「週刊プラグインレビュー」UNITED PLUGINS / JMT CYBER DRIVE
半そでと長袖のはざまの季節・・。
皆さんいかがお過ごしでしょう?
僕の方は、忙殺されつつ、なんとかかんとか生きております。
繁忙期が続いたので、11月はちょっと羽を伸ばせたらいいなと考えている次第です。
さて、今回はあらゆる歪を一つに凝縮した、出音も可能性もイカツすぎるプラグインのCYBERDRIVEについて語ってみようかなと思います!
それではやっていきます!
プラグインレビュー!!
CYBER DRIVEとは?
CYBER DRIVEはあらゆる創造的なアイデアを一つのインターフェースで完結することがコンセプトで、デジタル系で再現できる歪のほぼすべてを搭載したディストーションエフェクターだ。
「もう、歪プラグインを終わらせてやる!」という野心溢れる作品だ。
これを知ったきっかけは、マスタリングが終わった後ウロウロしていたら、スタジオの先輩に「諸石くんさ、メサブギーみたいな歪欲しいって前から言ってたよね?これ使ってみぃ!」と教えていただきまして。
試してたところ、確かにイカツイ!となったので紹介したいと感じた次第。
手っ取り早く音を確認したい人は↑の動画をチェックしてみてください。
いつもみかけるプラグインおじさんがかなりわかりやすく解説してくれてます笑
また、基本的な使い方は公式の動画がわかりやすいので、こちらも貼っておきますね。
フィルターした歪をシリアルで混ぜていくこともできれば、マルチバンドとしての運用もでき、もちろんルーティングも全て編集可能・・という小回りの効き方である。
とはいえ、結構ややこしいことを言っているので、詳しくはこれから解説していく。
(本当はイントロセール中に記事書きたかったんですが、間に合いませんでした。またセールはじまったらXで取り上げます!)
機能面
DISTORTION
3つの同じモジュールで構成されていて、様々な歪が搭載されている。
その数、計64種類。
大まかには以下の8つのカテゴリーから選ぶことが出来る。
カテゴリーについて
クラシック - チューブ、テープ、トランジスタ、ダイオードなどのアナログハードウェアのモデルを含む
モダン - 複雑なマルチバンドディストーション、フォールディング、コンパンダーを含む
ピクセル - ビットクラッシュ、レート低減、デジタル劣化、ノイズ、グリッチなどの各種形態を含む
シェイプ - 整流、フォールドバック、非対称クリッピングなどの各種波形整形を含む
アンプ - 有名なギターおよびベースアンプのモデルを含む
ペダル - 有名なギターペダルのモデルを含む
ドゥーム - 極めて重いカスタムディストーションタイプを含む
フリーク - リングモジュレーション、フィードバック、FM、スペクトラルなどの実験的なディストーション技術を含む
歪セクション各ノブについて
MIX - ドライ/ウェット信号の混合比を制御する。
DRIVE - ディストーションへの入力レベルを制御する。ディストーションモデルによって動作は異なるが、一般的にはディストーションをより強く駆動し、より多くの倍音と圧縮を生成する。
CONTROL - ディストーションの特性を変更する。各モデルで動作が異なり、ビット深度の変更、波形整形のカーブ、飽和したフィードバック内のフィルター、バイアスオフセットなど、様々な効果をもたらす。
INPUT - ディストーションモデルの入力ゲインを制御する。負の値はディストーションを制限してゲートやスパッター効果を生成し、正の値は豊富な圧縮を伴うオーバードライブサウンドを生成する。
OUTPUT - ディストーションモデルの出力ゲインを制御する。レベル変更の手動補正や最終クリッピングステージの駆動に使用できる。
歪セクションのフィルターについて
フィルター - 各ディストーションモジュールは、ディストーションステージの音色と特性を整形するための強力なフィルターシステムを搭載している。
フィルター - ハイパスとローパスフィルターで、設定された周波数より上下の周波数をフィルタリングする。
マルチ - マルチバンドクロスオーバーで、設定された周波数より上下の周波数はドライ信号として通過する。
(ここで、根本的な挙動として、歪んだ信号をフィルターして足すのか、そもそもマルチバンドディストーションにするかを切り替えることが出来る。便利!)
