ファンタジー詩:節分豆

鬼なのに角の丈が
たん瘤くらいしかなくて
髪に隠れて見えないんだ
だから皆の様に人間界へ
下りて悪戯して
投げつけられた豆を
拾って帰って擦ってこねて
鬼饅頭にして食べた事もなくて
体も人間みたいに小さくて
いつも仲間はずれさ
ある大雪の日に一人寂しく
町外れの裏道を歩いていた時
小さな火が見えて近づくと
人間の女の子が
売り物のマッチを擦り
死の眠りに落ちるところだった
僕は急いで商店街へ走り
お面を盗んで被り悪戯して
豆を投げつけられて
それらを拾って戻り
残りのマッチを擦って
炒り豆にして噛み砕き
少女にキスして与えたそしたら
僕の角はたん瘤が癒える様に
消えて無くなったんだ

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