2022/9/18 バトロコ高田馬場トーナメントセンター エリア予選突破 ~副題:コントロールと歩んできた4ヶ月間~
結論から申し上げますと、5-0-2の3位でエリア予選を突破しました。
名古屋行き決定です。この世のすべてに感謝(反復)
使用デッキは上記のエスパーコントロールwithヨーリオン。
せっかくですから、60枚青白コントロール→60枚エスパーコントロール→ヨーリオン型青白コントロール→ヨーリオン型エスパーコントロールとここ4ヶ月間で変化していった流れ、ヨーリオンの採用理由などについても語っていきたいと思います。
自分語りうおおお! とか言ってたらいつの間にか3万字行ってました。反省します。
■2022年5月:60枚青白コントロールでパイオニア参入
まず最初に2022年5月1日から60枚の青白コントロールでパイオニアを始めました。
《ドミナリアの英雄、テフェリー》を擁する青白コントロールはずっとやってみたかったデッキであり、夢でもありました。
快く《ドミナリアの英雄、テフェリー》を貸していただいたゴブさんにこの場を借りて多大の感謝を申し上げます。
ここで望外の優勝。
MTG歴一年目で2019年のThe Finalsへの出場権利を獲得した時もスタンダードの青白コントロールであり、運命を感じた瞬間でした。
■2022年6月:60枚エスパーコントロールへ
6月頃に緑信心がトップメタになり、ボロスヒロイック等のアグロ系も環境に出始めました。
優秀な除去のために黒を足す必要性を感じ、60枚のエスパーコントロールを使用し始めました。
黒を足す明確な理由としてはやはり《消失の詩句》《致命的な一押し》《絶滅の契機》、そして《墓地の侵入者》です。
前者の除去二種は緑信心に対して明確に刺さるものであり、多色の強力なカードが少ない環境でもあったため《消失の詩句》はほぼ無条件の追放除去として扱えたのが大きかったです。
《墓地の侵入者》も除去が抜ける所を突いたアグレッシブサイドボーディングとして、《放浪皇》や《サメ台風》と組み合わせたビートダウンで試合を速やかに終わらせることもでき、かなりの好感触でした。
これにより特にイゼットフェニックスには相性が劇的によくなりました。
もともと青白コントロールが得意とする相手ですが、《消失の詩句》で《孤光のフェニックス》を追放でき、偶数のクリーチャーが大半のため《絶滅の契機》も非常に効果的です。
また、サイド後に入ってくる《神秘の論争》《否認》《軽蔑的な一撃》のいずれにも刺さらない《墓地の侵入者》が大暴れするマッチアップです。
《染みついた耽溺》は便利なルーティングですが、悠長であったことから不採用に。
これで当時のトップメタの緑信心やイゼットフェニックスに強く出られるデッキを構築できたなと感じました。
しかし……緑信心と並ぶトップメタであるラクドスミッドレンジにあまり勝てないという事態に陥ります。
《絶命の契機》だと偶数の《税血の収穫者》および《鏡割りの寓話》のゴブリンシャーマントークンと、奇数の《墓地の侵入者》や《砕骨の巨人》をまとめて処理できないのです。
また、《墓地の侵入者》《鏡割りの寓話》を筆頭に1-2交換となってしまうものばかりで、優秀な《消失の詩句》もそこまで強く使えません。
また、上記の《致命的な一押し》《消失の詩句》に依存する構成だと、この時期に流行し始めたラクドス/ジャンドサクリファイスに弱い点も致命傷でした。
《税血の収穫者》や《波乱の悪魔》に《消失の詩句》が刺さらず、《冥途灯りの行進》を不採用としたことで《魔女のかまど》にも触れず。何もかもが終わっている。
さらに7月は濃厚接触者→陽性というコンボにより、1か月お休み。この間は6月頃に加入した調整グループであるPower House Clubのメンバーから寄せられる環境情報などを元に検討を重ねていきました。
■2022年8月:80枚青白コントロール
2022/8/14のミント渋谷プレミアム予選では当時話題になっていたジェスカイ日向を持ち込み、4-2ドロップ。面白いデッキだったものの、やや大振りすぎる点が気になってしまいました。
ちなみに《鏡割りの寓話》が強すぎて変な笑いが出ました。
1章のマナブーストと2章のルーティングは最高の効果だし、3章もギアハルクをコピーしてうおおおおおおお! 出来るしで最高のカードか?
2022/8/20のBMOプレミアム予選で60枚青白コントロールを使用し、最後の最後で苦手な白単人間を踏み6-2の10位。
ミント渋谷のプレミアム予選でジャンドサクリファイスが勝ち上がった事を考慮し、これが増えてくる事を読んでの青白コントロールに回帰したという経緯でした。
なおサクリファイスには当たりませんでした。ついでにラクドスミッドとも当たりませんでした。なんなんだ。
ここで私が敗北し、そのままプレミアム予選を突破していったヨーリオン型青白コントロールの記事が上がり、サイドボードの《粗暴な聖戦士》に惹かれヨーリオン型青白コントロールを使うことに。
店舗予選が開かれる最後の日、群馬のコミかる高崎店まで遠征しようやく店舗予選を突破。
共に群馬へ旅立ったPHCの戦友たちに多大なる感謝を。
元にしたリストからは《覆いを割く者、ナーセット》2枚を《運命的不在》《漸増爆弾》に散らし、《至高の評決》1枚を《残骸の漂着》に。
サイドボードは《神秘の論争》1枚を《霊気の疾風》に変更。
《運命的不在》について詳細は後述しますが、やはり1枚あるなしではかなり違うと感じるため入れました。
《残骸の漂着》ですが、緑信心に有効なサイドカードであること、アブザンパルヘリオンに対する《至高の評決》があまり効果的でなく、かつ《パルヘリオンⅡ》への回答でもあったため1枚採用しました。
《漸増爆弾》は調整メンバーの発案で、アブザンパルヘリオンの天使/猫トークン、その他アグロ(特に人間)に対する回答の一つとして採用しました。
先に置ける除去としての感触は悪くありませんでした。悪くないだけとも言えますが。
■2022年9月:80枚エスパーコントロール
しばらくは80枚青白コントロールを使用していましたが、2022/9/18のバトロコ高田馬場トーナメントセンターエリア予選の直前に80枚エスパーコントロールに変更しました。
▼ヨーリオンの採用理由
中盤以降のスケール勝負で一番強いからです。
《海の神のお告げ》があればその分だけアドバンテージが取れ、万が一《放浪皇》《覆いを割く者、ナーセット》が場にいればさらなるアドバンテージで突き放すことが出来ます。
そして、《ヴェールのリリアナ》の電撃加入によって大幅に強化され、最大勢力となったラクドスミッドレンジとの相性が良いのも大きな理由の一つです。
というのも、ラクドス側はサイドからハンデスを4枚以上入れてきて消耗戦の末にトップの叩きつけ合いになることがほとんどです。
そこに虚空から飛んでくる5/4/5飛行というフィニッシャーは非常に頼もしいもの。
先述した通り《海の神のお告げ》などがあれば、アドバンテージ差で勝つ事が出来ます。
ただし、相棒回収後の《思考囲い》《真っ白》などの裏目もありますので、可能であれば相棒回収後はカウンターを構えるなり、あるいは8マナで相棒回収→即唱えるといった工夫は必要です。
また、よく挙げられるヨーリオン型の欠点としては、20枚かさ増しされることで引きたいカードの確率が薄れる事にあります。
これに関しては元々の青白コントロールのメインで4枚積みされるカードが《検閲》ぐらいしかなく、ほとんどが3枚~2枚を推移しています。
ヨーリオン型の4枚積みは60枚型の3枚積みと同程度の確率であり、そういった観点からもメインボードでは特に問題はないと言えるでしょう。
ただし、クリティカルなサイドボードを引く確率が減るのは明確なデメリットの一つとも言えます。
これに関しては《覆いを割く者、ナーセット》《海の神のお告げ》などのドロー操作手段でカバーしていくといった工夫が必要になります。
これらのカードと《空を放浪するもの、ヨーリオン》との相性が非常に良い点も追い風になっています。
▼エスパーコントロールにした理由
青白の軽量除去が弱すぎるからです。以上です。
・貧弱な白の軽量除去
これは冗談でもなんでもない事実です。
従来の青白コントロールの一般的な軽量除去は《ポータブル・ホール》、《冥途灯りの行進》、《運命的不在》なのですが……
《ポータブル・ホール》はソーサリータイミングのアーティファクト。2マナ以下であれば土地以外のパーマネントを全て追放します。
《魔女のかまど》も追放できます。紛争しない代わりに範囲が広がった白い《致命的な一押し》であり、効果そのものは1マナとしては優秀でしょう。
しかし、《有望な信徒》がついでに割ってきたり、《スカイクレイブの亡霊》で追放されたり、ラクドスミッドレンジやサクリファイスからは《コラガンの命令》でついでに割ってきたりしてきます。
なんならソーサリータイミングなのでスピリットからは《鎖鳴らし》が飛んできたりします。この世は理不尽。
もちろん追放であるため、《救出専門家》などに再利用されないのは利点ではあるのですが……それ以上にソーサリータイミングかつ対処されやすいアーティファクトというのが気になる場面が多かったです。
《冥途灯りの行進》に関しては《ポータブル・ホール》と比べるとインスタントかつ範囲の広さ、アド損するとはいえ緊急時の除去として好感触。特にトークンやミシュラランドに1マナで触れるのは偉大です。
しかしながら、やはりX系の宿命から後手だと非常に弱くなるのが欠点。
とはいっても他に候補もあまりなく、ヨーリオン型では消去法的に4枚採用となってしまいます。可能であれば2枚程度に留めたい一枚です。
《運命的不在》ですが、このカードの評価はだいたい良くない印象があります。
事実、私が参考にしたものの一つである下記記事でも《運命的不在》は不採用となっています。
MOのパイオニアチャレンジで二週連続優勝を果たしたOscar_Franco氏の青白コントロール(60枚)でも《運命的不在》は不採用で、代わりに《拘留の宝球》に差し変わってたりしています。
無条件の2マナでクリーチャーとプレインズウォーカーを両方対処できる除去ですが、手がかりを渡すデメリットが後に響く形になってしまう点はマイナスポイントと言えるでしょう。
ただ、アブザンパルヘリオンの《大牙勢団の総長、脂牙》を対処できる貴重な除去でもあります。
また、青白コントロールにとってはカウンターしそびれてしまったプレインズウォーカーへの数少ない対処手段の一つとなります。よって1枚は必要という認識です。
先述した通り《漸増爆弾》を試してみたり、あるいは《一時的封鎖》も試してみたりしましたが、どれもしっくり来ず。
そして何より…………
《船砕きの怪物》がどうにもならない!!
