シンセでピポパ音を作る
ピポパ音はDTMF
プッシュボタン電話機のダイヤル音ですが、正式にはDTMF(Dual Tone Multi Frequency)と言います。その中身は2つの正弦波の組み合わせです。ならばシンセで合成簡単なはず。
Wikiを見るとその周波数が載っていますが、鍵盤楽器で使われている平均律の周波数とは異なっていて、もしシンセで合成するのであれば、高群用/低群用に別々にシンセを起動し、ピッチベンド等を使って微妙に合わせる必要がありとちょっと面倒そう。
そんなの面倒なので、正確なDTMF音が必要ならば、シグナルジェネレータで該当の周波数音をサンプルして組み合わせる、DTMFジェネレータで作った音をサンプルするなどした方が良いです。ループとらなければ手間はそれほどでもないし。
ピポパ音に聞こえればいい
しかしながら、シンセで作成した音を電話機に流し電話をかける人など皆無でしょう、正確な周波数は今回の目的では必要ない。それよりシンセでピポパ音が出るという意外性の方が面白い。ライブでリアルタイム演奏できたり(一発芸かw)、効果音や楽曲の一部として使いやすくなります。
どの音の周波数が近いか、先程の平均律の変換表で調べてもいいのですが、私の使っている Logic Pro にはインストゥルメントに「Test Oscillator」というシグナルジェネレータがあり、周波数を設定して音を出す普通の使い方はもちろんできるのですが、ピアノロールをクリックするとその鍵盤の音の高さに変わり、周波数が表示されます。打ち込んだ音にも反応します。が、音が出っ放しなので打込みにも演奏にも使えない。もう何に使うかわからない※というか、そこ繋ぐ必要ないだろと思いますが、便利に使わせていただき、一番低い音はF5(中央C4設定)が698.46Hz で近いことがわかりました。
※平均律でないチューニングを設定した時の確認用に使えますか。。。
この音程を基準に、123456789と押した時の ド-レ-ミ と上がる感じを出したかったので、以下の割り当てにしてみました。
表の見方ですが、ダイヤル1の音を出したい場合は、F5とEb6を同時に弾きます。なお、わかりやすい様にダイヤルの番号を書いてありますが、平均律の周波数と、DTMFの周波数には大幅な差があるので、DTMF信号としては使えない=これで電話はかけられません。
Studio One で正弦波
これを正弦波を出力する様に設定したシンセで鳴らせばいいのですが、普通にシンセを使っても面白くないので、Studio One Prime で試してみます。
このグレードの Studio One は、外部プラグインを何も追加できないのでお試し程度でしか使えないのですが、Sound Font というサンプルファイルを読み込めるスペシャルな機能があることを最近知ったので、これを使います。
以下に正弦波(サイン波)の Sound Font があるのでダウンロードします。
https://github.com/datascopeanalytics/honk/blob/master/Sine%20Wave.sf2
中程右側の「Download raw file」という表示が出るアイコンをクリックです。
ダウンロードした Sine Wave.sf2 ファイルを、 Studio One の 何もトラックが無い部分にドラッグ&ドロップすると、PRESENCEに読み込まれます。
エンベローブ(Amp Env)のアタック及びリリースを、プチプチ言うくらい最速とした方がそれらしく聞こえるので、設定します。
せっかくなので、受話器を上げた時に聞こえる ダイアルトーン(DT)、呼び出し中のリングバックトーン(RBT)、話し中のビジートーン(BT)も作りましょう。すべて正弦波400Hzから作れます、平均律で400Hzに近いのは G4(392Hz)です。
音の出し方ですが、DTは鳴らすだけです。BTは、0.5秒鳴らして0.5秒休み。
RBTは特殊で、正弦波400Hzを16Hzの正弦波でAM変調した音を、1秒鳴らして2秒休むを繰り返します。
※DAWの場合は例えばテンポを 120 にすれば、1拍あたり 0.5 秒になるので打ち込みが楽です。
AM変調とは、楽器用語に翻訳すると、音量が大小するトレモロです。DT/BTと切り替えて使いたいので、モジュレーションホイールを上げると、16Hzに設定したLFOからAmp Level に変調がかかる様に設定します。以下の様になりました。
こんな感じの音になります。なお Studio One は中央C=C3なので、全体で1オクターブ下がります、例えば400HzはG3が近い周波数になります。