恋愛詩:秋ノート
成人してから初めての
同窓会の席で変な回答を
してしまい酒酔いで
赤らむ顔に紅を重ねる
季節は同じ秋口の
高校時代を思い返していた
夏休み明けの席替えで
窓際の一番後ろの席になり
ドラマ漫画でよくある
“アレ”を自分もやっていた
再会した旧友の輪でされた
恋人の顔で好きな所は?
という質問に「斜め後ろ」
なんて珍回答したのは
窓際から三列目の前方に
座る女子の姿をノートに
描いていた青春の日々を
思い出していたからだ
あの秋の陽に照るノートに
描かれた彼女には僕の頬の
朱色が薄らと映っていた
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