イゼット独創力がサイド後に3枚も投入してくるこのカードに対して青白コントロールはあまりにも無力です。
着地した瞬間に1-2枚しか入っていない《運命的不在》しか綺麗に対処できる手段はありません。これもケアして動かれたらどうにもなりません。終わりです。
攻撃に合わせて《放浪皇》唱えます、あっバウンスですね……はい……解決どうぞ……
晴れる屋東京トーナメントセンターのプレミアム予選を突破し、記事になった事もありこのイゼット独創力の使用者数も増えています。
ラクドスミッドレンジ・緑信心に次ぐ立ち位置として確立しているこのデッキの存在も考慮する必要がありました。
そして《ヴェールのリリアナ》です。
青白コントロールは《至高の評決》という必殺技がありますが、その返しに《ヴェールのリリアナ》を出されるとどうにもなりません。
クリーチャーを展開される→苦しくなり《至高の評決》で流す→《ヴェールのリリアナ》は負け筋の一つです。
《放浪皇》の侍トークンや《サメ台風》のサメトークンで殴ろうにも2回以上は+1を起動されてしまうでしょうし、なんなら-2で生贄にされてしまいます。
《ドミナリアの英雄、テフェリー》の-3能力も使いたくないですし……というような具合で、一回出てしまったプレインズウォーカーに対してあまりにも無力である点も気になったポイントの一つです。
《ドビンの拒否権》やらで打ち消せばいい? 相手はそれをさせないように立ち回ってくるんですよ!
★80枚エスパーコントロール解説
さて、ここからはエスパーコントロールにシフトした理由も含めて話していきます。
■環境考察
2022/9/18のバトロコ高田馬場のエリア予選に参加する時点での環境において、意識すべきデッキとしては下記の通りだと考えました。
・Tier1
ラクドスミッドレンジ 緑信心
・Tier1.5
アブザンパルヘリオン 独創力 人間 青白コントロール
・Tier2
イゼットフェニックス スピリット サクリファイス
・色々な意味でヤバい
ロータスコンボ
※個人的な意見です。普通に間違っている可能性はあります。
Tier1 - ラクドスミッドレンジ・緑信心
元々デッキとしての強度の高さから母数が多かったラクドスミッドレンジですが、《ヴェールのリリアナ》《黙示録、シェオルドレッド》の電撃加入によりますます盤石となった印象があります。
いわゆるパイオニアにおけるモダンのジャンドであり、使用者数も非常に多く、まず最大の仮想敵として考えて差し支えないでしょう。
次点で構造的にラクドスミッドレンジに強い緑信心。とはいえ手札を絞る《ヴェールのリリアナ》の存在により、以前ほどの強さを発揮できない可能性も生じています。
とはいえ、ドブン時の爆発力はパイオニア随一。なんで4ターン目で10マナ出すんだよ、教えはどうなってんだ教えは!
これもラクドスミッドレンジと並んで意識すべきデッキと言えます。
Tier1.5 - アブザンパルヘリオン・独創力・人間・青白コントロール
次点でアブザンパルヘリオン。《ヴェールのリリアナ》の+1能力で《パルヘリオンⅡ》を捨てつつ相手の手札を絞り、《大牙勢団の総長、脂牙》でリアニメイトという動きが出来るため《ヴェールのリリアナ》を最も強く扱えるであろうデッキです。
ラクドスミッドレンジに対して墓地対策の上から《エシカの戦車》のミッドレンジプランが強力でしたが、《黙示録、シェオルドレッド》によって乗り越えられなくなったのが一つの焦点になりそうです。
とはいえ、ドブンもありその強さは陰り無し。
続いてイゼット独創力。イゼットコントロールとして立ち振る舞いつつ、隙が出来たが最後《大勝ち》《予想外の授かり物》からの《不屈の独創力》X=2で唱えるだけで勝ちます。
最大勢力であろうラクドスミッドレンジや緑信心にも《不屈の独創力》を決めてしまえば勝つというコンセプト自体が強く、明確に苦手なデッキが青白コントロールやロータスコンボぐらいなのでこれも名乗り上げています。
《スレイベンの守護者、サリア》で相手の非クリーチャー呪文に対して待ったをかけ、《サリアの副官》の爆発力で殴りきる古典的なウィニーである人間。「核が落ちても白ウィニーとゴキブリは生き残る」という言葉もあるとかなんとか。
《粗暴な聖戦士》で疑似除去しつつ殴ったり、《輝かしい聖騎士、エーデリン》でいきなり横並び戦術をかましてきたり、《救出専門家》で戦線を立て直したりと見た目以上に器用な立ち回りを行えます。
特に緑信心に対して《粗暴な聖戦士》の追放と展開後に《精霊への挑戦》で一気に通すやり方が非常に強く、緑信心を狩るデッキとして数を増やしています。
《集合した中隊》を入れ、より爆発力に比重を置いたバント、《ドラニスのクードロ将軍》を入れてアブザンパルヘリオンに強く出るオルゾフとバリエーションも豊富です。
本記事でも散々話した青白コントロール。
《ドビンの拒否権》《吸収》の軽量カウンターで相手の動きを阻害しつつ、横展開には《至高の評決》で流した後には《放浪皇》《ドミナリアの英雄、テフェリー》といった優秀なプレインズウォーカーで制圧する古き良きコントロールです。
Tier1のラクドスミッドレンジや緑信心に対しても五分以上渡り合うことができ、さらに頭角を現した独創力に対しても有利をつけられるため、現在の環境の立ち位置としてはかなり良いように感じます。
一方で《スレイベンの守護者、サリア》を擁し、速やかに試合を畳みに来る人間を苦手としています。
Tier2 - イゼットフェニックス・スピリット・サクリファイス
ラクドスミッドレンジの《真っ白》を筆頭に、《未認可霊柩車》などで墓地を食い散らかされ姿を消したイゼットフェニックス。
《勝利の炎》が明確な強化パーツで、サイドボードに《焦熱の交渉人、ヤヤ》を得たことで従来の《神秘を操る者、ジェイス》よりも勝ちに直結し、墓地に頼らない攻撃的なプランを取れるようになっています。
また、ラクドスミッドレンジ側で《真っ白》の採用枚数が少なくなり、ガードが下がりつつある今ならばいい立ち位置になるのではと推測しました。よってこのイゼットフェニックスにも考慮していく必要がありました。
根強い人気を持つバントスピリット。インスタントタイミングでの動きが多く、同じインスタントである《集合した中隊》との相性が最も良いデッキです。
団結のドミナリアで得た強化パーツとしては青白ダメランこと《アダーカー荒原》ぐらいで、最大勢力であるラクドスミッドレンジに弱い点が最大の欠点。
その一方で緑信心などの大振りなデッキには滅法強く、当たり運に左右されやすいデッキともいえるでしょう。個人的にはラクドスミッドレンジに弱いという一点が響き、Tier2ぐらいの立ち位置だと感じました。
