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東京都交通局E5000形機関車
というわけで「都営地下鉄の財務分析と事業価値評価」という薄い本を書いたわけですけど、皆さん読んでいただけましたか?読んでいただけましたね?まだの方はこちらでご購入いただけます。
(冊子版は1月中下旬を目処に準備できるかと思います)
この「都営地下鉄の財務分析と事業価値評価」について少しオマケを。
「都営地下鉄の財務分析と事業価値評価」を購入して付属のExcelをダウンロードした方はご覧になったかと思いますが、東京都交通局では平成27年度からかなり詳細な決算書を公表しておりまして、車両のところも「客車」「電気機関車」の内訳が掲載されています。
電気機関車???都営地下鉄にそんなのあるの???と思うと思うのですが、実は東京都交通局ではE5000形という電気機関車を保有していて、大江戸線の車両はメンテナンスを行うにあたり西馬込の馬込車両検修場に持っていく必要があるものの、リニア式で浅草線内を自走できないのでこの機関車で引っ張っていきます。ちなみに大江戸線と浅草線は汐留と新橋の間にある汐留連絡線(ざっくり環2の下)でつながっています。以下のサイトなど見ていだければだいたいわかります。
→ 東京TECHブログ(東京都技術会議)都営浅草線・馬込車両検修場で使用する車両について(浅草線車両の更新と電気機関車の活用)
→ 東京都交通局E5000形電気機関車(Wikipedia)
→ 都営交通公式チャンネル PROJECT TOEI 023(以下の動画)
それで、このE5000形は4両2編成で固定されていて増減もないため、平成27年度以降の東京都交通局の開示は非常に詳細になっているのを使うと鉄道車両の簿価とか償却とかめっちゃわかりやすいよねというのが今回の話です。
# 地方私鉄とかもわかりやすいはずですが、ここまで資産の詳細を表に出しているところはそんなにないはず・・・
で、決算書から電気機関車について開示されている数字を抜き出してみるとこんな感じなんですが、

まず加工せずに眺めると、1編成5億円ちょいなんだなとか、2017年度と2021-22年度になんか簿価が増えてるなとか、2020年度に償却がごそっと落ちてるなとか色々なことが読み取れると思うのですが、そもそもまず耐用年数ってどうなってるんだっけ?というと、電車で13年、機関車で18年というのが出てくると思います。で、先に挙げたウィキペとか見ると2006年度の頭から運用してるし、(平成19年度税制改正前の)減価償却限度額/残存価額差し引きして耐用年数13年で計算か、機関車といってるけど電車扱いなんだなあ、という感じがいたします。
あとは修繕による簿価の増加見てると、修繕は4年に一度くらいな感じでやってるんですかね、2006年から4年サイクルだと見るとしっくりきます。2021年度は1編成の修繕が完了し、償却額からすると1ヶ月分償却されてるように見えますし、2022年度はもう1編成の修繕が完了し、7ヶ月分の償却になっているように見受けられます(そうすると計算が綺麗に耐用年数13年で揃います)。
となるとその前の2009-10年頃のと2013-14年頃の修繕費も開示してもらって、最初の2006年の取得価額とかも知りたくなってくるのが人情というか鉄オタの性というか、という感じになってきますね。
東京都交通局さんお願いします!(というかそういうのは東京都監査事務局に聞いた方が良いかもですね)
というあたりで、ちょっとしたオマケでした。
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