スロープ - 6dB、12dB、24dB、48dB、96dBからフィルターまたはクロスオーバーのタイプを選択する。
HP - ハイパスフィルターまたはローバンドクロスオーバーの周波数を制御する。
LP - ローパスフィルターまたはハイバンドクロスオーバーの周波数を制御する。
HP PRE - ハイパスフィルターをディストーションの前に配置するか選択する。
LP PRE - ローパスフィルターをディストーションの前に配置するか選択する。
AGC - 自動ゲイン補正を有効にする。入力の音量を常時測定し、出力を一致するよう補正するため、ダイナミクスに影響を与える可能性があるとのこと。基本は手動の静的ゲイン補正の方が安全だとしている。
CLIP - ディストーションモジュールの出力で0dB以上のピークを防ぐハードクリッパーを有効にする。
FEEDセクション
ここが少しややこしい理由になっているセクション。
だが、これがある故に独自性が高い。
フィードバックの仕方を指定することが出来るわけだが、それぞれの項目について見ていこう。
コムフィルタリング、ギターアンプフィードバック、ディレイエフェクトなど、様々な用途に使用可能で、他のモジュールをフィードバックループ内に配置し、微妙な厚みを加えたり、極端な効果を生み出したりできる。
このフィードバックが意味するところというのは以下のようなルーティングのことである。
このモジュールには同期、ミリ秒、ピッチなどの様々なディレイモードがあり、フィードバックを完璧にタイミング制御できるとのこと。
TIME MODE - フィードバック用のディレイタイプは以下の通り。
フリーショート
フリーロング
シンク・ストレート
シンク・ドッテッド
シンク・トリプレット
シンク・シックスティーンス
ピッチ・フリー
ピッチ・ディテクト(入力信号のピッチを検出)
ピッチ・MIDI(任意のチャンネルでMIDIを受信)
基本的にフリーは、ms単位でのディレイとして機能して、シンクはBPM指定に添わせることが出来る。ピッチについては特定のノートに対してフィードバックをかける用途になってくる。
LEVEL - フィードバック信号の音量を制御する。
TIME - 信号が入力に戻されるまでのディレイタイムを制御する。この制御の動作は、現在選択されているタイムモードに依存する。
CLIP - 0dB以上のピークを防ぐためにフィードバック回路内のクリッパーを有効にする。
INVERT - 異なる特性を与えるためにフィードバックの位相を反転する。
SELF - フィードバックを自身の入力に送る動作になる。
つまり、フィードバックループ内にモジュールは存在しないということになるので、純粋にディレイとして信号をOUTに向かって付け加えるかたちになる。
フィルターMODEについて
FEED - フィードバック信号のみをフィルタリングし、このモジュールへの入力信号はフィルタリングしない。
ALL - モジュール全体をフィルタリングする。
他のエフェクト類はほぼ書いてある通りなので割愛させていただく。
また、画面下部のROUTING ORDERについては、ドラッグ&ドロップでモジュールの順番の入れ替え、ダブルクリックでONOFFが出来るようになっていて、直感的な操作が可能だ。
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レッスン受付開始のお知らせ
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年末年始にはHPを制作予定ですが、ひとまず
→現在第三グループ結成のため、募集中です。
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企画書お送りします。本気の方、仲間が欲しい方、是非・・!
僕は現在、parasight masteringという場所でマスタリングエンジニアをやっています。
もし、マスタリングってどうしたらいいの?
自分のミックスって、どう仕上げたらいいの?
何となく今まで作った楽曲に聞きにくさを感じる・・・。
そんなご不安がありましたら、是非一度、依頼をしてみてください。
日本屈指の環境と、僕の技術できっとご満足いただける音をお届けしてみせます。
検証について
今回は64種類の歪を検証する・・・というのはやれなくはないが、かなり厳しい戦いになるので、お気に入りの歪があったら各自で・・というかたちをとらせていただきたい。
ただ、ちょっと補足として書いておくとすると・・
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