青単スピリットも存在しますが、こちらはよりクロパに寄ったピーキーな形となっています。詳しく語れるほどの知識もあまりないので、割愛させていただきます。
軽量カードでまとめたラクドスサクリファイス、《フェイに呪われた王、コルヴォルド》のために緑にタッチしたジャンドサクリファイスが存在しています。
《フェイに呪われた王、コルヴォルド》によるアドバンテージエンジンとフィニッシャー性能が非常に強いため、主にジャンドサクリファイスが主流ですね。
《初子さらい》《カーリ・セヴの巧技》といったコントロール奪取呪文から《魔女のかまど》《命取りの論争》で生贄に捧げ、《波乱の悪魔》で1点を飛ばす……と、クリーチャーデッキに強く突き刺さる要素が詰まっています。つまり人間などに有利を取れるデッキですね。
その一方で、メインボードのコントロール奪取呪文が腐ってしまう相手には弱いという欠点があります。
特にジャンドサクリファイスは《フェイに呪われた王、コルヴォルド》の大振りに依存しているため、青白コントロールに不利となっています。
細かく動くラクドスサクリファイスの方は有利がつきます。同じアーキタイプでも種類が違えば相性も変わるのはMTGの面白いところですね。
最近のエリア予選でも勝ち切れていないことが続くため、この位置としました。
色々な意味でヤバい枠です。
どういう意味でヤバいかと言いますと、このデッキを使っている方はえてして「ずっと擦っている熟練者」だからです。一瞬でも隙を見せれば瞬く間に敗北するでしょう。
ただ、ラクドスミッドレンジに対してはクロックも速くなく、《思考囲い》等で妨害されにくい土地コンボであるため、有利がつくというのが有識者の見解のようです。独創力にもキルターンの差で有利をつけている印象があります。
また、青白コントロールに対しても有利がつきます。《思考のひずみ》打つのやめてください。泣きますよ。
その一方で、《スレイベンの守護者、サリア》擁する人間やボロスヒロイックにはあっという間に負けてしまったりするピーキーなデッキです。
現在の環境においては有利なマッチアップとなるデッキが環境の上位にちらほらといる点。
また最大の敵であるボロスヒロイックが環境から姿を消しており、かつ減衰球がサイドボードに取られなくなった今ならば、このロータスコンボも選択肢の一つなのかもしれませんね。
さて、上記でまとめたこのエスパーコントロールでの個人的な相性は下記の通り。
★有利
緑信心 独創力 イゼットフェニックス
★微有利
ラクドスミッドレンジ 青単スピリット 青白コントロール ジャンドサクリファイス
★五分?(微不利かも)
アブザンパルヘリオン
★微不利~不利
人間 バントスピリット ラクドスサクリファイス ロータスコンボ
試行回数を重ねているわけでもなく、満遍なく当たっているわけでもないため重ねて記しますが、あくまで個人的な意見です。結局人間とは当たらなかったですし。
詳細なマッチアップについては後述のサイドボード解説で個別に語りますが、環境上位のデッキには青白コントロールよりも相性が改善されており、なかなかの好感触です。
一方でショックインによるライフロスのリスクも増えたため、アグロ系にはガードが下がった形になります。赤単は勘弁してください。
ただ、人間に対しては除去が強くなった影響のほうが大きいため、青白よりはマシになっています。
サクリファイスにも《魔女のかまど》に対応できる《ポータブル・ホール》の不採用により、ガードが下がった形になっています。これらについては数がそんなにいないだろうという読みでした。
▼メインボード解説
1枚1枚解説していきます。読み飛ばしていいです。
▼加入した黒の除去たち
・《致命的な一押し》2枚
黒を足す理由の一つ。《ポータブル・ホール》とは異なり、クリーチャーのみですがインスタントという長所が全てを救います。
《税血の収穫者》等を《致命的な一押し》で処理しつつ、3ターン目に《吸収》を構えるムーブは最高の時間。
また、《サメ台風》のサメトークンや《放浪皇》の侍トークンを筆頭に、《海の神のお告げ》の起動能力および《放浪するもの、ヨーリオン》のブリンクで紛争手段を達成することもあります。
60枚型だと紛争はほぼ達成されないのですが、ヨーリオン型であれば結構現実的になるのもいいですね。
とはいえ、《大牙勢団の総長、脂牙》を意識する上で4枚も入れたいカードではないため、2枚としています。
人間含めてアグロ系がトップメタに食い込むようになれば4枚にするでしょう。
・《消失の詩句》4枚
黒を足す最大の理由です。
たった2マナでクリーチャー、プレインズウォーカー、なんならエンチャントや色つきのアーティファクトまで視野に入ります。
緑信心の《老樹林のトロール》《茨の騎兵》などにはもちろん、白単人間にも強く刺さります。
破壊不能を付与する《不屈の護衛》の上から追放するの気持ちええんじゃあ^~
《ヴェールのリリアナ》だけでなく《反逆の先導者、チャンドラ》などにも対応が可能と縦横無尽の活躍を見せてくれます。
そして何より…………《船砕きの怪物》に対応できる除去です!
《運命的不在》とは異なり4枚の採用が許される除去であり、メインボードの《世界棘のワーム》を追放できることから独創力には大きく有利をつけられるようになったと言えるでしょう。
一方で裏目も存在します。アブザンパルヘリオンの《大牙勢団の総長、脂牙》、バントスピリットの《呪文捕らえ》《天穹の鷲》などの多色クリーチャーが該当します。
とはいえ、アブザンパルヘリオンでは機体が単色ですし、バントスピリットについては《至高の幻影》《鎖鳴らし》などが単色ですので、そちらの方に切る方向でカバーできます。
元々はメイン3枚、サイド1枚で考えていたのですが、サイドボーディングを一覧にしてみたところ、ほぼ詩句をサイドインする事が判明し「もうメイン4枚でよくね?」となった経緯があります。
・《取り除き》2枚
現在の環境にしっかり適応した除去です。
60枚エスパーコントロールを使用していた時、《致命的な一押し》《消失の詩句》では対処できないカード群がどうしても気になり、そこをカバーするために採用しました。
《大牙勢団の総長、脂牙》、《波乱の悪魔》、《呪文捕らえ》といった多色の3マナクリーチャーはもちろん、《敵対するもの、オブ・ニクシリス》や《ビヒモスを招く者、キオーラ》等の多色プレインズウォーカーにも対応できるようになりました。
もちろん《ヴェールのリリアナ》にもです!
