NHKキャスター・リポーター募集についてまとめてみました。(2021年版)
※(9/2更新)昨年記載したまとめを今年向けに少し加筆してみました。
(昨年の募集一覧は こちら(pdf)または こちら(note記事) です)
秋から冬にかけて全国のNHKで募集が行われる「NHK キャスター・リポーター募集」についてまとめてみました。
①キャスター・リポーターとは?
・NHKの正職員(アナウンサー)ではなくNHKの各放送局でそれぞれ募集する、番組出演などもあるが取材などの業務も行う。
・番組出演は地域で放送する昼や夕方のニュース番組のアシスタント、企画やスポーツなどのコーナーを担当する。一部局ではラジオニュースなどを読むところもある。
・NHKの正職員ではなく4月~翌年3月までの番組出演者契約(更新あり)、更新が満了してもNHKの正職員に編入されることはない。
・社会保険の適用、住宅手当、衣装代などない場合が多い(面接の際説明があることが多い)
・受験できる人は概ね翌年3月に大学などを卒業見込み、既卒者、社会人、既にキャスターリポーターをはじめアナウンサー経験のある人。年齢の上限に関しては記載がない。募集時大学3年生の方などは受験できない(平日週5日勤務となるので)要綱に記載はないが原則女性のみ。
昨年の要綱が消されずに一部残っていますので参考までに。
②NHK各放送局とは
・各都道府県に1各1放送局(東京は首都圏センター)ただし北海道は7(札幌、函館、室蘭、帯広、旭川、北見、釧路)、福岡は2(福岡、北九州)の54局ある。首都圏センターは原則募集がないので、のこり53局で各局単位で募集します(例年30~40程度募集)
・募集はNHKの採用ページではなくそれぞれの局のホームページや番組間のCM、ラジオなどで告知される。 今年もまとめたページを私が作る予定です。
③応募書類
局により若干違いがあるが以下のものを送付が多い。
・履歴書(市販のものでも可、写真4×3cm1枚)
・全身写真1枚
・400字の作文が一般的(作文のテーマ一覧もまとめページに書いています)
・経験者は出演番組をまとめたDVD。
④募集~内定まで
・②で書いた通り各放送局で告知される。応募期間は1か月前後。
・締切後1週間程度または面接日の1週間前頃までに結果が来て合格者のみ連絡がある。
・面接は原則1日。その放送局に行く。(交通費は出ない) 以前は筆記→集団面接・カメラテストなどがあったが最近は15~30分程度の個人面接が多い。
①原稿の下読み。放送局の所在地の地名や名所等など読みにくい漢字や難読漢字が入ったニュース原稿2・3題程度。
②軽い雑談的な質疑応答の後1問1答式で常識クイズ(語句の説明や漢字の読み、その地方のご当地問題など)
③原稿読み カメラを前に読む。局によってはプロンプター( こんな感じ さんいん中央テレビの例)を使用する場合もある。
④面接官2~5:1の個人面接で履歴書からの質問、志望動機、やりたい仕事などを話す。割と質問は多め。
・局によりその日~1週間程度で採用者が決定。その後3月に全国研修を経て4月から勤務開始。
…説明が長くなっていきましたがここからはポイントなどをまとめます。
①新卒といえども書類通過も狭き門です!
以前は書類通過者の数が多く、面接該当者も多いものの、移動の交通費や他局とのかぶり、改めて考えるとその土地になじめるかなどの理由で書類を通過しても辞退する人も多くでていましたが、現在は書類を絞っている傾向があります。
実際に大学時代に民放局で選考が進んだ方でも書類通過率が高くなかった例もあります。また既にある局でキャスター・リポーターを担当されている方がさらに大きな町や現場で仕事をしたい、さらには全く別の業種の社会人をしながら憧れを持って挑み実際に内定される例もあります。
②面接は一発勝負
面接は一日、また一次試験で終了します。短い時間ですがあらゆることを聞かれたり試されることもあります。また面接官以外にも他のスタッフなどが直接見ていたり控室でチェックしています。
③合格者は若干名、また合格後は他の局の受験はできない。
面接は局の規模によりますが20~30人程度受験し、その中から1~3人程度の内定がでます。以前は決定後も活動を続けてほかのキャスター募集を受験し複数の内定をもつ例もありましたが現在は局間で情報が回るので内定後に受験すること自体ほぼ不可能です。(複数の局にエントリー、面接を受験すること自体は可能です)
ここまでは昨年募集が始まる前に書いたものですが、実際昨年の募集が始まった後の傾向としては…。
④募集が少ない!
