彫刻的であると言うこと 新井昌広

僕は
ナイフを持つ
そして、彫刻を掘る
感じたままにしながら
イメージに忠誠を尽くすよう努める
余分なものは削ぎ落としていく
削ぎ落とされる音が美しく響くように
適度なスピード感が欲しい
感じた以上の事をしようとすると命取りになる
高ぶってはいけない
陶酔などはもってのほかだ
ナイフは一つで
目的以外の役割は担えないのだから