《致命的な一押し》がギリギリ届かない3マナクリーチャーが強い環境でもあるため、2枚ずつ散らしました。
個人的には《虚空裂き》よりもこの《取り除き》のチョイスがかなりの好感触でした。
・《影の評決》1枚
プレインズウォーカーも巻き込める点でサクリファイス/ラクドスミッドレンジを意識した一枚です。
もともとは《告別》が2枚でしたが、重ね引きしたくなかった事もありこれと1枚ずつ散らすことに。
ラクドスミッドレンジには墓地の《死の飢えのタイタン、クロクサ》や《しつこい負け犬》ごと一掃してくれるため、かなりよい一枚と感じました。
サクリファイスには打つ機会がありませんでしたが、《大窯の使い魔》と《敵対するもの、オブ・ニクシリス》や《ヴェールのリリアナ》をまとめて処理できるのは《告別》にない強みなので、1枚あると選択肢が増えるのは間違いないでしょう。
▼青白コントロールおなじみのカード
・《冥途灯りの行進》2枚
5月~6月頃のエスパーコントロールでは不採用としていましたが、先述した通り《致命的な一押し》《消失の詩句》では対応できないカードに対抗すべく、《冥途灯りの行進》は必要だと判断しました。
実際、緑信心の《真髄の針》を消したりといった活躍を見せてくれました。
一方で、これもまた先述した通りX系呪文の宿命から、後手では弱い点が挙げられます。
ヨーリオン型青白コントロールでは消去法的に4枚採用となっていましたが、今回のエスパーコントロールでは上記の黒の除去によって心置きなく2枚での採用です。これについては満足しています。
・《ドビンの拒否権》4枚
打ち消されない最強の《否認》。
3枚にするか悩みましたが、後手での《ヴェールのリリアナ》《大いなる創造者、カーン》《鏡割りの寓話》などに対する対抗手段としては必要だと判断し4枚としました。
実際これが正解だったと感じる場面も多く、今後も4枚にしそうです。これが減る時はアグロ系がトップメタになった時でしょう。
《冥途灯りの行進》を採用したことで、人間などで不要牌になってしまうマッチアップでもこれをコストにする事が出来る点もポイントです。
・《海の神のお告げ》4枚
軽量ドローソースであり、必要牌を探す役割を担います。
そして何より《空を放浪するもの、ヨーリオン》でブリンクする置物です。よって4枚から減ることはほぼありえないでしょう。
コントロールではカウンターや除去を構えつつも、どちらも使わない時にマナが無駄になってしまう場面が多々あります。
そういった場面において、ドローソースとして能動的に動けるこのカードは《空を放浪するもの、ヨーリオン》抜きにしても好感触です。60枚では枠が足りないので入れないけど。
小テクとして、起動能力で生贄に捧げて《致命的な一押し》の紛争を達成するというものがあります。
基本的な事ではありますが、いざという時に覚えておいて損はありません。
・《ジュワー島の撹乱》3枚
2~3ターン目の出鼻を挫く打消しであり、土地でもある一枚。
2~3ターン目でのアクションに対応したい・ノータイムで土地5枚までたどり着きたいコントロールにとっては必要な要素が詰まっています。
役割としては《検閲》と似ていますが、やはり土地にもなる点が唯一無二です。
土地が不要になる中盤以降ではサイクリングで手札を回せる《検閲》の方に軍配が上がりますが、コントロールではとにかく序盤が重要であるためこちらの方が強いと感じています。
正直《検閲》が主流である60枚の青白コントロールでもこれと散らした方がよいのでは?とも思い始めています。
60枚の方は軽量ドローがないため、《検閲》の方が使い心地がよいのは理解できますが。
この《ジュワー島の攪乱》をケアして1マナを余らせてくる立ち回りをしてきても、その時点でアクションが鈍っているため役割は果たしています。
ここでは3枚としていますが正直好みです。4枚にしても普通にありだとは思います。
・《吸収》4枚
白青青という狂ったシンボルですが、打ち消しつつ3点のライフを得るというコントロールにとって嬉しい効果。
特にショックランドによるライフロスが気になるエスパーコントロールにとっては命の源泉となります。
マナシンボルがやや緩く《神秘の論争》に刺さらず、《収穫祭の襲撃》に強い《虚空の粉砕》、起動や誘発能力も打ち消す《不許可》などと散らす事も考慮していましたが、やはり3点のライフゲインは必要ということで4枚。
なんやかんやでこの3点で助かった命も多かったです。
・《覆いを割く者、ナーセット》2枚
《空を放浪するもの、ヨーリオン》でブリンクして嬉しい置物の一つ。
イゼットフェニックスや独創力等にはドロー制限が強く突き刺さり、アグロ系には避雷針になりつつ《至高の評決》などの除去を探し出す役割を担います。
また、ラクドスミッドレンジに対してもアドバンテージ源になりつつ、《鏡割りの寓話》や血トークンによるルーティングに対して待ったをかけられるのもポイント。
放置したくとも《空を放浪するもの、ヨーリオン》の存在で倒さざるを得ないという状況に持ち込みやすいのがヨーリオン型での強みでしょう。
一方で3マナでソーサリータイミングの動きである点はどうしても気になり、序盤に重ね引きもしたくない一枚であったため2枚に。不満は特にないです。
ちなみにこの常在能力、使っている側も使われた側も忘れがちです。
二枚目以降のドローを許可してしまった場合、警告を受けてしまうので要注意です(一敗)
・《至高の評決》3枚
数ある全体除去の中でもシンプルかつ屈指の強さを誇る一枚。
"打ち消されない"という一文が青単スピリットなどに対して強く突き刺さります。《呪文捕らえ》《無私の霊魂》は勘弁な。
アグロ系にはもちろん、《墓地の侵入者》を擁するラクドスミッドレンジに対しても有効な一枚です。出来る限り複数枚との交換を目指したいところ。
《放浪皇》との組み合わせで、《至高の評決》をケアして展開したくないのに、一体だけだと《放浪皇》からの-1および-2能力で盤面を掌握される……というジレンマを陥らせる事ができます。
後述する《残骸の漂着》1枚と散らして3枚となっています。
・《残骸の漂着》1枚
相手に基本土地を提供してしまうデメリットこそはありますが、インスタントタイミングでの全体除去にもなりうるという一点は他にない強みです。
特に緑信心に対して強く、《老樹林のトロール》《茨の騎兵》などの極太クロック、そして対処しづらい《領事の旗艦、スカイソブリン》に対するアンサーの一つです。
アブザンパルヘリオンにも《パルヘリオンⅡ》とそれに付属する天使たちもまとめて追放でき、基本土地をほぼ採用していないためノーデメリットとなる場合も多々あります。
とはいえ3~4枚も入れるようなカードではなく、1枚が適正でしょう。好みによっては2枚でしょうか。
最近のパイオニアでこれを見かけることはあまりなく、ケアされない事もありますが、ケアされたとしても同じ4マナである《放浪皇》との組み合わせが相手を悩ませます。
《残骸の漂着》をケアして単体で殴れば《放浪皇》が飛んできます。
かといって全て攻撃すると《残骸の漂着》が……と、あらゆる行動にリスクを持たせることで、プレイミスを誘う事も出来るのも利点でしょう。
《至高の評決》のところでも同じことを聞いたって? はい、《放浪皇》が強すぎるんです。最高のカードです。
・《放浪皇》4枚
先述した通り「最高のカード」です。以上。
……まあ、これだけでは何ですので、説明していきます。
4マナにおける追放除去でもあり、盤面の構築手段でもあり、《ドミナリアの英雄、テフェリー》の壁役でもあり、フィニッシャーでもあります。
対戦相手は常にこの《放浪皇》の存在を意識しなければならないほどの存在感を持ちます。
インスタントタイミングで動けるため、《吸収》等のカウンターや《消失の詩句》等の除去を構えつつ、《記憶の氾濫》等のドローソースと共に能動的な択を迫る事が出来ます。
上手い方は白ダブルシンボルが出る4マナが立っている場合、この《放浪皇》をケアして殴ってこないということが多々あります。
《放浪皇》を持っていなかった場合はただただ得していますし、《記憶の氾濫》などがあればそれを使えばいいだけの話です。
そして、何より「戦場に出たのである限り、インスタントタイミングで起動能力を起動できる」という効果により《空を放浪するもの、ヨーリオン》でブリンクすると起動能力を2回使えるという宇宙を味わえます。
アグロ系には-2の追放除去および-1の侍トークンで時間を稼いでくれ、ミッドレンジ系にも同様に盤面を構築してくれます。
コントロールには言わずもがな瞬速による隙のなさ、一回通ればそのままフィニッシュしてしまうほどのパワーを持ちます。
ロータスといったコンボにはカウンターのバックアップを受けながら、速やかにゲームを終わらせる役割を担います。
このように、《放浪皇》が有効でないマッチアップはほぼありません。
このカードの存在で青白系コントロールの立ち位置をワンランク上げたといっても過言ではありません。それほどの一枚です。
時折弱い場面もありますが、基本的にメインボードから減ることもサイドアウトすることもないでしょう。
・《記憶の氾濫》2枚
1枚で3枚分のアドバンテージを見込めるモダン級のドローソースです。
ヨーリオン型では《海の神のお告げ》《覆いを割く者、ナーセット》などの複数のアドバンテージ源により、1枚でも十分な印象を受けました。
今回はラクドスミッドレンジを意識した2枚採用としています。トップの叩きつけ合いになりがちな展開で、表裏で2回唱えられる可能性が出てくる《記憶の氾濫》のトップは非常に強いためです。
また、《ドミナリアの英雄、テフェリー》の+1能力から自分のターンで唱える《記憶の氾濫》ほど気持ちいいものはありません。実質2マナで4枚掘りつつ2枚加えるドローソース最高!!!!!
