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生き物の詩

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生き物を扱った詩やエッセイです。
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2024年8月の記事一覧

ライバル

ぼくが中学生の頃 親戚の家にクリという犬がいた。 横須賀の久里浜生まれということで その名…

新谷雅老
3か月前
4

【詩】ともだち

何を言っても知らんぷりして したい放題のネコを見て人は こう思っているのであります。 『無…

新谷雅老
3か月前
6

【詩】大雨の草むら

大雨の降る夜の草むらで 静かに鳴いている虫たちは この雨に濡れていないのだろうか 巣の浸水…

新谷雅老
3か月前
11

【詩】痩せぎすのバッタ

濃い緑色の作業着を着込んだ 痩せぎすのバッタは 滑り止めの付いた ギザギザの地下足袋を履き …

新谷雅老
3か月前
2

【詩】空のスイマー

空のスイマーは 両手を大きく広げ スイスイと流れるように 風の中を泳いでいく。 遠い日の 水…

新谷雅老
3か月前
16

【詩】来世人事

神さまお願いがあるのです。 次の人事のことなのですが、 私を口元が針になっている 奇怪な容…

新谷雅老
3か月前
7

【詩】根

生活で疲れた心が根になって、 また疲れた生活を生む 闘いで砕けた心が根になって、 また新たな闘いを生む 恋愛に酔った心が根になって、 また酔った恋愛を生む 怒りで狂った心が根になって、 また狂った怒りを生む 喜びに溢れた心が根になって、 また溢れた喜びを生む 仕事を怠ける心が根になって、 また怠けた仕事を生む 人を遠ざける心が根になって、 また独りぼっちになる 幸せで一杯の心が根になって、 また一杯の幸せを生む

【詩】我々は宇宙人である

我々は宇宙人である。 我々は宇宙人である。 かつてお前たち地球人の 夢の中にやってきて いま…

新谷雅老
3か月前
7

【詩】最期

日が暮れて部屋の灯りがつくと 彼らはマンションの六階にある 我が家の窓を目がけ飛んでくる。…

新谷雅老
3か月前
8

【詩】蝉、蝉、蝉、

それにしてもすごい音だ その音に気づかないくらい すごくすごく大きな音だ。 ゴミ出し日のカ…

新谷雅老
4か月前
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