第123回おうちでレガシー カバレージ Round1 Poporon(フェニックスアライブ) VS わさ(土地単)
レガシーはこだわりの強いフォーマットである。カードプールも広く、自分に合ったデッキを育てていくという側面も認められている。しかし一方で、メタゲーム上の上位のデッキに対して立ち向かう必要も出てくることも事実である。
「土地単」を用いる「わさ」も、この問題に直面していた。今のトップメタはクリーチャーを主体にしたエルドラージであったり、墓地から大型クリーチャーを釣り上げて圧殺するリアニメイトであったり、とかく盤面のクリーチャーをキッチリ対処する必要に迫られている。
無論、土地単には昔から《燃え柳の木立ち》と《罰する火》という組み合わせを持っているのだが、上記のデッキ達には無力と言っていい。リアニメイトですら火力に耐性を持つ《超能力蛙》を有する始末である。
今回わさの相手となるのは「Poporon」。彼は「フェニックスアライブ」をチョイスしてこの戦いに挑む。その名の通り《弧光のフェニックス》を《生き埋め》で埋めた後、条件を満たしてそれを盤面に呼び戻し一気に殴り掛かるデッキである。
青黒を基調としており、先に述べた《超能力蛙》は当然採用されているこのデッキを相手に、果たしてわさは立ち向かえるのか。彼がメタゲームを見据えて用意した土地単、その全容を見ていこう。
■Round 1
《エルフの開墾者》から入るわさに対し、まずPoporonは《思考囲い》で手札を確認する。公開された手札を見て「土地単か…」と独り言つPoporonだが、ここは《輪作》を捨てさせてターンを回す。
そのまま《モックス・ダイヤモンド》と《演劇の舞台》を展開するわさに対し、Poporonは《超能力蛙》を展開。一気に圧をかけていく。
しかし、ここでわさは手札に引き込んだ《イス卿の迷路》を展開していく。この土地を前にPoporonはうなる。なんせ自身の展開した《超能力蛙》がわさを攻撃することが出来ず、アドバンテージを稼ぎ出すことが出来なくなるためである。
そうなると今度は《暗黒の深部》がちらつくPoporon。ひとまず《四肢切断》で《エルフの開墾者》を処理するが、息を吸うようにわさは2枚目の《エルフの開墾者》を展開。Poporonに圧をかけていく。
耐えかねたPoporonは《生き埋め》をプレイ。ライブラリーから《弧光のフェニックス》を3枚探し、それを墓地へ埋め込む。しかし、わさは展開されていた《マダラの鉤爪門》を《エルフの開墾者》の能力で《ボジューカの沼》に変換。墓地を全て追放し、Poporonの勝ち筋を大きく削ぎ落していく。
Poporonは手札から残った1枚の《弧光のフェニックス》を展開するが、既に時間切れ。《暗黒の深部》の到着までライフを削り切れないと判断したか、ここで盤面を畳んだ。
Poporon0ーわさ1
■Round 2
2ゲーム目、《苛立たしいガラクタ》を展開するPoporonを嘲笑うようにわさは《踏査》をプレイ。土地を伸ばしていく。Poporonは先と同様に《超能力蛙》を展開するが、これも《イス卿の迷路》に封印される。
Poporonの動きを封じた上で、わさは《鋭い目の管理者》を展開。Poporonの墓地もしっかりと警戒し、じりじりと圧力をかけていく。
Poporonはなんとか展開に食いついていこうと《思考囲い》をプレイ。しかし、手札は土地だらけ。苦悶の表情を浮かべつつ、わさにターンを渡す。その上で《剣を鍬に》で《超能力蛙》を処理していく。Poporonの展開する《知りたがりの学徒、タミヨウ》を尻目に、わさは《鋭い目の管理者》の能力を起動。墓地のカードを追放し、一気にサイズを上げていく。
たまらずPoporonは《致命的な一押し》をプレイ。しかし、ここにわさは《輪作》をプレイ。ライブラリーから飛び出る《マダラの鉤爪門》を前に、Poporonは右手を差し出した。
…これだけ見ると、わさが都合よく《イス卿の迷路》を引き、Poporonの動きを抑えた上でコントロールに回っているように見える。が、これは断じて「運」の一文字で言い切ることはできない。
「クリーチャーに殴られることが多いのであれば、殴られる回数を減らせばいい。」
「《リシャーダの都》《幽霊街》といったマナを縛る手段は、今のメタに合致しない。」
こう判断したわさはマナを縛る手段を大幅に減らし、その枠に《イス卿の迷路》を追加。安定して相手の早期に出てくるクリーチャーを対処できる構築にしているのだ。
更に信頼性に欠ける《罰する火》をオミットし、《剣を鍬に》に変更することで、きちんと盤面のクリーチャーも処理することを可能としている。
勝者わさ。メタゲームをしっかりと見据え、その上で自身のこだわりをしっかりと押し通した。
Poporon1ーわさ2