地味に「手札を加える」なので、《覆いを割く者、ナーセット》や《黙示録、シェオルドレッド》様も目こぼししてくれます。ありがとうございます。
・《ドミナリアの英雄、テフェリー》4枚
青白系コントロールにおける最大の主役。
+1能力によるアドバンテージ獲得しつつ隙を無くす能力、-3能力の自衛能力、そして-8能力の実質的に「あなたは勝利する」と書かれている奥義。いずれも屈指の性能です。
5マナのプレインズウォーカーとしては最上級の強さを誇る一枚。五分の状況から天秤を勝利へ大きく傾けさせるカードです。
青白系コントロールからこれが抜ける事はすなわちこれより強いカードが出てくる事であり、そしてそれはMTGの終焉、あるいは禁止改訂を意味するでしょう。
+1能力との相性から、2マナカウンターの《ドビンの拒否権》を4枚積みにしている理由の一つでもあります。
同じく2マナである《消失の詩句》《取り除き》などの除去とも相性がよく、いかに+1能力を活かしてこれを守り切れるかどうかが勝利への鍵となります。
とはいえ5マナと重く、重ね引きはあまりしたくないため60枚型では3枚が主流となっています。
ヨーリオン型では4枚が60枚でいう3枚の確率になるため、私は4枚にしています。
さあ、君も一緒に……
「Keep up the pace!」
・《サメ台風》3枚
もはやサメが空を飛んでいても驚きはありません。サイバーサメなんていう存在もいるぐらいですから。
書いてあることは「X①青 瞬速 飛行 この呪文は打ち消されない。1枚ドローする。X/X」です。シンプルに強い。
独創力、コントロール系、スピリットなどには非常に効果的な一枚となっています。
ラクドスミッドレンジのメインボード等では隙を見てハードキャストしたりしますが、基本的にサイクリングとしての運用になります。
序盤では主に相打ちおよびチャンプブロック要因、4/4~になる中盤以降ではフィニッシャーと大活躍。
何度も記載していますが、除去と打消しを構えた結果、マナが無駄になりがちなコントロールで無駄なく能動的に動ける点は高評価です。
元々は4枚だったのですが、《記憶の氾濫》を1枚から2枚に増量するため、泣く泣くこちらを3枚に減らしました。本当は4枚入れたいです。
・《告別》1枚
最強のリセットボタンです。
プレインズウォーカーを巻き込まないため、《ドミナリアの英雄、テフェリー》がいる時に打てると文字通り荒地にテフェリーという相手にとって絶望的な盤面にすることができます。
劇的に刺さるのがアブザンパルヘリオン。墓地の機体や《大牙勢団の総長、脂牙》を全て追放します。最初からやり直そう、な!
ラクドスミッドレンジや緑信心に対しても有効な一枚となっています。
一方で6マナという重さから白単人間、スピリットなどには間に合わない場合もあり、一長一短といったところ。
重ね引きしたくないカードの筆頭であるため、1~2枚程度が適正でしょう。
▼サイドボード
・《神秘の論争》2枚
青定番のカウンター。
青限定ですが1マナで3マナ要求カウンターは非常に強力。
主に独創力やスピリットなどの青いデッキには全部入りますが、緑信心にも入ります。
というのも、《ビヒモスを招く者、キオーラ》が青込みの混成マナであるため、2ターン目のキオーラに対して返せる手段でもあります。
また、マストカウンターである《大いなる創造者、カーン》《茨の騎兵》《収穫祭の襲撃》はいずれも重く、3マナ要求が刺さります。
何より緑信心には不要牌となる《至高の評決》よりも追加のカウンターの方が強いからです。
・《安らかなる眠り》2枚
古より伝わる強烈な墓地対策。
主にアブザンパルヘリオンへのサイドボードです。イゼットフェニックス、ラクドスサクリファイスにも入れます。
アブザンパルヘリオンには《ウィザーブルームの命令》や《突然の衰微》がありますので、ある程度墓地が肥えたところに唱えると効果的です。
イゼットフェニックスには《呪文貫き》に気をつけながら唱えましょう。
・《墓地の侵入者》2枚
アグレッシブサイドボーディング。
基本的に構えるデッキなので、夜の4/4として運用しやすいのも強みです。1枚捨てさせる護法の存在により、こちらのカウンターがより強く使える点も素晴らしい。
また、コントロール相手には除去を抜く・減らすサイドボーディングが一般的であるため、最後までこの《墓地の侵入者》が完走することも少なくありません。
特に《神秘の論争》《軽蔑的な一撃》《否認》のいずれも刺さらないことから、イゼットフェニックスや独創力に強く出られる1枚となっており、《放浪皇》と共に速やかにゲームを終わらせる役割を担います。
個人的には3ターン目に出したいため、もう少し増やしたい気持ちもあります。イゼットフェニックスがトップメタになれば3~4枚への増量も考慮すべきでしょう。
・《霊気の疾風》1枚
赤と緑対策カード。主にラクドス系、緑信心などに入ります。
擬似的なカウンターと除去を兼ねるため、《ドミナリアの英雄、テフェリー》着地後に構えるカードとして非常に強い一枚です。
また、使用者は少ないですが《目覚めた猛火、チャンドラ》などの打ち消されない呪文に対しても対応できるのも◎。
個人的には2〜3枚取っても良さそうでしたが、枠がなく泣く泣く1枚に。サイドボード20枚にならんかな。
・《一時的封鎖》1枚
団結のドミナリアにおける新戦力であり、白い《危難の道》。主にアグロ系とサクリファイスに入れます。
なんと「各パーマネント」なため、《魔女のかまど》や宝物トークンなどもまとめて一掃できます。個人的にデカポタホと呼んでいます。
そういった意味でサクリファイスに対して刺さる一枚となっています。
さらに追放も非常に強く、《無私の霊魂》といった破壊不能付与を無視することができます。無視なだけに。
青白コントロールでは《ポータブル・ホール》で追放したパーマネントを戻してしまうため、噛み合わせが悪い部分はありました。
しかし、《ポータブル・ホール》を採用していないエスパーコントロールではその心配もないため強く使える一枚となっています。
《海の神のお告げ》も追放してしまいますが、《空を放浪するもの、ヨーリオン》でこの《一時的封鎖》をブリンクしてしまえばドローの恩恵は受けつつ、後から出てきた2マナ以下のパーマネントを再度対処することが可能です。
ただ、いい事ばかりではなく、置物であるため人間の《スカイクレイブの亡霊》やスピリットの《厚かましい借り手》などで対処されてしまい悲惨なことになってしまう事も。過信は禁物です。
・《シュタルンハイムの解放》1枚
最近の青白コントロールで流行りのサイドカード。主にラクドスミッドレンジに対する追加のフィニッシャー枠としての採用です。
予顕すればハンデスも効かず、マナを注ぎ込むことで2マナにつき1体の4/4警戒飛行天使を出すという驚きの性能を誇るため、ラクドスミッドレンジに強い作りとなっています。
予顕せずとも4/4/4警戒飛行と結構なスペックを持つため、アグロ系にも有効な一枚です。
後述する《黎明をもたらす者、ライラ》との相性は◎。5/5警戒飛行絆魂の天使たちで殴ったら人は死ぬ。
・《大天使アヴァシン》1枚
5/4/4とやや頼りないスペックですが、隙を見せない瞬速・飛行・警戒のキーワード能力が優秀です。着地したターンに限り破壊不能を付与するのもポイント。
ラクドスミッドレンジにはこの《大天使アヴァシン》をインスタントで除去できるカードがほぼ存在しないため、強く出られるのが高評価点。
ただし、《絶望招来》の裏目も存在しますので出来ればケアしていきましょう。
アグレッシブサイドボーディングとして、緑信心やアブザンパルヘリオン以外ならどのデッキにも入る便利な一枚。白いので《神秘の論争》にも刺さらないのが◎。
《サメ台風》をX=0でサイクリングすると0/0のサメが出て死亡するため、次のアップキープに変身する事ができます。覚えておきましょう。
・《黎明をもたらす者ライラ》1枚
さて、ここまで天使たちが出てきたなら……やはりこの天使ロードは欠かせませんね!
5/5/5飛行・先制攻撃・絆魂とアグロが絶望するような能力に加え、他の天使に対して+1/+1修正と絆魂をもたらすロード能力を持ちます。
《シュタルンハイムの解放》の後に《黎明をもたらす者、ライラ》を出せると5/5飛行・絆魂・警戒が並ぶことになる宇宙を味わえます。
主にアグロ系へのサイドカードですが、《パルヘリオンⅡ》から出てくる4/4の天使、《エシカの戦車》《茨橋の追跡者》なども封殺できるためアブザンパルヘリオンにも入る一枚です。ただし、《ヴェールのリリアナ》にはご用心を。
・《太陽の勇者、エルズペス》1枚
ほぼラクドスミッドレンジ専用のサイドボード。消耗戦の果てにこれをトップすると大体勝ちます。
6マナと非常に重いものの、デッキによっては《ドミナリアの英雄、テフェリー》よりも勝利に直結する性能を持ちます。
ひたすら+1能力を連打するだけで回避能力を持たないビートダウン系はどうしょうもなく、《ドビンの拒否権》などのバックアップもあれば盤石でしょう。
・《思考のひずみ》1枚
青白コントロール、イゼットフェニックス、独創力、ロータスコンボなどのスペルに依存するデッキへの必殺技です。
最近は天敵である《ナーセットの逆転》の採用が少ないことも追い風ですね。カウンターを構えている上からぶち抜いていけ。
とはいえ、サイド後はクリーチャーを入れてくる事もしばしばあるため、過信は禁物です。除去に優れたエスパーコントロールならばその対処も容易ではありますが。
・《船砕きの怪物》1枚
コントロール絶対殺すマン。
《思考のひずみ》と似たような役割を担いますが、パワー7であり3回攻撃が通ってしまえば勝てるこちらはより攻撃的なものとなっています。
青同士の対決は主に「どちらが先に《船砕きの怪物》が定着するか」になりがちですが、《消失の詩句》により先に出されても対処しやすいのがエスパーコントロールの強みですね。
さて、メインボードとサイドボードの解説はこれで終わり……というわけにはいきません。三色デッキを構築する上で最も重要な要素はなんでしょうか?
