色彩と記憶のタグづけ
いつからだろう。僕は、点字を形と色のセットで覚えていました。
自分でもなぜそうしたのかは覚えてないが、おそらく保育園の時に自宅の風呂の壁に貼ってあった数字ブロックに影響されたのだと思う。それは、10枚のブロック型の平たい柔らかい素材で、1枚1枚には1~10の数字がそれぞれはめ込まれていたんです。そして、数字ごとに1は青、2はオレンジというように色付けがされていた。はっきりした色だったら見える僕は、いつのまにか点字を覚える時にも色をセットにしていたみたい!
この色付け作業、普段点字で読み書きをする時には、使わない。本領を発揮するのは、文字列を覚える時。点字って、紙を機械に挟んでポツポツと点を打っていくため、即座にメモをするのには適してないんです。そのため、幼い頃から言われたことは暗記して、後でメモを作ることが多く、しっかりと記憶するっていうのはけっこう重要でした。それで、文字列を覚えるわけですが、点字って縦3行、横2列の6個の点からできていて、まあ記号としては記憶しやすいのですが、何せ形が単調なため、後で思い出す時に形をちゃんと思い出せなくなるんです。同じようなものが並んでると、順番とか思い出すの難しいじゃないですか。そんな感じ。でも色付けをすると、頭の中で1文字1文字がしっかりと存在感を出してくれるんです。今回付けた写真は、僕の頭の中をアウトプットするために、エクセルで作ってみたんですけど、こんな感じで名前だったり電話番号だったり英語のスペルを覚えています。ただ写真を見てもらうとわかるように、僕ははっきりした色しかわからないから、イメージできる色のレパートリーが少ないんです。だから、けっこう文字によって重複してる色とかもあるんですけど、色付けするだけで、ぐっと記憶しやすくなるんです。小学生の時にこれを習得したのって、やっぱり生きる知恵ですかねえ(笑)。
けっこう視覚障害と色って相性悪い気がするんですけど、僕にとって暗記に関してはほんといい組み合わせなんですよね。
最近では、パソコンやスマホの読み上げ機能を使って感じ仮名交じり文を入力していますが、やっぱり点字に触れると落ち着くし、記憶する時とかも頭の中では常に点字なんですよね。点字の色付け術、これからもバンバン活用していきますよ!!