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【詩】朝の吟遊詩人たち
始発バスも来ない時間から、
窓の外にある公園に、ぞろぞろ
吟遊詩人たちが集まってくる。
彼らは大声を張り上げながら、
その存在を主張する。
疲れ果てた人の耳には、
季節と自然に調和した
心地よい音楽に聞こえるも、
這い出たばかりの虫たちには、
死神の雄叫びに聞こえている。
彼らの歌に興奮したのか、
花はつぼみを膨らます。
春に目覚めた樹木たちは、
彼らの声に呼吸を合わせ
新生の時を待っている。
車の音にかき消されるまで、
窓の外にある公園で、
詩人はライブを繰り返す。
彼らは大声を張り上げながら、
聴衆者たちをも刺激する。