【マスターデュエル 2024.07】ジャックナイツを救いたい~令和構築迷走記
1.はじめに
こんにちは、なごにゃんです。
本記事は、私がOCG史上最も好きなテーマである【ジャックナイツ】を、2024年現在のマスターデュエル向けに組み直してみた試行錯誤の記録です。タイトル通り迷走気味なのは否めず、「ランクマッチにオススメ!」と喧伝はできないのですが、このテーマに興味を持たれている方の参考になれば幸いです。
ジャックナイツは、その動きの特異性と高い拡張性からポツポツと愛好家を生み出し、時には競技シーンに顔を出すこともあった往年の名テーマです。
様々な混ぜものを試してみたくなる魅力があり、中には《紫宵》《蒼穹》を何セットも揃えて【ジャックナイツ〇〇】ばかり擦っている変人もいました。筆者のことです。
しかし、2024年現在は風向きが悪く、上位互換に近いテーマの登場もあってほぼ姿を消しています。少なくとも、漫然と相性のいいデッキに出張して戦えるような時代ではないと言えます。このテーマを今使うのなら、「ジャックナイツにしかできないことは何か?」を熟慮し、差別化を強烈に意識した構築にする必要があると考えます。
本記事では、「ジャックナイツの(かつての)魅力は何だったのか」「現在のジャックナイツの問題点は何か」「2024年現在ジャックナイツを活かすにはどうすればいいのか」の3つの視点から本テーマを紹介し、ひとつの構築案を示そうと思います。
2.【ジャックナイツ】の(かつての)魅力
ジャックナイツと言えば ”列” ギミックが印象的で、これを試すために組んでみた人も多いと思います。”列” そのものも魅力のひとつではありますが、本質的な強みとしては「後続つきの高打点モンスターを召喚権なしで展開できるギミック」と言い換えた方がいいでしょう。以下、もう少し掘り下げて解説します。
2-1.《紫宵の機界騎士》の存在
このテーマを代表する名カードです。
「召喚権を使わない2500打点」「フリーチェーンで逃げて生き残る」「ついでに後続サーチ」という強いテキストの集合体で、疑いようのないパワーカードです。
ひとたび着地すれば易々倒されることはなく、生き残ったターン数分だけアドバンテージを稼ぐため、長いゲームレンジにおいて無類の強さを発揮します。低い要求値でこのカードを盤面に定着させることができ、自然とリソースゲームに強くなるのは大きな魅力と言えるでしょう。
余談ですが、私はこの手の「安全圏に逃げて次のターンに帰ってくる」ギミックが大好きです。遊戯王の《ヴェルズ・サンダーバード》《ゼンマイラビット》はもちろん、他のTCG(DCG)なら《幽霊議員オブゼダート》《閃光のエルフ・アルバータ》《永遠の蜃気楼 ペリドット》あたりはテキストを見ているだけでよだれが出ます。伝わるのかこれ?
