松山あおいならどうするか?
みなさん、こんにちは!
ガブリエールまっすーです。
私はテレビで活躍するようなアイドルさん、フェスを引っ張ってくれる中堅の実力派アイドルさんから、小さなライブハウスでしのぎを削るアイドルさんまで幅広く愛しています。
先日餃子の王将で麻婆豆腐を食べながら、「地下アイドルの子が売れるにはどうしたらいいんだろう」という命題について、漠然と考えていました。
ここで想定している「地下アイドルさん」というのは、集客が5人前後で、日々いろいろな対バンに出て活動しているような女の子たちです。
ダンスレッスンにも、楽曲制作にも、プロモーションにもお金をかけられればいいものが作れるのはわかっているんだけど、そんな予算はない。少ない予算をどう配分するか。ギリギリのところで日々闘っているはずです。
「お金がなくたって、きっと誰かが見てくれているに決まっている。」
「今の環境で努力を続けていれば、いつか報われるにちがいない。」
私もそう信じていたいし、そういう世界であってほしいと願っていました。
でも、私もアイドル業界でいろいろな立場の方とお仕事をさせていただくようになって、「ただ努力だけしていてもなんともならないこともある」という残酷な事実が見えてくるようになりました。
だからこそ無責任に「頑張っていれば大丈夫」とは言いにくく、才能がありながらくすぶっているアイドルさんを見るといたたまれない気持ちになってしまうのです。
果たして、地下の世界から(移籍などをせず)メジャーシーンへ下剋上することは不可能なのでしょうか?
私は、それをやってのけた人物を1人知っています。松山あおいです。
完全にフリーランス、そのなかでも厳しいと言われるソロというジャンルで活動しながら、有名グループのオーディションを受けて移籍するわけでもなく、自分の力で路上からTIFまでたどり着いたアイドル。TIFまで苦節9年。
彼女の生き様は、地下アイドルのみなさんが知っておくべき存在ではないかと思います。まさに”地下アイドルが売れるための教科書”と言っても過言ではありません。
松山あおいのようになるには、何が必要なのでしょうか?
大人が何を求めているのかを知る
アイドルをしている女の子は自分にばかり注目してしまいがちです。
優秀なアイドルさんほど「もっと可愛くなるには?」「もっとダンスが上手くなるには?」と、自分を追い込んで努力をしようとします。
そして、自分が武道館に立ったり、テレビに出たりする姿ばかりをイメージして頑張ります。
これは本当に素晴らしいことですが、これだけでは不十分です。
自分のことだけではなく、周りの大人が何を考えていて、何を望んでいて、
どうしたら喜んでくれるかを考える。
自分に関するお金がどのように回っているかを考える。
これが本当に重要なのだと思います。
松山あおいさんも初期のころ、所属していた事務所からアルバム制作費用の100万円を自己負担させられそうになっています。
(このエピソードを機に松山あおいさんはフリーになります。)
詐欺まがいな話といえばそうかもしれません。やりがい搾取といえばそうかもしれません。
でも、この大人が100%悪者かと言われれば私はそうは思いません。
大人の世界の感覚からすると、まだ芽が出てない子がアルバムの制作費を自分で資金調達してくるガッツがあるなら、全力でサポートしてやってもいいかなと思う気持ちはわかります。弱小事務所ならなおさらです。
むしろまだ全く結果を出してないストリートのアイドルに100万円をポンと投資してくれる事務所の方が甘々だし、センスがないような。
当時の松山あおいさんはこのとき怖い思いをしたかもしれませんが、若いうちにこのような経験をしたことは、彼女を大きく飛躍させるきっかけになったと言えるでしょう。
ファンを大切にする
これも先ほどと同じで、自分志向ではなく、他人志向でいかに考えられるかという話です。
やはりナルシストなライブをしてると、お客さんは付いてきません。
売れるためには自分がやりたい表現を追求するのではなく、お客さんが求めるアイドル像を演じる必要があります。
(もちろん売れることが目標でなければこの限りではない。)
例えば、ライブでミックスを打ったりサークルを作ったり、激しい応援スタイルで沸くのが好きな層をターゲットにするのであれば、それを意識した楽曲を制作し、煽りをし、出演するイベントのエリア分けにも気を遣うようにするべきです。
あるいは毎年夏にビーチで水着MVを撮るグループであれば、つべこべいわず来年も再来年も水着MVを出すべきです。
特に松山あおいさんで私が印象に残っているのは、2022年に真夏のお台場で開催されたアイドル博での特典会。
脱毛テープをオタクの足に貼り付けて、言葉責めしながら、ビリッとはがすという内容は、大量のアイドルが参加したアイドル博でひときわ目立っていたし、自分のキャラとお客さんの需要をよく捉えていたなと思います。
自分の思い出作りのためではなく、ファンの方を楽しませるためのアイドル活動であることを忘れてはいけません。
圧倒的な運を引き寄せる
アイドルが売れるのに、必要なもの。
最後はやっぱり運です。
どんなに才能あふれる逸材でも、所属するグループに恵まれないと、売れないまま疲弊して卒業してしまうこと、よくあります。
松山あおいさんは、努力と才能だけではなく、運も持っていました。
2022年のお正月に開催されたNewYear Premium Partyにおいて、じゃんけんのトーナメントで勝ち抜いた各日1名がZeppのステージでライブができるという企画がありました。
松山あおいさんは、ちゃっかり優勝し、Zeppの切符をつかんでいましたね。
ここでじゃんけんに勝てる勝負強さと、突然運が巡ってきたときに爪痕を残せるようパフォーマンスの下地を磨いてきた緻密さに感服です。
ちなみに、学生時代の大谷翔平は、「運を引き寄せる」ことについてもタスクのレベルにまで落とし込んでいました。
成功者は運がいいのも悪いのも自分の責任と考えるようです。
継続力でストーリーを生む
地下アイドルシーンからメジャーシーンへと駆け上がる最も大きな壁、それは大人の事情です。
実力に見合ってないグループが事務所の力で大きなイベントに出れたりするのも事実です。
しかし、それが悪いことでは決してありません。芸能事務所が長年かけて築いてきたコネクションは資産だし、利益追求のためにそれらをフル活用するのは当然の権利だからです。
ところが、松山あおいは大人の事情を前にあきらめません。
SHOWROOMの毎日配信を1600日以上続け、4年を越えました。
しかもアルバイトと両立しながらです。
そこまで、突き抜けると人は心を突き動かされるものです。
クラウドファンディングで400万円を集め、オリジナルアニメを制作し、地上波で放送してしまいました!
継続力と強いメンタルで活動を続け、”松山あおい”というストーリーにファンを巻き込んでいき、最後は大人の事情ですら乗り越えていく。
”バイトで忙しいから時間がない”とか、”フリーだからできない”とか、言い訳をせずに突き進んでいく。
それが彼女のすごさです。
まとめ
アイドルのみなさんがなかなか売れず、つい周りの環境のせいにしたくなってしまうとき、「松山あおいならどうするか?」と自問自答してみるとよいかもしれません。
そして、自分は松山あおいほど強くないと悟ったのであれば、身の丈に合った目標にシフトチェンジするのもアリだと思うし、前向きな撤退を検討するのもアリだと思います。
もちろん松山あおいを超えるような次世代のスターが地下から出てきてくれれば、こんなに嬉しいことはありません。
人々に夢と希望を与えてくれる令和のニュースターの誕生です。
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