3昨年募集があったのは27局(1局がキャスター+気象予報士の募集)のみでした。理由は様々言われていますがコロナ禍のため局に迎えて面接を行う事が難しいこと、NHK自体が雇用形態の見直しをしていることも影響していること、また(コロナ以前から)ここ数年全体の募集が減少気味な事、(主に内定者が他局(他社)に行ってしまい追加募集で1~2月ごろ実施する)二次募集がなかった…などもあると思います。地域別にみると昨年、北海道は7局中2局、九州沖縄は9局中2局なのに対し関西は6局すべてで実施、とその地域の拠点局の意向もあるかと思います。もちろん昨年の反動で今年増える可能性ももちろんありますので何とも言えません。
⑤書類通過者も少ない!
こちらはコロナの影響で局に呼べる人数を制限している可能性が高いです。そうなると必然的に倍率が上がります。ただその一方(昨年の受験生の話を聞くと)一人にかける時間が長くじっくり見られている印象があった。とのことです。書類が通れば内定まではかなり近くなると考えられます。今後社会情勢がどうなっているかわかりませんが、いい傾向に向かっていくことを信じて募集や面接が増える方向に行くのを願いたいものです。
・書類提出のポイント
①履歴書 「NHKだから真面目に」みたいに考えずに自分を表現するようにしてください。民放と違い写真は履歴書1枚です。文章を書く力が求められます。あまり書くところは多くはないですが表現を駆使して自分を表現してください。面接ではこれをもとに話が進められます。
②400字の作文 ほぼすべての局で何らかのテーマで課されます。作文のテーマはこちらにまとめています。多くの局の題は「その放送局で伝えたいこと」です。伝えたいことをいうためには根拠が必要です。その根拠は自らの経験やエピソードを最初に書かないと説得力がありません。それを書くと恐らく1つで終わってしまうのではと思います。恐らくですがその県に全くゆかりがなくても大丈夫ですし、入局してから覚えて活躍してくれるだろう…という向上心を見せることができればよいかなと思います。あと誤字脱字や表記の正誤は厳しく見られます。(あと郵便の際の「御中」「様」など)
③出演のDVDなど ほとんどの局は経験者に対して提出させます。時間の制限などなければ多くのジャンルで様々な表情を見せているものがいいと思います。編集などは大変ですが自身を最大限アピールできるものですのでしっかりした作品を作ってください。
・面接について
オーディションとして多くの局は1日で終了する一発勝負です。体調管理はもちろんのこと当日の面接時間に一番の調子がでるようにコントロールすることが大事です。
当日の試験はカメラで撮影されながら「漢字読み」「一般常識の一問一答」「原稿読み」「フリートーク」「質疑応答」が中心です(ないところもあります)まず前半2つは「知ってるかどうか」ですので、こればっかりは日ごろの努力でしょうか。ません。事前に知識を入れておくこと、その受験地の常識(地名、Jリーグなどのスポーツチーム、歴史など)を入れておくに越したことはないと思います。「原稿読み」は事前に下読みがあるとこ、ないとこありますが文字を追うのではなく、作成した記者が「どこを一番伝えたいか」を瞬時に判断して読んでいくことです。これはNHKのニュースサイトで練習してください。またプロンプターを使用する局もあり慣れていないと戸惑う恐れもあります。「フリートーク」はとっさの判断が求められますが、日ごろの社会情勢や受験地のトピックなどが多く出ますので、ある程度話をつくって置き「○○といえば」的につなげることも大事ですがこれも日ごろの慣れではないかと思います。
例年は10月~12月にかけて募集がでます。今年の状況は未定です。もちろんメルマガやtwitterでも情報を随時更新していきますので最新情報のチェックとエントリーを忘れないようにしてください。