そう、マナベースです!
▼マナベース
と言っても偉そうなことを言えるようなことはしていません。
超簡単にマナベース計算できちゃう早見表を作ってみた | 【晴れる屋】記事|MTGに関する読み物を毎日更新 (hareruyamtg.com)
上記の偉大なる先達の方が作られたマナベース早見表を元に、当てはまるように組み立てていっただけです。
ここで引用させていただくとともに、この場を借りて筆者の方に感謝の意を申し上げます。ありがとうございます。
まずはマストで入れる特殊土地を紹介していきましょう。
・《ヴァントレス城》1枚
中盤以降のマナフラッド受けとなる5マナ2占術。
長引けば長引くほどこの2占術が染み渡ります。《ドミナリアの英雄、テフェリー》がいれば+1能力のアンタップ効果による2回起動も可能です。
手札を消費せずに不要牌を弾けるため、青白系コントロールが長期戦で強い理由の一つとなっています。
・《アーデンベイル城》1枚
コントロールミラーでのフィニッシャー枠。
アグロ系にはやや遅いものの、お互いにトップ勝負までもつれ込んだ時に1/1のチャンプブロック要員を生み出せるのは非常に頼もしいものです。
これも《ヴァントレス城》と同じく、《ドミナリアの英雄、テフェリー》の+1能力を利用し、2回起動することも可能なので見た目以上に強い一枚です。
ちなみに《放浪皇》の+1能力での+1/+1カウンターの置き先にもなります。
・《ストーム・ジャイアントの聖堂》1枚
かつてモダンの青白コントロールで猛威を振るったミシュラランド《天界の列柱》の系譜を継ぐフィニッシャー。
起動能力こそ6マナと非常に重いものの、7/7という巨大なサイズにより「3回通れば勝ち」という能動的な勝ち手段が生まれています。
対処しようとすれば護法③が重くのしかかり、《ストーム・ジャイアントの聖堂》を意識すると常に4マナ以上を用意する必要が生じます。
存在するだけで動きを制限させうる点も含めて強力な土地となっています。
《ドミナリアの英雄、テフェリー》の奥義に依存せず、《放浪皇》と組み合わせたビートダウン戦術を取れるのも強みの一つとも言えるでしょう。
・《乱脈な気孔》1枚
個人的なベストカードです。
2/3というやや心許ないスタッツですが、3マナという軽さの起動マナ、そして何より「絆魂」の能力が白眉。
《放浪皇》の「+1/+1カウンターを乗せつつ、先制攻撃を付与」という+1能力を最大限に生かせる土地であり、ショックランドでライフを失いやすいエスパーコントロールにとって絆魂によるライフゲインはまさしく命のオアシス。
このように、確定タップインのデメリットよりもメリットの方が大きく上回るミシュラランドです。
もし、エスパーコントロールを使用している方でこれを採用していなければ是非使ってみてください。
▼マナベース構築時の思考まとめ
さて、これらの特殊土地がまず入りました。
次に「何をしたいか」を考えていきます。
a.2ターン目にアンタップインの土地を置きたい
b.2ターン目までに《致命的な一押し》《取り除き》《消失の詩句》を唱えたい
c.3ターン目《吸収》、4ターン目《放浪皇》《至高の評決》を唱えたい
前提条件としてはこんなところでしょうか。
これらの条件をクリアするために、一つ一つ分解して考えていきました。
a.2ターン目にアンタップインの土地を置きたい
《ジュワー島の撹乱》《ドビンの拒否権》、そして各種除去のためにも2ターン目にはアンタップインの土地を置きたいところです。
三色デッキとなるとチェックランドおよび参照先となる基本土地タイプを持つ土地も考慮しなければなりません。
a-1.チェックランドのアンタップイン
2ターン目にチェックランドをアンタップインで置くには、1ターン目に置く基本土地タイプを持つ土地を22枚用意すればよい計算になります。
まずは三色出る《ラフィーンの塔》4枚は確定として、後は各種ショックランド4枚。基本土地も《島》と《平地》を1枚ずつ入れたいですね。
……おや? 18枚ですね。むむ、これ以上基本土地タイプを持つ土地を入れるとなるとサイクリングランドを4枚入れるか、基本土地を増やすぐらいしかありません。
かと言って確定タップインを増やす事は極力避けたいですし、1色しか出ない基本土地も入れたくない……
ここで発想の転換です。「1ターン目にチェックランドをアンタップインし、2ターン目にアンタップインする土地を置く」というケースも込みで考えればいいのです。
2ターン目にアンタップインする土地としては下記の通り。
《島》1枚
《平地》1枚
《ストーム・ジャイアントの聖堂》1枚
3枚ですね。ショックランドや《ラフィーンの塔》については持っていれば1ターン目に置くため、割愛しています。
前者の2枚については例えば《島》と白黒チェックランドである《孤立した礼拝堂》がある場合のケースだと、先に《孤立した礼拝堂》をタップイン→《島》、というように置くため、2ターン目のアンタップイン土地としてカウントできるという考え方です。
《ストーム・ジャイアントの聖堂》は3枚以降はタップインになるものの、2ターン目の土地としては貴重なアンタップイン土地です。
これで3枚をなんとかやりくりできましたね!
