第113回おうちでレガシー カバレージ Round3 Oops(エルドラージ) VS ラーメン王(グリクシスデルバー)
現在進行形でレガシーにその影響力を轟かせている「エルドラージ」。その暴力的なマナ加速と圧倒的な展開力を前に、並のデッキはなすすべなく弾き飛ばされてしまう。今回全勝卓に勝ち上がってきた「Oops」も、そんなエルドラージを使って好調に勝ち進んできたプレイヤーである。
しかし、このエルドラージ、全くの弱点がないわけではない。非基本土地を多用することから、《不毛の大地》や《血染めの月》といった土地を咎めるメタカードが突き刺さる事、そしてほぼ全てのエルドラージが飛行を持っていないため、飛行を持つクリーチャーをブロックできないという事が弱点として挙げられる。
「非基本土地を咎める手段を持つ。」「飛行クリーチャーで構成される。」このような特徴を持つデッキは、実はレガシーに古くから存在する。そう、今回「ラーメン王」が持ち込んだ「グリクシスデルバー」である。
《秘密を掘り下げる》《ドラゴンの怒りの媒介者》《濁浪の執政》といった飛行クリーチャーを軸とし、相手の土地は《不毛の大地》で対処。相手が何もできない間に一気に攻め立てる、由緒正しいクロックパーミッションであるこのデッキは、最近は《超能力蛙》という新顔も獲得し、より打点に磨きがかかったと言える。
今を時めくエルドラージか。はたまたそれに強く出ることが出来る由緒正しいデルバーか。今回の全勝決定戦、その模様を見ていこう。
■Round 1
初手《運命を貪るもの》でドローを整えていき、《エルドラージの寺院》をセットしていくOopsの動きを、さっそくラーメン王が《不毛の大地》で咎めていく。続けてOopsは本命である《ウギンの目》をセット。そのままターンをラーメン王に返す。
目算が外れたか、ここでラーメン王は素直に《ドラゴンの怒りの媒介者》を展開していく。それを見たOopsはターンを貰うと《古えの墳墓》をセットし《まばゆい肉搔き》を展開。一気に圧殺しにかかる。
しかし、ラーメン王は落ち着きながら、まず《稲妻》で《まばゆい肉搔き》を処理。続けざまに《不毛の大地》で《ウギンの目》を吹き飛ばし、Oopsのリソースを削ぎ落していく。
対するOopsも《不毛の大地》でラーメン王の《Volcanic Island》を吹き飛ばす。しかし、ここでラーメン王は《Underground Sea》を展開し、《秘密を掘り下げる者》をプレイ。圧力をどんどんOopsへかけていく。
そして次のターン。《エルドラージの寺院》をセットしたOopsに対し、アップキープにラーメン王は《渦まく知識》をプレイ。ここでOopsが《コジレックの命令》をプレイするが、これは《意志の力》が突き刺さる。
そして《秘密を掘り下げる》誘発。ライブラリー上に積み込んだ《稲妻》を公開し、《昆虫の逸脱者》へ変身を遂げる。そのまま《ミシュラのガラクタ》を展開し、積み込んだ《ドラゴンの怒りの媒介者》を諜報で墓地に落とし昂揚達成。一気に跳ね上がった打点をOopsへお見舞いする。
ここから巻き返したいOops。《まき散らす菌糸生物》を展開するが、目の前のクリーチャーは止められない。ここでOopsは盤面を畳むこととなった。
Oops0ーラーメン王1
■Round 2
2ゲーム目、《運命を貪るもの》でドローを調整しつつ、《古えの墳墓》を展開。ラーメン王は1ゲーム目同様土地を割りに行きたいが、ここは《ドラゴンの怒りの媒介者》を展開するにとどまる。
続くターン。Oopsが《エルドラージの寺院》を展開する傍ら、ラーメン王は2体目の《ドラゴンの怒りの媒介者》を展開。更に《渦まく知識》で《不毛の大地》を探しに行く。
が、ここまで自由に土地を伸ばせたOopsは、満を持して動き出す。《ウギンの目》を展開すると《難題の予見者》をプレイ。Oopsの手札を確認しにかかる。手札は《秘密を掘り下げる者》2体と《不毛の大地》。迷わず《秘密を掘り下げる者》を追放し、ラーメン王にターンを返す。
ここで《ドラゴンの怒りの媒介者》を何が何でも昂揚させたいラーメン王は《秘密を掘り下げる者》を唱えて《目くらまし》。無理やりクリーチャーを墓地に埋め昂揚を達成し、一気に勝負を仕掛けようとする。
しかし、肉の質ではOopsが勝る。Oopsはターンを貰うと《まき散らす菌糸生物》を展開。《エルドラージの寺院》をサーチし、2枚目の《難題の予見者》を展開。一気に打点を跳ね上げていく。
形勢を逆転され、何とかここで勝負を決めに行きたいラーメン王は《渦まく知識》をプレイ。相手のライフを詰め切るべく、《稲妻》を探しに行く。しかし、諜報2回からの3ドローをもってしても、このカードにたどり着くことはできなかった。
Oops1ーラーメン王1
■Round 3
最終ゲーム。Oopsは相手のクロックを抑えるべく、《虚空の力線》を展開した状態でゲームスタート。しかし、ここでラーメン王が展開するのは《秘密を掘り下げる者》。よりによって《虚空の力線》が刺さらないクロックが1ターン目に着地する。
Oopsは《不毛の大地》でラーメン王の土地を割るが、ラーメン王はすかさず2枚目の土地を展開。《ドラゴンの怒りの媒介者》をプレイし、Oopsを追いつめていく。
Oopsは《むかしむかし》を唱えつつ、《古えの墳墓》をセットしゴー。対するラーメン王はアップキープに《稲妻》をプレイ。ライブラリートップを諜報で確認し、そのままトップに乗せる。
すわ変身の構えか。身構えるOopsだが、ラーメン王はそのまま《秘密を掘り下げる者》を変身させずドロー。胸をなでおろすOops。しかし、逆にこのような疑念が浮かび上がる。
「なんで変身しないカードを諜報でライブラリーの上に積んだの?」
その疑念は最悪の形となってOopsに襲い掛かる。ここでラーメン王がライブラリートップに積んだカードはよりによって《不毛の大地》。そのままセットして《古えの墳墓》を処理していく。
出鼻をくじかれるOops。ここは負けじと《コジレックの命令》を撃ち込むが、これは《意志の力》により対処される。ならばと追加の土地を置くOopsに対し、ラーメン王はターンを貰うと《渦まく知識》を公開し《秘密を掘り下げる者》を《昆虫の逸脱者》へ変身させる。
そしてそのまま《渦まく知識》をプレイし、ダメ押しの《不毛の大地》へアクセス。そのままOopsの土地を丸裸にして試合終了。見事エルドラージの弱点を突いたラーメン王が、本日の全勝に輝くこととなった。
Oops1ーラーメン王2