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第125回おうちでレガシー カバレージ Round1 スン(ディミーアリアニメイト) VS 柳統也(アブザン奇跡)

新セット「ダスクモーン」の統率者セット。その中に、レガシープレイヤーが注目する、ひときわ異彩を放つクリーチャーが収録されていた。

その名は《変化の狂信者》。4/4絆魂のスペックを持ちながら、盤面に出たときに自身の墓地のクリーチャーを絆魂カウンターを付けた状態で盤面に引き戻すという能力を持つ。

極めて強力なスペックを持ちながら素のコストは6だが、なんと奇跡コスト2マナで展開可能。ライブラリートップを操作する手段の多いレガシーでは概ね「2マナ4/4絆魂+リアニメイト能力持ち」と書かれているに等しいクリーチャーである。

このカードに早速注目し、大きな強化をされたデッキが「スン」の持ち込んだ「ディミーアリアニメイト」である。《渦まく知識》や《思案》で簡単にライブラリーに積み込め、かつ《カザド=ドゥームのトロール》などの強力なリアニメイト先にも恵まれており、現状トップメタをひた走るこのデッキの地位がより揺るがないものになったと言っていいだろう。

一方、このクリーチャーとディミーアリアニメイトを見て「《渦まく知識》だけじゃなくてありとあらゆる手段で奇跡を誘発させたら滅茶苦茶強いんじゃないか?」「能動的にクリーチャーを墓地に送ればもっと強化できるんじゃないか?」と考えたプレイヤーもいる。名を「柳統也」という。

彼が今回持ち込んだ実験作は「アブザン奇跡」。《森の知恵》《俗世の教示者》《ヴォルラスの城塞》とあらゆる手段で奇跡クリーチャーを上に積み込み、かつ《孤独》《忍耐》のようなインカーネーションクリーチャーも太く採用し、より《変化の狂信者》を強く使う構成に仕上げている。

《変化の狂信者》を組み込むディミーアリアニメイト、《変化の狂信者》を全面的に押し出すアブザン奇跡、その両者の行く末はいかに。

■Round 1

開幕《森の知恵》を設置した柳。そして特にそれとは関係なく続くターンで《変化の狂信者》を引き込み、奇跡コストで盤面に唱えていく。対するスンは《納墓》で《恐怖を喰うもの、ヴァルガヴォス》を墓地へ埋めていく。

ここから釣り上げていきたいところだが、リアニメイト呪文が手札にないか、《渦まく知識》で手札を整える。何もないと悟ったか、ここで柳が《忍耐》を想起コストでプレイ。スンの墓地を吹き飛ばす。

攻め手を欠いたスンはそのままターンを渡す。柳はターンを貰うと、先ほど《森の知恵》で仕込んだ《変化の狂信者》を奇跡コストでプレイ。墓地に落ちた《忍耐》に絆魂を釣り上げて盤面を押し上げていく。これは勝負あったか。

しかし、ここからスンが意地を見せる。《カザド=ドゥームのトロール》を捨ててサイクリングし、続くターンで《変化の狂信者》を引き込み、盤面を押し上げた柳に食いつこうとしていく。

柳にターンを渡すも特段動きなくターンが返ってくるスン。満を持して絆魂を持った《カザド=ドゥームのトロール》が殴り掛かるが、柳はそこに合わせて《地平線の梢》を生贄にドロー。上に積んであった《聖カトリーヌの凱旋》を唱えていく。

何回奇跡を起こすんだお前はという顔をしながら、スンは《目くらまし》で対処。柳のブロックに回した《変化の狂信者》を討ち取りつつ《再活性》で強奪。諜報土地から墓地に落ちていた《恐怖を喰うもの、ヴァルガヴォス》を釣り上げ、更に《動く死体》で再度《カザド=ドゥームのトロール》を釣り上げていく。

これが決定打となったか、この後柳は盤面を取り戻そうとするが、スンのクリーチャーの波を止めることは出来なかった。

スン1ー柳0

■Round 2

2ゲーム目、柳は《豆の木をのぼれ》を展開。奇跡クリーチャーのマナコストが5マナ以上という事を踏まえての採用だろうか。対するスンはリアニメイトプランは取らず、《超能力蛙》を展開。テンポプランでゲームを進めていく。

が、当然こんなクリーチャーが許されるはずもなく、柳は《剣を鍬に》で処理。スンは初動が除去されることは織り込み済みで、2体目の《超能力蛙》も展開するが、ここにも《剣を鍬に》が突き刺さる。

動きが無くなったスンに対し、柳は《巻物棚》をプレイ。手札にだぶついた奇跡クリーチャーをライブラリーに戻しつつ、ドローの先借りをできる態勢を整えていく。

奇跡クリーチャーを積み込める《巻物棚》と奇跡クリーチャーをアドバンテージ源に変換できる《豆の木をのぼれ》。これが組み合わさったことにより、柳の方に戦局が大きく傾いていく。スンは何とかして《厚かましい借り手》などで処理しようとするが、柳の肉厚のクリーチャーの波にもまれ、そのまま押し切られる形となった。

スン1ー柳1


…さて、カバレージではこのようにあっさりと描写しているが、実際にはこの対戦、手間が非常にかかっている。

柳側のデッキは《森の知恵》《巻物棚》などでライブラリー操作を行っているため、他のデッキよりも操作することが多い。対するスンのデッキも一撃必殺のリアニメイトコンボがあるとは言え、それがないとテンポデッキとしての運用となり、一度攻め手を欠くとなかなか攻勢に転じることが出来ないというもどかしさも持つ。

クリーチャー除去も限定的であり、柳側は《剣を鍬に》《孤独》のみ、スンに至っては《厚かましい借り手》によるバウンスが精いっぱいという状況である。

極めつけは《変化の狂信者》であり、コイツがあらゆるクリーチャーに絆魂をばらまいた結果、両者ライフが全く減らないという状況が生まれてしまう。

このような要素が絡み合った結果、両者クリーチャー同士のシーソーゲームを延々と繰り返し、あたかも岩肌が波に削られて砂になるかのような速度で盤面が推移していくこととなった。

そして、何が起こったのかというと…。

■Round 3

主催「お時間です…。」

スン1ー柳1(引き分け)

■デッキリスト

■対戦動画


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マッサン
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