2-2.「後手からロングゲーム」という類を見ないゲームレンジ
構築にもよりますが、ジャックナイツは「後攻を取るが積極的なキルは仕掛けず、堅実なコントロールを好む」という非常に独特なゲーム観を持っています。この捉えどころのなさがジャックナイツ最大の魅力かもしれません。
もう少しわかりやすく解説します。
”列” ギミックの存在から、ジャックナイツは後攻テーマに分類されることが多いです。実際、多くのジャックナイツは後攻を選択し、相手のカードで ”列” を満たして動き出します。ところがそのまま1キルに向かうことはあまりなく、盤面を捲った後は《星遺物に眠る深層》のような緩い妨害を敷いてターンを返すことが多いです。
これは手を抜いているわけではなく、「ジャックナイツがそういうテーマだから」です。エースである《紫宵》の性能がもっとも象徴的ですが、「後手の方が動きやすいわりにロングゲーム向けの性能をしている」ゆえに、採択されるゲームプランもそれに倣ったものになるのです。
「最近の遊戯王は "対話" をしない」と揶揄されることがあります。正直、 ”対話” の定義が曖昧なので不毛な話題だと思っており、好きな言葉ではありませんが、あえて使わせてもらいます。ジャックナイツは近現代遊戯王では珍しく "対話" をするデッキです。
2-3.少数精鋭である=構築の幅が広い
多くの場合、ジャックナイツと言えば《紫宵の機界騎士》《蒼穹の機界騎士》の2体を指し、そこに《紺碧の機界騎士》《宵星の騎士ギルス》と少数の星遺物カード、《トリオンの蟲惑魔》のような列を作るギミックを組み合わせたものがデッキとしての【ジャックナイツ】になります。
他ギミックの採用が前提となっていることからもわかるように、ジャックナイツは極端な少数精鋭です。自由枠も多く確保することができますし、組み合わせるギミックも自力で ”列” さえ作れればよいので様々な可能性があります。ちなみに私のイチオシは《召喚師アレイスター》で、【ジャックナイツ召喚獣】は私が2018年~2022年にかけて擦り続けた相棒デッキです。(※あろうことかリスト紛失)
3.現在の【ジャックナイツ】の問題点
悲しいことに問題点が山盛りです。
3-1.「クシャトリラでよくね」問題
クシャトリラの情報が公開された日のことは忘れもしません。ため息とともに漏れた感想は「ジャックナイツ終わった」でした。
「後続つきの高打点モンスターを召喚権なしで展開できる」というメリットはそのままに、”列” の形成が不要になり単体で機能するようになってしまいました。これにより、無理に後手を取ったり他のギミックと組み合わせる必要がなくなり、取り回しが格段に良くなっています。
そのうえで《フェンリル》《ユニコーン》ともに相手のカードに干渉する効果を備えており、後手の強さも明らかにこちらのほうが上で、コンセプトレベルで上位互換と言って差し支えありません。
参照されることのない種族までかぶっており、仮に「高レベルサイキック族」であることが活かせるようになっても「劣化クシャ」の誹りを免れない状況です。
OCGでは規制により実質消滅しており、マスターデュエルでも無傷ではないのがせめてもの救いです。
ただ、《フェンリル》+《ユニコーン》+《バース》を今の枚数使える間は、その枠を《紫宵》《蒼穹》が担うことはないでしょう。現に、簡単に ”列” を作れる【スネークアイ】に、クシャトリラが出張することはあってもジャックナイツが入ることはありませんでした。
3-2.「ホルスでよくね」問題
クシャトリラとの差別化を図るために、《紫宵》のレベルを活かしてランク8プランを採るか……と考えていた矢先のこと。生き残ることが仕事の《紫宵》をハナから素材にしようとしている時点で何かおかしいのですが、もっとシンプルな事実に気づいてしまいます。これ、ホルスでよくね?