ちなみに我ながら無理矢理な屁理屈だと自覚しています。尤もらしい理由を語っているだけの異常者です。
……さて、これで合計21枚になりました。残り1枚については基本土地タイプを持ち、サイクリングもできるサイクリングランドを入れましょう。
《アーデンベイル城》と《ヴァントレス城》のために《灌漑農地》を採用します。
残りはチェックランドで埋めていきます。根本的な部分は青白コントロールですから、ダブルシンボルは大半が青と白です。特に《吸収》がありますから、青が最も重要と言っても差し支えないでしょう。
よって白と青が出るチェックランドである《氷河の城砦》、そして青のチェックランドとなる《水没した地下墓地》は4枚です。残りの3枚は《孤立した礼拝堂》で埋めましょう。
一旦揃いましたね。現時点でのマナベースとしては「白23、青24+3(ジュワー島)、黒20」となっています。では次に移ります。
b.2ターン目までに《致命的な一押し》《取り除き》《消失の詩句》を唱えたい
2ターン目までに《致命的な一押し》《取り除き》《消失の詩句》を唱えたいところです。そうすると、上記の表では2ターン目にシングルシンボルを出したいならば19枚が必要になります。
つまり、黒が出る土地を19枚用意すればよい、という事になります。黒は20枚でクリアしていますね。次へ行きましょう。
c.3ターン目《吸収》、4ターン目《放浪皇》《至高の評決》を唱えたい
さて、ここが重要なポイントです。3ターン目《吸収》、4ターン目《放浪皇》《至高の評決》は唱えられるようにしておきたいところです。
3ターン目のダブルシンボルは27枚、4ターン目のダブルシンボルは24枚必要になります。「白23、青24+3(ジュワー島)、黒20」……おや、吸収分の青ダブルシンボル27枚はジュワー込みでギリギリ足りてはいますが、白が1枚足りない状態ですね。
b.で確認したとおり、黒は19枚あればよいため、黒の20枚から1枚移しましょう。
基本土地タイプの枚数は減らしたくなく、独創力や青白コントロールの《廃墟の地》のために基本土地は2枚から減らしたくありません。
そうすると消去法的に《湿った墓》か《水没した地下墓地》から《灌漑土地》に変更することになります。
個人的にはショックランド12枚は少々ライフが心配になるため、《湿った墓》を1枚差し替えます。
《灌漑土地》はタップイン土地ではありますが、3~4ターン目にアンタップインする土地の枚数的にはショックランド11枚+基本土地2枚+チェックランド11枚と余裕でクリアしていますのでこれぐらいは許容範囲です。
このような思考の果てに辿り着いたのが上記のマナベースです。白24、青24+3、黒19とかなりギリギリではありますが概ね満足いくものになりました。
実際に回してもそこまでストレスもなくプレイ出来ています。たま~~~にチェックランドしかない初期ハンドが来たりはしますが……
《さびれた浜》などのスローランドも候補の一つでしたが、2ターン目までは確定タップインになってしまう点ことが気になったこと、また私はスローランド込みの複雑な計算ができないことから今回は不採用としました。天才求む。
チェックランドを数枚スローランドにしたりと検討する余地は大いにあると思います。
▼サイドボーディング
・ラクドスミッドレンジ - 微有利
out
《致命的な一押し》2枚
《残骸の漂着》1枚
《消失の詩句》1枚
in
《霊気の疾風》1枚
《シュタルンハイムの解放》1枚
《大天使アヴァシン》1枚
《太陽の勇者、エルズペス》1枚
いずれも単なる除去ではアドバンテージを損するクリーチャーばかりなので、除去を減らしつつより太い構成にします。頼むぞ《至高の評決》。
《残骸の漂着》については《思考囲い》や《強迫》でどうせ見せられるという点で抜いています。見られている《残骸の漂着》は予想以上に弱いです。
プランとしては消耗戦の末にお互いの手札が尽きた頃に《空を放浪するもの、ヨーリオン》を着地させ、《海の神のお告げ》などをブリンクしてアドバンテージ差とスケール差での勝利を狙います。
よって《覆いを割く者、ナーセット》や《記憶の氾濫》で1枚目の《海の神のお告げ》があれば優先的に選んでよいでしょう。
土地を伸ばしたいため、手札を絞ってくる《ヴェールのリリアナ》はマストカウンターとなります。
ラクドスミッドレンジ戦で意識すべき点はテンポ。《ジュワー島の撹乱》で出鼻を挫けると勝率はよくなる印象です。
《消失の詩句》で対応できる分、青白コントロールと比べて《反逆の先導者、チャンドラ》がそこまでキツくないので、あえて通すプレイをして後ほど対処することも視野に入れるべきでしょう。
正直トップの捲り合いになる事が多いので、右手力が問われやすいです。「ハンデスにはトップデッキ」は古より伝わる言葉ですね。
まあ、こっちは無から《空を放浪するもの、ヨーリオン》を持ってくるんですけど。
・緑信心 - 有利
out
《至高の評決》3枚
in
《霊気の疾風》1枚
《神秘の論争》2枚
一回着地した《老樹林のトロール》に5回殴られて死ぬ、というのが青白コントロールにおける負け筋の一つですが、《消失の詩句》があるためその点は楽になっています。
マストカウンターである《大いなる創造者、カーン》《収穫祭の襲撃》に必ずカウンターを当て、相手が息切れした頃に《ドミナリアの英雄、テフェリー》で蓋するのが勝ち筋です。
《茨の騎兵》は《消失の詩句》があるとはいえ、《ニクスの祭殿、ニクソス》と《収穫祭の襲撃》が捲れると悲惨な事になるので可能であればカウンターしたいところです。
とはいえ《収穫祭の襲撃》にカウンターの焦点を当てつつ《消失の詩句》で処理する方が有効なパターンもありますので、ケースバイケースです。
(《茨の騎兵》に消失の詩句を当てる→返しに《ドミナリアの英雄、テフェリー》+カウンター構えなど)
厄介な《ハイドラの巣》などにも《冥途灯りの行進》や《放浪皇》の他に《致命的な一押し》《取り除き》《消失の詩句》があり、《ビヒモスを招く者、キオーラ》にも《取り除き》で処理できますので、青白コントロールより相性がよくなっている印象があります。
緑信心に対してさらにガードを上げたい場合、《粗暴な聖戦士》や《絶滅の契機》を採用するといいでしょう。
・アブザンパルヘリオン - 五分?
in
《安らかなる眠り》2枚
《黎明をもたらす者ライラ》1枚
out
《致命的な一押し》2枚
《覆いを割く者、ナーセット》1枚
青白コントロールと比べて《取り除き》があり、出てしまった機体にも《消失の詩句》で一応対応が可能なので相性はある程度改善されています。
それでも五分かどうかは対アブザンパルヘリオンの経験値が足りないのでちょっと未知数です。《ヴェールのリリアナ》も入ってくるため、その分で多分不利なのかなとは思っています。
プレイ方針としては、まず《サテュロスの道探し》には《ジュワー島の撹乱》を、《忌まわしい回収》《ウィザーブルームの命令》といった墓地肥やしに対して《ドビンの拒否権》を当てたいところです。
というのも、《大牙勢団の総長、脂牙》にカウンターを当てたところで《未練残り》でリアニされてしまいますし、その《未練残り》にもフラッシュバックがついています。
であれば前提となる「墓地に機体や《大牙勢団の総長、脂牙》がある状態」にならないように立ち回るのが最善と言えるでしょう。
ちなみに《取り除き》や《冥途灯りの行進》がある時で墓地に《パルヘリオンⅡ》しかない場合、あえて《大牙勢団の総長、脂牙》を通し、《パルヘリオンⅡ》を対象に取ったところで対応して除去し、戦場に出た《パルヘリオンⅡ》を手札に戻らせるという手もあります。
そうすることで《パルヘリオンⅡ》をルーティングしない限り、手札で腐り続けることになります。(たまに《思考囲い》対象自分! とかもあるにはありますが)
なお、どのコンボデッキにも言えることですが、最速のドブンにはどうしょうもありません。これもまたマジック。
サイドボードの《安らかなる眠り》については先述した通り、《ウィザーブルームの命令》《突然の衰微》などで対処されるため、2T目に即置くのではなくある程度墓地が肥えた時に唱えると効果的です。
《黎明をもたらす者ライラ》は《ヴェールのリリアナ》の裏目が存在するとはいえ、《暗殺者の戦利品》ではなく《突然の衰微》タイプであればほぼ対処されず、《エシカの戦車》《茨橋の追跡者》といったビートダウンプランに対応できるのが強力です。
可能であれば《サメ台風》や《放浪皇》などで布告除けのクリーチャーを出してから着地させたいところです。
《墓地の侵入者》ですが、《ヴェールのリリアナ》という裏目が存在しており、インスタントタイミングでの機体落ちに対応できません。
上記の理由から3ターン目には出せず《取り除き》《ドビンの拒否権》等のバックアップがある5マナで出したいため、あまり入れたくない寄りです。
それも承知で入れるとしたら《覆いを割く者、ナーセット》あたりを減らしそうです。
・イゼット独創力 - 有利
out
《致命的な一押し》2枚
《取り除き》1枚
《至高の評決》3枚
《残骸の漂着》1枚
《影の評決》1枚
《告別》1枚
in
《霊気の疾風》1枚
《神秘の論争》2枚
《墓地の侵入者》2枚
《大天使アヴァシン》1枚
《思考のひずみ》1枚
《船砕きの怪物》1枚
《シュタルンハイムの解放》1枚
メイン戦ではかなりの有利がつく、最も得意な相手です。
2~3枚ほど入っている《呪文貫き》にケアしつつ、《世界棘のワーム》に《消失の詩句》をぶち当てるなり、《ドミナリアの英雄、テフェリー》を定着させて《不屈の独創力》に《ドビンの拒否権》で対応するなり。
