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【週刊プラグインレビュー】Izotope / Ozone 10 advanced -Master Assistantの考え方とレビュー-

さて、夏もそろそろ終わり、月末が近づいてまいりました。
諸石もいつものように懲りずに慌てて記事を書いている次第であります笑

今回は先日発売されたOzoneについて書いていきたいと思うのですが、これがまた、良くも悪くも色々と言いたいことのある仕上がりになってまして、今回に限っては記事を分割してコラムとレビューをお届けしたいと考えております。今回はどっちかというと文脈の整理という意味でのコラムに近いかな?

それでは、今回もやっていきましょう!
プラグインレビュー!

マスタリングエンジニアとOzoneについて。

今現代生き残っているマスタリングエンジニアにとってOzoneの存在というものは非常に大きなポジションを持っている。
それは「AIが仕事を奪うから~、」だとか、「アシスタントが~」といった意味合いでは全くなくて、Ozoneこそがマスタリングの"民主化"に成功したはじめてのプラグインだったからである。

というのも、Ozoneが出る前は、こういった統合されたワークフローのエフェクターはTCのSystem6000かWeissと相場が決まっていて。
これが買えないマスタリングエンジニアは、持っている道具の種類、手札の種類という意味でデジタル的なアプローチをすることが出来なかった。
実際、ほとんどのメジャーなスタジオがその当時、そういった先進的なデジタルプロセスが出来て、それがそのまま差別化になっていた時代があった。

そこで登場したのがOzoneである。
PCが高速化していくにつれて、外部のDSPに頼らなくても速く正確な処理をすることが出来るようになったが、当時としてはやはりSystem6000に比肩するものがまだでていなかった。

しかし、Ozoneの登場でプラグイン内で同じワークフローを保ったままマスタリングをすることが出来るようになり、大規模商業スタジオの専売特許であった”高精細なデジタル処理”が自室で頑張るマスタリングエンジニアにも届くようになったのだ。

これは、当時としては革命的であり、そのことに対する感謝の念も手伝ってかOzoneを採用しているスタジオは非常に多い。
なので、Ozoneを語るということは、今後の世界中の音がどのようになっていくか?の指標と言っても過言ではない話と言える。
例えるなら、マスタリング界のiPhoneというとわかりやすいだろうか。

僕はそのことに非常に深い敬意と感謝を持っている。
Ozoneのようなソフトウェアが無かったとしたら、はっきり言えば今の自分はないと断言できるからだ。

今回、色々言いたいことがあるといったのは、その文脈ありきではあることをまず説明しておきたい。


Ozone9から10でizotopeは何を民主化しようとしたのか?

Ozoneがマスターアシスタントを搭載してからは、いわゆる"マスタリング"の立ち位置が変わってきた。

Ozone8からはマスタリングエンジニアを雇わなくても、気楽にとりあえずマスタリングしてみたらどうなるか?といった結果を聞くことができるようになったし、外注とかをしていられないDTMerは、AIが客観的に判断した結果という意味で、機能としてマスタリングを持つことができるようになった。

なので、僕のようなマスタリングエンジニアを専業としている人から見ると、"マスタリング"という認知を広めるという意味ではこれ以上頼もしい方法はないぐらい素晴らしいモノであり、同時に職を失うリスクさえあり得る分野でもある笑

Ozone9とOzone10のマスターアシスタントの傾向

さて、そんな皆にとって、特にマスタリングを自分でやることが少ない人にとって非常に大きな機能を持つ「マスターアシスタント」だが、ここにきてすごく大きく舵を切ってきたように思う。

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