もちろん、乱暴な理屈なのは理解していて、《灰流うらら》受けが全く違うとか墓地メタに引っかからないとか差別化点は色々あります。しかし、「後続つきの高打点モンスターを召喚権なしで展開できる」という方向性は同じで、カードパワーは比べるまでもなく最新テーマのホルスが圧倒しています。《紫宵》がぴょんぴょんしている間にホルスはゲームを終わらせます。
この気づきは私を絶望させるものでした。いま環境デッキに採用されているホルスをジャックナイツにしても弱そうですが、いま自分のデッキに採用しているジャックナイツはホルスにした方が強そうなのです。正直、この事実への回答は、「気づかなかったことにする」しかありませんでした……。
3-3.少数精鋭である=純構築が難しい
上記の「クシャトリラでよくね」「ホルスでよくね」は、あくまで出張ギミックとして見た時にそれらのテーマに劣るというだけです。「ジャックナイツ名称をもっと活かせるように比率を濃くして、純構築にすれば解決なのでは……?」とは考えたのですが、そう簡単にはいきません。少数精鋭と言えば聞こえはいいですが、使えるカードが少なすぎて純構築がかなり難しいのです。
3枚投入に値するカードは《紫宵》《蒼穹》《ギルス》《機憶》くらいで、後は《紺碧》《深層》が各1枚ずつ、考え方によって《紅蓮》《黄華》《鍵》辺りが入るかどうかと言ったところです。これらを全部積んでも数が足りないのはもちろん、自発的に ”列” を形成してくれるカードが《ギルス》くらいしかないので、どうしても何らかのギミックと組み合わせる必要があります。すると、そのギミックはクシャやホルスと組んだ方が強いのでジャックナイツが抜ける……となりがちです。
少数精鋭で強いテーマが増えすぎた現代、むしろ求められるのは純構築でも戦える芯の太さなのかもしれません。かつては《紫宵》《蒼穹》だけで派遣できるフットワークの軽さが魅力だったのですが、その用途の競合が増えすぎた結果、自社ならではの強みが少ないことが浮き彫りになった感があります。世知辛い。
3-4.「後手からロングゲーム」とか言ってる場合ではない
悲しいことに、今のジャックナイツが後攻を取るのは自殺行為です。
なぜなら、「後手からロングゲーム」という牧歌的なプランが絶望的に環境に合っていないからです。後手を取るならそのターン中に勝たなくてはいけません。
これは単純なインフレのせいではなく、トレンドの問題とも言えます。
実際、2020年〜2021年(OCG)あたりは、「後手からロングゲーム」が通じる環境でした。当時の環境デッキは盤面こそ苛烈でしたが今ほどの貫通力はなく、何より今ほどリソースに長けたテーマもなかったので、「手札誘発で適当に展開を弱めて、後手からこちらのペースに持ち込む」というプランが肯定され得ました。感覚的な表現で恐縮ですが、”細い展開の先に強烈な盤面を作るテーマ” が多かった印象で、そのような環境ではジャックナイツが輝くことができました。
打って変わって現代のトレンドは、「妨害よりリソースと手数」です。
言うなれば ”盤面が無難な代わりに展開が太いテーマ” が増えすぎました。
【スネークアイ】はじめ炎属性テーマが代表的ですが、どれも盤面はそこまで苛烈でない代わりに、圧倒的な手数とリソースにより後手の追随を許さないものばかりです。どこに誘発を当てても何かしらの妨害は残り、リソースを大量に蓄えてきます。
そんなデッキに「後手からロングゲーム」なんておままごとは通じません。《紫宵》が1アド稼ぐ向かいで《蛇眼の炎龍》が宇宙を想像しています。後手デッキは全てをかなぐり捨てて、アドバンテージ差を無視して8000のライフを無理やりもぎ取りに行くしかないのですが、ジャックナイツはそれに向いていません。無理やりそのプランを採ったが最後、《紫宵》はただの特殊召喚できるレベル8モンスターになり、「ホルスでよくね?」の足音が近づいてきます。
4.構築迷走記
では、2024年現在に【ジャックナイツ】を活かすにはどうすればいいのでしょうか? ひとつの回答として、こんな構築を作ってみました。
……さんざん「純構築は難しい」と言った割に、だいぶ純構築に近い、公式のサンプルデッキのような並びです。匙を投げてこうなったわけではなく、紆余曲折ありました。ここに至るまでの迷走試行錯誤の記録を残すので、どうかこれを読んだ方が同じ轍を踏まないことを祈ります。
4-1.先行を取ることにする
まず、早々に後攻プランは諦めます。
理由は先述した通りですので割愛します。
「ジャックナイツが先行を取るなんて、アイデンティティが死ぬのでは?」と思われそうですが、そんなことはありません。元々「後攻の方が動きやすい」というだけで、完全な後攻テーマではなく、”列” の形成は自分のカードだけでも行えます。1枚初動である《ギルス》を除けば、基本的に ”列” を作るカード+ジャックナイツの2枚初動になってしまいそうな点は気になりますが、要求値はそれほど高くないので割り切ります。
また、あくまで「自ら後攻を選択しない」というだけで、コイントスに負けて後攻になった場合にも一定の後攻適性で抗える、と前向きに捉えることができます。メインギミックで後手を拾える可能性がある分、他のTier外デッキよりは後攻勝率を維持しやすいのではないでしょうか。本当に?
