ニス(Varnish)
ヴァイオリンという楽器は不思議なもので、都市伝説ですか?というようなエピソードが多いもの。ニスもそのひとつでしょうね。
私自身はニスが音に与える影響は、有無で言えばあると考えています。でも、ニスが特別だったから名器と呼ばれるようになった、とか、Stradivariusのニスは特別だから唯一無二、とは思えません。木材の選定、加工の精度、ニスの諸々などを含め、全体として調和しているから良い音が出てきているのだと思います。
イタリアだから良い音、というのも現代(の楽器)ではあまり当てはまらないような気がしています。ギルド的な製作方法をとっていた、かつてのヨーロッパ世界では、知識・技術の共有は極小的で、例えばイタリアとフランス、ドイツといった国単位での交流がメインストリームとしてあったとは思えません。イタリア国内(とはいえ当時は各々の諸侯だったわけですが)でさえ、クレモナ、ブレシア、ミラノ、ナポリ、ローマなどなど、それぞれに違ったアプローチでヴァイオリンを製作していたわけですし。その中で、現在イタリアと呼ばれる地域のヴァイオリンが、当時の人々の求める音や演奏法に合致したから、評価されたと考える方が自然だと思います。
とりとめのない文章になってしまいましたが、また改めてニスの色々を書いてみようと思います。例えば、
①ニスが欠けた・剥げたのだけれど、直したほうがいいの?
②ニスの色って何で決まるの?
③オイルニスとアルコールニスの違いは?
などなど。
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