遠慮のない関係性も魅力のひとつ。それが堪能できる動画を1つ紹介します。


この顔よ

この遠慮のない言い方。
頬杖、表情、辛辣な言葉で、フルスコアである。
最高だよ。大橋さん…!


一つ捕捉しておくが、この2人仲が悪いわけではない。…が、めちゃくちゃ良いわけでもない。実際に2人で音楽を制作することに行き詰まりを感じ、大橋さんは2008年にソロデビューする等別々の活動をしていた時期があるし、なんならその後スキマスイッチを再始動したときの温度差が、1番の解散危機だったと、2人は公言している。

(引用記事:2024/02/22  サンスポより)

つまりそういった時期を乗り越えてこそ、この空気感というわけだ。相手の良いところも悪いところも知り尽くし、洒落にならない喧嘩もやったからこそ、一周して安定期に入った。熟年夫婦か??あるいは漫才師。


それでも互いの音楽的センスは認めていて、だからこそパートナーとしてここまで20年間続けられている。まさに仲が良いとか悪いとかを超越した、「相棒」といえる存在なのだ。


この円熟の関係性も引っくるめて、魅力的な二人組である。



以上より、総括。

スキマスイッチの2人は、苦しい時代も自らの音楽一本でファンを増やし、20年かけて現在の地位を築いた、紛れもなく本物のミュージシャンである。


さらに2人の音楽と愛すべき人柄は多くの人から愛され、2人はじっくりと丁寧に人と人との交友の輪を広げ続けた。


オーガスタの面々はもちろん、小田和正にミスチルにKAN、奥田民生、スピッツ、aiko。それに数えきれない多くの後輩たち…


そうしてデビュー20年を超える今年、なんと主催のフェスを開催するまでに至ったのである。


出演者も豪華で、最高にわくわくするメンツ。


今後も彼らの行くところには、いつでもどこでも最高の音楽が流れているはずだ。その音楽を一ファンとして、末長く楽しみたい。


とりあえず先日応募した上記フェスのチケットが当選するよう、筆者は心から願っています。


P.S.
余談だが、彼らのYoutubeチャンネルはマジで最高である。
オーガスタのスタッフの皆様に、心から「グッジョブ!!!」と言わせて頂きたい。


感謝…圧倒的感謝……!!


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