4-2.《紺碧》+《深層》を軸にする
「先行取って何すんの」問題ですが、《紺碧》+《深層》のコンボを目指すことにします。
相手モンスターの効果の発動にチェーンして《深層》を発動し、同じ縦列に《紺碧》を蘇生することでその効果を無効にできます。さらに、《紺碧》はフリーチェーンでゾーン移動できるため、別のモンスターの効果も1回だけ無効にできます。要は、墓地に《紺碧》が存在する状態の《深層》が質の高い2妨害になるというわけです。
初見殺し……というにはリンクスのせいで有名になりすぎたコンボですが、これは「ジャックナイツにしかできないことは何か?」の回答となり得るアイデンティティです。単純に強力であることはもちろん、「メインモンスターゾーンにジャックナイツ以外のモンスターがいると抜け穴が生まれる」性質上、逆説的に純構築に寄せる動機にもなり得ます。
墓地に特定のモンスターを置きつつ特定の罠をサーチする必要があるため要求値が高そうですが、《ギルス》1枚初動で以下のように実現可能です。
《ギルス》を召喚し、《星鎧》を墓地に送る。
《ギルス》の効果で星遺物トークンを特殊召喚。(※相手のトークンは必ずEXモンスターゾーンの正面に置く)
《ギルス》+星遺物トークンで《リイヴ》をリンク召喚。(※必ず相手の星遺物トークンの正面に置く)
《リイヴ》の効果で《継ぐもの》をセット。
《継ぐもの》で《星鎧》を蘇生し、《星鎧》の効果で《機憶》をサーチ。
《機憶》を発動、《紫宵》をリクルート。(※以降ジャックナイツしか特殊召喚できなくなる)
《紫宵》を除外して《蒼穹》をサーチ。
《蒼穹》を《リイヴ》・星遺物トークンの列に特殊召喚し、《紺碧》をサーチ。
《蒼穹》+《星鎧》で《明星》をリンク召喚、《紺碧》を捨てて《深層》をサーチ。
《リイヴ》+《明星》で《アストラム》をリンク召喚。(※任意:リイヴの効果で星遺物トークンを除去)
《深層》をセットしてターンエンド。
……棒立ち《アストラム》はオマケ、なんなら《明星》+《リイヴ》のままでもいいとして、《紺碧》+《深層》がちゃんと揃いつつ、次のターンには《紫宵》が帰ってくる理想的な動き出しです。
やや癖のある2妨害なので心許ないですが、これに加えて自由枠に手札誘発を一定数詰め込む構築が実現できれば、ミッドレンジの初手盤面として及第点と言えるでしょう。
問題は《ギルス》が3枚しか積めない点です。
《スモール・ワールド》プランも考えましたが、《ギルス》は《斬機サーキュラー》ではないので、損してまで触る動きがそもそも強くありません。《ギルス》に妨害を当てられた時のケアも厳しく、どちらかと言えば《ギルス》抜きでも動ける2枚初動のパターンを充実させる方が理にかなっている、と感じました。
4-3.《蒼穹》を先行で使う方法を考える
《ギルス》を使わず、《紺碧》+《深層》を2枚初動で成立させるのは工夫が要ります。要は「《明星》で《紺碧》を捨てる」状況さえ作れればいいのですが、それを逆算すると「盤面に適当なモンスター1体+ジャックナイツ1体&手札に《紺碧》」を求められていて、《蒼穹》の効果を通すのがほぼ必須であることがわかります。《蒼穹》の効果は "相手のカードを含む列" がないと使えず、原則先行では使えないようにデザインされているのが悩みの種です。
逆に言えば、"相手のカードを含む列"を作るカードと組み合わせて《蒼穹》を先行で使えるようにすれば、このハードルは突破できそうです。先述した《ギルス》ルートでも、星遺物トークンの送りつけによりこれを実現していました。
"相手のカードを含む列"を作るカード(※明星のリンク素材にしたいので、モンスターを供給できることが必須)+《蒼穹》(《紫宵》《機憶》)の2枚初動というアプローチから、適切なカードを探しに行く旅が始まりました。ここから長い迷走が始まります。
4-4.《ヴォルカニック・トルーパー》の検討
