「週刊プラグインレビュー」Brainworx / bx_glue
今月最後の更新になります。
丁度GUで今年の夏のズボンとシャツを買いました。
今年こそは、ステテコで外出するのを卒業したい!と決意しております笑
さて、今回はみんな大好きBrainworxから、「Glue要素全部載せ」+「bxならではの提案」に思わず膝を打ったbx_glueについてご紹介したいと思います。
それでは、今回もやっていきます!
プラグインレビュー!!
bx_glueとは?
bx_glueはBrainworxから先日リリースされたバスコンプレッサーで、デュアルバンドVCAバスコンプレッサーだ。
マニュアルにも書いてあるが、元ネタは某英国製のGlueコンプで、IronやNickelが存在しているからといって、ShadowHillsではないようである。
で、その元ネタにはない機能を満載して、現代のプロダクションに最適化したものを出してきた・・・というのが個人的な印象だ。
ざっくりとした特徴としては以下。
・モダンな2バンドマトリックスを持ったクラシックVCAコンプ
・Tilt/Tubでのエンファシス
・メイクアップゲインの代わりのバンドティルト
・2種類の出力トランス
・透明性の高いクロスオーバー(12dB/oct)
・出力のAuto機能で、ユニティゲインでコンプのエフェクトを確認できる。
このように書いてみると結構地味そうな印象を受けるが、もうだいたいGlueでやりたいこと全部載せ・・という感じで、SSLのバスコンプを触ったことがある人なら、「はいはい、こういう感じね~」とさくさく初見で触っていくことが出来る。
音はざっくり以下の動画からどうぞ。
関係ないけど、このデモ曲はまんますぎて良いのか・・?とはなる笑
公式は以下からどうぞ!
https://www.plugin-alliance.com/en/products/bx_glue.html
機能面
基本マニュアルをそのまんま解説していく感じになるが・・・
まずは全体像を把握しておくと良さそうだ。
これを見ると、まずエンファシスでEQ調整して、トランス→SAT→2WayのVCAに入り、バンドティルトがゲインに影響していて、De-Emphasis→2種類のトランスの選択。その後、MIXが入り、OUTPUTはMIXした結果のOUTPUTであることがわかる。
パッと見でそんなに難しくはないんだけれど、相変わらずbrainwoxは機能豊富なので、セクションごとに解説していく。
基本的なコンプの説明は割愛させていただきつつ、特徴的なところをじっくり見ていくことにしよう。
コンプレッサーセクション
基本は、SSLのバスコンと同じ操作感である。
特殊なのが、クロスオーバーで低域と高域に分かれている部分だ。
CROSSOVER
デュアルバンドコンプレッサーのクロスオーバー周波数を設定する。
BANDLINK
各バンドのゲインリダクションのリンク具合を設定する。
0%では各バンドが個別にコンプレッションされるのに対して、100%では両方のバンドに対して同じゲインリダクションを設定する。
BANDTILT
各バンドに逆方向のゲインブーストとゲインカットを適用する。
AUTO
オートリリースのON/OFFスイッチ。
オートを入れると、リリースタイムはピークの持続時間によって自動的に計算される。
トーンセクション
XL %
信号にブレンドされるXLサチュレーションの量を決定する。
THD
bx_glueのアナログVCAモデルで生成されるTHDを設定する。
クラシックモードは、アナログ回路で生成される正確なTHDを信号に追加する。ダーティーモードではVCAの上限をより強く叩いて、さらなるGlue感を追加する。これらの歪をOFFにすることも出来る。
TRANSFORMER
Brainworx独自のトランスフォーマ物理モデルを用いて、アウトプットトランスフォーマーを選択する。磁気歪やトランジェントのロスが気になるときのためにOFFにすることも出来る。
Nickelはオープンで透明なサウンドに、Ironはざらざらとしてアグレッシヴなサウンドになる。
レベルセクション
Headroom
プロセスされる前の音量を調整し、逆ゲインを出力信号に追加する。
ようするにInputとOutputを真逆に操作できる・・ということのようだ。
これは、プリセットを切り替えたあとにオーディオのレベル調整に便利だとのこと。
Auto
入出力のRMSレベルを分析して、出力レベルを入力レベルのRMSレベルに一致させる機能。
エンファシスセクション
少し説明が必要かな・・と思うのがこのセクションだ。
Emphasisという命名は分かりやすいがあまり正確ではなくて、実際にはEmphasisとDe-Emphasisを行ってくれている。
どういうことか?というと・・・わかりやすい画像がマニュアルに載っている。
プロセスを挟む前にEQセクションが載っていて、その後プロセス、今回の場合はVCAコンプが挟まり・・・その後EQの設定を反転させたプロセスを挟む。
そうすることによって、音色への影響をできるだけ抑えて、特定の成分を重し付けしてエフェクトをかけることが出来る。
具体例として、マニュアルに載っている例を紹介しておくと・・・
・低音をコンプレッション前に減衰させると、ローにあるコンテンツの圧縮量を減らして、低域の歪を回避することが出来る。
・高域をコンプレッション前にブーストすると、重くなったコンプレッションと高域の刺さり具合を軽減してあげることができる。
これを手動でやろうとすると、EQ→COMP→EQで立ち上げて、前後のEQのゲイン設定を反転させてやらなきゃいけなくて、結構骨が折れるんだが、このセクションではそれを自動でやってくれるので、簡単に試すことができる。
フィルターは二種類用意されている。
・Tiltフィルター
高域と低域のどちらかに傾くように設定するフィルター
・Tubフィルター
中域の周波数のブースト、カットをするフィルター
後はステレオセクションであったり、サイドチェーンセクションが残っているが、見たまんまであり、特に特筆すべき点はないので割愛する。
以上が機能面である。
歪でのGlueもあり、BandリンクでのGlueもあり、Emphasisでのトーンコントロールもあり・・・となかなか至れり尽くせりである。
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検証してみる。
さて、そんなbx_glueについて色々と検証してみようと思う。
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