あるいは《放浪皇》を通して侍ズで切り伏せるなりして好きなように料理していってください。
しかしながら、青白コントロールに親を殺されたようなサイドをしており、3枚の《船砕きの怪物》と大量のカウンターが入ってきます。
逆に言えば《船砕きの怪物》以外の脅威は《鏡割りの寓話》ぐらいです。不要牌となる《消失の詩句》以外の除去と入れ替えてビートダウンプランを取ります。
《冥途灯りの行進》については《鏡割りの寓話》なりに当てましょう。
《墓地の侵入者》は《神秘の論争》でしかカウンターできないため、2マナになる隙があればそこを狙って通すとよいでしょう。3マナ立っていても《神秘の論争》込みで通しに行くのもアリです。
とはいえ、《勝利の炎》は入ったままなので、過信は禁物です。
・人間 - 不利
out
《ドビンの拒否権》3枚
《ドミナリアの英雄、テフェリー》3枚
《覆いを割く者、ナーセット》1枚
in
《墓地の侵入者》2枚
《一時的封鎖》1枚
《シュタルンハイムの解放》1枚
《黎明をもたらす者ライラ》1枚
《大天使アヴァシン》1枚
《太陽の勇者、エルズペス》1枚
《スレイベンの守護者、サリア》とかいうとんでもないカードの存在で基本的に不利です。とはいえ除去の質がよいため、青白コントロールよりは相性は改善されています。
プランとしてはとにかく除去。《至高の評決》《影の評決》まで辿り着き、全体除去後に《放浪皇》等で盤面を掌握すれば勝ちです。それができなければ負けです。
基本的に3マナ以下のクリーチャーで構成されており、かつ《救出専門家》による再利用を防げるため、《影の評決》が非常に強いマッチアップとなっています。
《廃墟の地》がなく、かつ全体除去を強く使いたいため《変わり谷》は出来るだけ対処します。
《精霊への挑戦》のプロテクション付与は白のクリーチャーだけですので、《粗暴な聖戦士》の裏面および《変わり谷》にはプロテクションがつかない事も覚えておきましょう。
《覆いを割く者、ナーセット》は避雷針兼除去を探し出す役割を担うため、除去がない時などの状況では出してよいです。
・青白コントロール - 微有利
out
《致命的な一押し》2枚
《至高の評決》3枚
《残骸の漂着》1枚
《影の評決》1枚
《告別》1枚
in
《神秘の論争》2枚
《墓地の侵入者》2枚
《大天使アヴァシン》1枚
《太陽の勇者、エルズペス》1枚
《思考のひずみ》1枚
《船砕きの怪物》1枚
除去が大いに腐る相手なものの、それは相手も同じこと。メイン戦ではいかに不要牌を引かないかというゲームになりやすいです。
プレインズウォーカーの対処手段に乏しい青白ミラーだと《放浪皇》が一回通ると、そのままゲームが決まってしまう事もしばしばあります。
一方でエスパーコントロール側は侍トークン1枚こそ許しはしますが《消失の詩句》で対応できるため、そういった意味でも微有利という認識です。
一方で《廃墟の地》を採用していないため、相手に《アーデンベイル城》を先に置かれてしまうとそのまま負けてしまう可能性があります。そういった意味ではこちらが攻めていく側になる点については注意。
もし先手の場合、4ターン目のエンドステップに《放浪皇》、カウンターされたら5ターン目に《ドミナリアの英雄、テフェリー》とマストカウンターを連打していく方針でいきましょう。
《ドビンの拒否権》を2枚持たれていない限りはどれかが通ります。2枚持たれていたらそれまでです。
サイド後は《墓地の侵入者》や《大天使アヴァシン》でさらに攻めていく形になり、《思考のひずみ》というクリティカルなカードも入ります。
最近の青白コントロールからは《ナーセットの逆転》も抜けていますので、劇的に刺さると思います。対戦相手の顔を歪ませていけ。
・青単スピリット - 微有利
out
《ドミナリアの英雄、テフェリー》4枚
《覆いを割く者、ナーセット》2枚
《ドビンの拒否権》2枚
in
《神秘の論争》2枚
《墓地の侵入者》2枚
《一時的封鎖》1枚
《シュタルンハイムの解放》1枚
《黎明をもたらす者ライラ》1枚
《大天使アヴァシン》1枚
数々の除去および《至高の評決》の存在により、微有利の認識です。
青白コントロールの《ポータブル・ホール》とは異なり、《致命的な一押し》がインスタントであるため、相手のレスポンスに対応して除去しやすいのが大きいです。
とはいえ《鎖慣らし》には要注意。可能であれば2マナが立っていない時に除去するなりして《鎖慣らし》をクロックとして唱えざるを得ない状況に持ち込みましょう。
サイド後は《ドミナリアの英雄、テフェリー》および《覆いを割く者、ナーセット》はまず定着しないため、全て抜きます。
相手のターンにインスタントタイミングの除去を利用し、こちらの通したいカードが通るように誘導していきます。
エンチャントがない状態で《霊廟の罠》《高尚な否定》などが打てない1マナ立ちの状況に持ち込めたら、青くない《シュタルンハイムの解放》《黎明をもたらす者ライラ》《大天使アヴァシン》を唱えてあげましょう。
《とんずら》には要注意!
・バントスピリット - 不利
out
《ドミナリアの英雄、テフェリー》4枚
《ドビンの拒否権》2枚
in
《神秘の論争》2枚
《一時的封鎖》1枚
《シュタルンハイムの解放》1枚
《黎明をもたらす者ライラ》1枚
《大天使アヴァシン》1枚
対クリーチャー戦で最も信頼おける《至高の評決》ですが、このマッチアップに限っては《呪文捕らえ》《無私の霊魂》という裏目が存在します。
青単スピリットと同じく、《鎖慣らし》を意識しながら丁寧に除去していく形になるでしょう。青単スピリットと比べてクリーチャーを守る手段に乏しいため、1-1交換はしやすい部類だと思います。
あえて相手のターンエンドに除去を打つことで《鎖慣らし》を誘い込み、立っている土地が2枚以下になったところに《至高の評決》を通すなどのプレイも必要になります。
《取り除き》および《冥途灯りの行進》については、他に選択肢があるのであれば出来る限り《呪文捕らえ》《天穹の鷲》のために温存したいところです。《消失の詩句》《致命的な一押し》で対処できませんからね。
こちらのターンエンドに《集合した中隊》が通されるとほぼ負けうるので、極力カウンターは構え続けたいところです。
打ち消されず、《スカイクレイブの亡霊》で追放できない《サメ台風》が強いマッチアップでもあります。大事に強く扱っていきましょう。
サイド後は青単スピリットと同じような形で天使たちが通ればぐっと勝ちに近づきます。
・ラクドスサクリファイス - 不利
out
《消失の詩句》4枚
《残骸の漂着》1枚
《ドビンの拒否権》3枚
《吸収》2枚
in
《安らかなる眠り》2枚
《霊気の疾風》1枚
《墓地の侵入者》2枚
《一時的封鎖》1枚
《シュタルンハイムの解放》1枚
《黎明をもたらす者ライラ》1枚
《大天使アヴァシン》1枚
《消失の詩句》が弱いマッチアップです。
単色クリーチャーはどうせサクられるし、《税血の収穫者》《波乱の悪魔》には刺さらないし、《敵対するもの、オブ・ニクシリス》にも無力です。
全体的に軽く、カウンターによる1-1交換もあまり効果的でないマッチアップのため《ドビンの拒否権》《吸収》を減らします。
除去やコントロール奪取を抜いてくるサイド後はブチギレミッドレンジプランにシフトします。
それでも速い段階からじわじわとライフを詰められるため、間に合うかも怪しいです。
・ジャンドサクリファイス - 微有利
out
《消失の詩句》4枚
《ドビンの拒否権》1枚
in
《安らかなる眠り》2枚
《霊気の疾風》1枚
《一時的封鎖》1枚
《大天使アヴァシン》1枚
不利であったラクドスサクリファイスとは打って変わって、こちらは大振りな《フェイに呪われた王、コルヴォルド》に依存していることからライフを詰める速度はそこまでありません。
ジャンドサクリファイスの中にもいくつか種類があり、単純にラクドスサクリファイスに《フェイに呪われた王、コルヴォルド》をタッチしているタイプ。
あるいは《金のガチョウ》《パンくずの道標》まで入れてアドバンテージ獲得に偏らせたタイプなのかによって対応が変わってきます。
前者であれば抜きますが、後者であれば《消失の詩句》はある程度残すとよいでしょう。
《吸収》《霊気の疾風》は主に《フェイに呪われた王、コルヴォルド》に対して当てます。これ以外は可能な限り他のカードで対処しましょう。
《覆いを割く者、ナーセット》が強いマッチアップです。
このナーセットがいると大体唱えてこないとは思いますが、万が一《フェイに呪われた王、コルヴォルド》を唱えてきたら通してから《至高の評決》や《放浪皇》などで対処するルートもあります。
なので極力守ってあげましょう。
■終わりに
こんな感じでしょうか。振り返りや自分自身の言語化も兼ねて、思いついたことをつらつらと書き連ねていたら3万字まで行ってしまいました。
ここまで読んでいただいた辛抱強い方にお礼を申し上げます。ありがとうございました。
また、エリア予選を抜けられたのも横浜が誇る調整グループPower House Clubの方々のおかげでもあります。切磋琢磨でき、モチベーションの源となっていました。重ねてお礼を申し上げます。今後ともよろしくお願いいたします。
ちなみに2022/9/23現在、私の記憶が間違っていなければエリア予選への切符を手に入れた13人のうち、私含めて8人がエリア予選を突破しています。
この突破率は他の調整グループでもなかなかない数字ではないでしょうか。改めて権利を取られた方、おめでとうございます!
以上です。
次は名古屋でお会いしましょう!
了