最初に候補に挙がったのが《ヴォルカニック・トルーパー》です。
適当なヴォルカニックカードをサーチ→それを捨ててボムトークンを生成、このカードを《アルミラージ》に変換することで、”相手のカードを含む列” を容易く生成することができます。おそらく最もシンプルな解決策で、《篝火》によるかさ増しもできるのが便利です。
問題は、トルーパーにURポイントを割きたくないこと ”相手のカードを含む列”を作る以外の役割があまりになさすぎることです。後手や2枚目以降の仕事が一切ないカードに、本体+サーチ先のヴォルカニックカード(+《篝火》)というかなりの枠を割いてやる必要があります。ただでさえ型落ち気味のテーマにそれだけの余裕はなく、デッキパワーがガタ落ちになることが明らかだったため見送りになりました。
4-5.《ガイストーチ・ゴーレム》の検討
続いて候補に挙がったのが《ガイストーチ・ゴーレム》です。
見るからに弱そうですが、《ナイトメア・スローン》1枚初動で相手フィールドに特殊召喚するルートがあり、《ナイトメア・ペイン》を含めて ”相手のカードを含む列” を作ることができます。
《ナイトメア・スローン》を発動し、《サクリファイス・D・ロータス》をサーチ。
《ロータス》を召喚、リリースして《スピリット・オブ・ユベル》をリクルート。
《スピリット》の効果で《ナイトメア・ペイン》をセット。(EXモンスターゾーンの正面)
《スピリット》+《ロータス》で《ファントム・オブ・ユベル》を融合召喚。
《ペイン》を発動、《ファントム》を破壊して《ガイストーチ》をサーチ。
《スローン》の効果により、レベル9の《ファントム》が破壊されたのでレベル10の《スピリット》をサーチ。
《ガイストーチ》の効果、自身を相手のEXモンスターゾーンの正面に特殊召喚、《スピリット》を自分フィールドに特殊召喚。(この《スピリット》を《明星》のリンク素材にできる)
この出張が《トルーパー》より明確に優れているのは、《ギルス》と重ね引きしたり後手で引いたりした《スローン》にも役割がある点です。単純に誘発ケアの《ファントム》を先置きするギミックとしても使うことができ、デッキパワーの向上に寄与します。
……問題はいろいろあり、まず引きたくないカードが多すぎます。
《ガイストーチ》《スピリット》《ロータス》《ペイン》に任意ながら《ユベル》と、3枚の《スローン》を使うためだけにつごう4枚(5枚)のゴミを要求されます。明らかに釣り合いが取れていません。
そしてユベル一式を生成して試用し始めてから気づいたのですが、相手に渡した《ガイストーチ・ゴーレム》がデカすぎて倒すのにめっちゃ苦労します。バカか?また身も蓋もない話、本来1枚初動でいろいろできるはずの《スローン》をしょっぱい2枚初動に使っている本末転倒感もすさまじく、あえなく不採用となりました。せっかく出した《ファントム》を破壊するあたりの虚無感もすごいです。そのままの方が絶対強い。
4-6.《夢幻崩界イヴリース》への回帰
最後に検討したのが《イヴリース》です。
なんでこんな最初に思いつきそうなやつ避けてたの? と聞かれると、いかにもデザイナーズっぽいから下手の横好きで無視していただけです。
当然と言えば当然ですが、使ってみたらいちばん強かったです。
《イヴリース》が《トルーパー》や《ガイストーチ》と明確に異なる点は以下です。
このカード単体で完結しており、余計なカードを入れる必要がない。
《イヴリース》自身に妨害効果があり、相手のデッキタイプによってはこれを送り付けるだけでイージーウィンが狙えることがある。
2枚目以降の《イヴリース》が手数としても優秀で、横マーカー持ちの《リイヴ》を釣り上げて《ユニコーン》を作るのが
絵面的にも強い。
どう考えてもこれでいいです。
誰ですか、変なカード試して時間無駄にした人は???
