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夜空に光るVSTの輝きは intime 碧 Midnight ballanced 2.5
「intime(アンティーム)」というブランドの「碧(SORA)」というイヤホンはご存知でしょうか。群馬県高崎市に居を構える圧電素子の技術を持つo2aid(オーツェイド)社が立ち上げたイヤホンブランド「intime」の最初の製品が「碧」なのです。
碧はVSTというセラミックを使用したツイーターとダイナミックドライバーを組み合わせたハイブリッドのイヤホンです。約5000円という値段で登場しましたが、その音の良さから瞬く間に人気イヤホンとして広まったのです。
今では碧の軽量モデルの「碧 Light」、低域重視の「轟(GOU)」、ボーカル重視の「煌(KIRA)」という4モデルを展開しています。
自分はオリジナルの碧は持っていないのですが、とても気になっているイヤホンでした。
そんなある日、30台限定の手作りまかないイヤホン、Made in Takasaki スペシャル「intime 碧 Midnight ballanced2.5」の販売がTwitter上に流れてきたので、買えるかな?と思ったら買えたので買ってしまったのです。
聴いてみる
試聴環境は次の通りです。
プレイヤー:iBasso Audio DX120
イコライザー:オフ
デジタルフィルター:シャープ
サウンド・モード:リファレンス
音の傾向
音のバランス
低域 ・・・●・高域
中高域は明るく明瞭です。低域はスッキリとした中高域に比べるとボヤける印象は否めずに存在感は劣ってしまう。量感はしっかりあるので全体的に軽い印象にはならず、縁の下の力持ちとしてしっかりと仕事をしています。
音の広がり
狭い ・・●・・ 広い
音源の録音状態にもよりますが、基本的には音の広がりはさほど広くはありません。中域を中心にして中央から左右に少し広がる印象です。
音の響き
緩い ・・●・・ 鋭い
VST担当の領域はなかなかシャープな音ですねウーファー部分は緩めです。低域〜中域〜高域の音の層の分離が良いので他の音は埋もれづらいと思います。ハイブリッドの効果ですね。
音の密度
太い ・●・・・ 細い
ノリ良く、元気良く、パワフル!というキャラクターなので、スッキリ軽快ではないですね(ここはトレードオフになると思っています)。
低域が太く中高域が細く、どうしても人間が感じやすい低域の印象に引っ張られてしまうところがあるのかなと。
まとめると
元気でノリが良く、特にボーカル楽曲との相性が抜群。管楽器の鳴りも良し。リスニング特化型という感じ。VSTが中高域で良い仕事しており、低域担当のドライバーとの繋がりも問題なし。
アニソンはノリノリですよ。初音ミクはベストマッチ。特に良いのが打ち込み系。トランスとか◎だし、ゲームのサントラなんて痺れますね!(蒼穹紅蓮隊のサントラが最高でした〜)
他には、ビッグバンドはなかなか面白かったです。ホーンセクションがグイグイくるのが派手ですね。
碧 Midnight ballance2.5 のような手作りまかないイヤホンという企画はなかなか面白いと思います。作り手に負荷がかかってしまうところはありますが、コレクション性が高かったり、実験的なモデルとしてユーザーの反応を得られるというのは大きいのかなと思いました。
市販モデルではないのですが、市販モデルである碧・碧 Lightも似たような傾向にあると思います。買って損は無いと思います。
しかし、使用するにあたって注意することがあります。
気をつけなくてはいけないこと
私はイヤホンの装着にとても気を使いました。少し動いたり、触ったり、顔の向きを変えたりするだけでイヤホンからペキペキ、ペコペコと音が出たり(振動板が耳内の圧力の変化で押されて変化する音ですね)、音が出なくなったり、スカスカな音になってしまう現象に悩まされました。
初期不良を疑うレベルでしたが、音は正しく出るのでイヤーピースと耳との密着具合の問題であると結論づけ、手持ちのイヤーピースで試行錯誤を繰り返しました。
現在はacostic effectのイヤーピースとfinalのイヤーフックを使うことで安定するようになりました。
(アコエフのイヤーピースは柔らかくてモチモチしていてかなり装着感が良いのでいくつか持っておくことをオススメしますよ!)
原因を考えてみる
1.重さ
真鍮を使っている筐体なので小さくても重めです。なので聴いている間に徐々に抜けてきたりするんですよね。
2.形
丸くて小さめの筐体なのでイヤーピースでしか支えられず、重さもあって保持するのが大変です。
3.音導管
音導管(イヤーピースをつける軸)が長いせいか、少しのズレで音の出方が大きく変わってしまいます。
これは個人的な仮説なのですが、ステムが長いと音に指向性が出来てしまい、音導管の角度がずれると耳内での音の反射に影響が出てしまうのではと考えています。ステムが短めのイヤホンでは動くことでの影響はほぼ感じられません。
(finalのEシリーズなんて筐体ごと動きやすいけど音の出方に影響が出ることはないんですよね)
4.ベント
空気穴ですね。筐体に小さな穴が空いていますが、イヤホンの密閉度、ドライバーの動き、耳内での音の反響といった要素を最適化したりする穴です。
筐体の密閉度が高すぎ、筐体を触ったりすることでドライバーが耳内の圧の変化に負けてしまっているのでは。実際にペコペコ音が鳴りますしね。
これはあくまでも私の耳においての話になります。試聴が可能であればフィッティングも確かめた方が良いですね。試聴時は大丈夫だったけど、いつもの使用環境によっては上手く聴けなくなるかもしれません。その際に改善のヒントになればと思います。