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【週刊プラグインレビュー】Kush Audio AR-1
ご挨拶
みなさん、もう大晦日ですよ。大晦日。
今年はどんな一年でしたか?
コロナの影響もあって、働き方が全方位に変わった一年でしたよね。
僕自身は、娘が産まれて良くも悪くも激動の一年でありました。
こんな大晦日の明け方に、自分で設定した締切に首を絞められているわけですが笑
まぁ、僕らしい一年の締めくくり方よなぁ・・なんてしみじみおもいつつ。
皆様、良いお年をお迎えください。
来年も何卒よろしくお願い申し上げます。
年の瀬も年の瀬。
ギリギリになりましたが、今日もやってみましょう!プラグインレビュー!
さて、今回題材にしたいのは、愛と信頼のKush Audioから、AR-1をご紹介したいと思う。
ビンテージへの敬意そして偏愛。そこに掛け合わさる現場感。
実に、Kushらしい仕上がりのプラグイン。
どないなもんだろか?
早速みていこう。
そもそものコンセプト
後期ビートルズだとか、初期ピンクフロイドで使われていたALTECの実機をデジタルで再現するぞ。というコンセプト。
どうやら最近は実機もリイシューされたようで、そのものズバリのAR-1が30万円ぐらいで売ってます。
(https://www.kmraudio.com/lisson-grove-ar1-tube-compressor.php)
ただ、これをそのままデジタル上で再現するとやたらブライトになってしまうために、かなりKushの開発は自身の耳を使って、そのフレーバーが得られるように注意深くチューニングをしたとのこと。
「なんだ~、またいわゆる懐古主義の人たちが喜びそうなものか~解散・・!」
そんな声が聞こえてきそうなもんだけど、ちょっと待って!
これは現代でちゃんと使えるように調整されていて、非常に良い道具なんだっ!
解散するのはまだ早い・・!
そして、ビートルズだとかフロイドが大好きなそこのあなた。これ、試さないのは色々勿体ないですよ。
何がどうそんなにいいんだ?今更ALTECって・・・。
それをこれから解説していきたいと思う。
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機能面
まずは機能面を見ていこう。
基本的にはシンプルなVari-muタイプのコンプレッサーだが、色々気が利いている。
TONEノブ
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AR-1の最大の特徴はこれだと思う。
コンプレッサーにトーンシェイピングの機能を乗っけたことによって、あらゆるシーンで使いやすい。
ブライト方向とダーク方向の二つの方向性が用意されていて、それが可変ノブで調整ができるようになっている。
それぞれの特性を見てみよう。
Brightに振り切り
60年代によくつかわれていた80Hzをシェルフで落として、8Kあたりを優しく持ち上げたカーヴ
印象としては派手目でハイファイな傾向にもっていくことができる。
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Darkに振り切り
こちらも60年代に使われていた、150HZあたりと800Hzあたりをブーストして、4Kと10kをアッティネートしたThickサウンドを設計したとのこと。
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どちらのカーヴも頭でっかちに、こーすればいいんでしょ、ハイハイ。みたいなカーヴではなく。伝統に乗っ取った愛情が見られる笑
確かに、60sに多用されるカーヴはこういうざっくりしてかつ、なだらかなもので、急激なQをちゃんと調整できるようになったのはもっと後の話。
その辺の姿勢が流石と言わざる得ない。
INPUT OUTPUT
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単純なINPUTとOUTPUTのノブ。
24dBの幅を持っているINとOUT。チャンネルリンクをONにするとINPUT:OUTPUT=2:1でリンクするように出来ている。
実はこのINPUT量がキモになっていて、ここのINPUTはDRIVEと読み換えてもいいと思う。ここの数値が大きいほど、サチュレーションがかかっていく。
マニュアルに、オススメのゲインステージングの設定と方法が乗っていたのでこれを引用しておこう。
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