でも、《イヴリース》も3枚しか採用できないしな〜。
悪魔族なら《スローン》でサーチできたし最強だったのにな〜。
《マイニング》積むくらいなら《スモワ》で《ギルス》サーチするプラン採ったほうがまだマシだよな~。《イヴリース》を損失なくサーチできるカードがあればな〜。
ありました。
もうほんとにこれでいいじゃん。
4-7.構築についての特筆点
こうして冒頭の構築が完成しました。
構築意図については上でさんざん紹介しているので多くは語りませんが、解説を加えた方がよさそうなものはこの項に追記します。
《星遺物-『星鎧』》1枚
《ギルス》1枚初動のために採用している手です。
よくゴミ扱いされますがそんなこともありません。手札に来たら躊躇なく《明星》のコストにすればいいのです。《ガイストーチ》とか変なの試しすぎたせいで感覚がマヒしてるかもしれませんが……。
《紅蓮の機界騎士》1枚
《明星》を強く使うためにもある程度テーマ比率を濃くしたく、もう1種くらい追加のジャックナイツが欲しいな~と感じて白羽の矢が立ったカードです。《黄華》とは選択です。いずれにしても効果が活きることはそれほどなく、水増しと割り切ったほうがいいです。
《オルフェゴール・ガラテア》1枚
《宵星の機神ディンギルス》1枚
《No.84 ペイン・ゲイナー》1枚
《No.77 ザ・セブン・シンズ》1枚
このデッキ随一のオシャレポイントです。
《ギルス》+適当なモンスターで《ガラテア》を作ることができ、それに《ディンギルス》を重ねることで1除去捻出できます。さらに、エクストラには比較的余裕があるので、蜘蛛さんナンバーズ達を採用することで素材をかさ増しして4素材《アーゼウス》に繋ぐことが可能です。
実際には《アーゼウス》まで狙うことは稀ですが、《ディンギルス》は返しの攻め手として頻出の選択肢なので覚えておきましょう。ふつうに《紫宵》+《紺碧》とかで出すこともあります。
《星鍵士リイヴ》2枚
めちゃくちゃ強いです。《明星》の上位互換と言ってもいい性能をしています。
ただし、墓地に《星遺物》がなければ召喚できない縛りが絶妙です。ゲーム進行において自然と満たされる条件ではあるので、ロングゲームを見据えて2枚採用としていますが、これを1枚初動で上手くクリアできるのが《ギルス》くらいなのが玉に瑕です。これが1枚初動でサクサク出せるようになればジャックナイツは変わると思います。
5.おわりに
いかがでしたでしょうか?
結局強いのか? と聞かれると微妙なところですが、ライバルの影がちらつくことはなくなったのではないかと思います。
……正直、差別化のために変なことをさせている自覚はあり、さながらエンテイやバシャーモの劣化にならないように「ねがいごと+あくび」とかやらされているブースターのようだとは思います。いっそ、何かの劣化になることを承知で【スネークアイ】にでも混ざっていた方が幸せなのでは? という考えもちらつきますが、気づかなかったことにしましょう。
光るものはあり、1~2枚適切な強化をもらうだけでも復権できそうなテーマなので、そのうち星遺物強化が来るならちょろっとおこぼれをもらえないかと期待をしています。贅沢は言わないので、ジャックナイツをサーチできる星遺物名称の天キだけでもください。
ご高覧ありがとうございました!🌟